マガジンのカバー画像

沈黙の世界──ことばの生まれ出づる処

7
マックス・ピカートの『沈黙の世界』は、「沈黙」や静寂の持つ意味を根っこから考え抜いた本です。それはこの世界の奥底に、そして言葉が生まれる苗床として、「沈黙 silence」を置く… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

沈黙の世界(7)生と死の沈黙、そして騒音の世界

マックス・ピカートの『沈黙の世界』という哲学書の紹介です。 前回、沈黙と言葉はともに、「…

11

沈黙の世界(6)真理と美と。その慎ましやかなあり方

マックス・ピカートが詩的な言葉で「沈黙」の意義を問う『沈黙の世界』という本より、引用です…

13

沈黙の世界(5)音楽としての沈黙と真理に支えられる言葉

マックス・ピカートの『沈黙の世界』より、「音楽」について語られたところを引用します。 音…

27

沈黙の世界(4)言葉の誕生

マックス・ピカートの『沈黙の世界』より、沈黙から「言葉」が生まれ出るところの考察を引用し…

14

沈黙の世界(3)──はじまりのはじまり。始原の現象

『沈黙の世界』の解説記事、続きです。 哲学者のマックス・ピカートによれば、 沈黙は一つの…

19

沈黙の世界(2)──無用なもの、聖なる荒野としての沈黙

『沈黙の世界』の著者、マックス・ピカートは、ラジオが流行し、音のあふれ出る20世紀にこの本…

15

沈黙の世界(1)──マックス・ピカートの『沈黙の世界』

マックス・ピカート著『沈黙の世界』(原著 1948)は、この世界の根源に「沈黙」があると考える哲学書です。 ラジオの登場や都市に騒音があふれるなか、ピカートは慎重に、かつ詩的に「沈黙」とはなにかを解き明かします。 まず、もし沈黙が根源的なものだとすれば、それを言葉で言い表せるのでしょうか。 しかし、沈黙を一つの存在なきもの、一つの空無として解するときにのみ、それは不思議に思われるにすぎない。 だが、沈黙は一つの存在せるもの、一つの生きてはたらいている現実なのであって、