人生の教えをよく噛みしめる - 菜根譚(1)
『菜根譚(さいこんたん)』は中国、明代の古典です。洪自誠という著者が、儒教、仏教、道教といった教えを合わせた人生訓を編みました。
「野菜、根菜をよく噛んで食べるように、栄養のある言葉を味わおう」という考えから、「菜根譚」と名づけられたようです。
では、『菜根譚』から現代語訳で引用します。
(以下の現代語訳は、「詩の図書館」オリジナルです。ただし、岩波文庫の『菜根譚』(今井宇三郎訳注 1975)をおおいに参考にしています。引用に付されたページ数は、岩波文庫に即しています。原典(原文と読み下し文、岩波の日本語訳)が気になる方は当たってみてください。)
「良薬口に苦し」に似た教えです。人生、楽々行ったらだめだよ、ということでしょう。
天候と自然の例え話を通して、人の心のありかたを諭しています。
派手好みや世間の人気をとりやすいもののなかに、深い味わいはない。「淡白」なものが真実なものである、という考えです。そしてそれはいつも変わらない(「常なるもの」)と言っています。
中国の古典で、このように淡泊さを大切にした言葉には、「君子の交わりは淡きこと水の如し」(『論語』)があります。
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