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語学エッセイ集

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ことばについてのエッセイ集。外国語学習のこと、気になる言葉、好きな言葉をまとめました。また、「激論」したことをこのマガジンに含めています。
文章の書き方やテーマの見つけ方をまとめました。また、英語以外の外国語の話題も取り上げています。哲学…
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#詩

詩 | グラス洪水

詩 | グラス洪水

雨を聴く。雨を聴きながら詩作する。
雨を聴く。雨音を聴きながら思い出す詩が私にはある。

 生野幸吉・檜山哲彦(編)「ドイツ名詩選」(岩波文庫)から、ギュンター・グラスの「洪水」(Hochwasser)を紹介したい。

⚠️Hochwasser の「hoch」(ホッホ)は英語の「high」に、「wasser」(ヴァッサー)は英語の「water」に相当する。直訳すれば「高い水」。だから「洪水」。
 

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詩作 | かなふみのルール、Kana-fumi | Without using the voiced sounds

詩作 | かなふみのルール、Kana-fumi | Without using the voiced sounds

Since I began to write articles on "note," I have come to compose a lot of poems, espacially, tanka-poems.

All I know about tanka-poems is that they are made up of 5-7-5-7-7 syllables. But the more

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詩 | ハイネ 「なにゆえにこう悲しいか」

ハイネ「なにゆえにこう悲しいか」(ローレライ)

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※試聴版です。オリジナル版(02:16)はマガジン購入すると視聴できます。

生野幸吉・檜山哲彦(編)「ドイツ名詩選」、岩波文庫より。pp126-129.

Ich weiß nicht, was soll es bedeuten
H. Heine
「なにゆえにこう悲しいか」[ローレライ]

https://blog.goo.ne.jp/humon007/e/cc70fe75a26b8534642ba9d100be82b2

詩 | 日没の時間

詩 | 日没の時間

仕事が終わり
いつもの場所へ
戻るとき
今日という日を
ぼんやりと
考える

考えるけど
そこに言葉は
存在しない

いいことも
イヤなことさえ
浮かばない

時の流れも
しばし忘れて
ただぼんやりと
そこにいるだけ

言葉を忘れ
無になる時間

つかむ道具は
言葉ではない

あえて言うなら
身も心も
オフになってる

暗くなるのも
気づかなかった

存在という
意識さえ消え
有が消え
無も消えて

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詩 | 幸せが形成される夕暮れ

詩 | 幸せが形成される夕暮れ

ふと幸せだった時のことを思い出す
あの頃は楽しかったなって

今になって
幸せだったなと思うことも
そのさなかにいるときは
ただただ必死で 
そうならざるを
得なかっただけなのにね

今になってはじめて
あんなに悲しかったことが
今の自分を形作る要素に
なったことに気がつく

今の私なら乗り越えられる…
なんて思ったりもするけど
それはあの時経験したからなんだよね
要らないと かつて思ったことが

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読書感想詩 | 長田弘「読書からはじまる」(ちくま文庫)

読書感想詩 | 長田弘「読書からはじまる」(ちくま文庫)

言葉にならないという
言葉にすがりたくなくて
言葉から自由になりたくて
言葉から離れようとして
それでも
言葉にならないものに
言葉を与えたくなって
言葉にすがりつく

言葉から情報を得るためじゃなく
言葉から相手の心をつかもうとして
言葉で自分の心を表そうとして
やっぱり言葉じゃダメだと思いつつ
でも言葉以外に
選択肢などあろうはずはないと
あり合わせの言葉で今日も書きなぐる
見たことも感じたこ

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なぞなぞ詩 | タイム・マシーン

なぞなぞ詩 | タイム・マシーン

ロケットや飛行機よりも前から
タイム・マシーンはあった

ソクラテスにもブッダにも
ヘロドトスにも紫式部にも
どんな人にも会える

国境も簡単に越えられるし
宇宙にも簡単に行けるし
なんなら未来にだって
飛ぶことができる

そんな夢のような
乗り物なんてあるの?

あるよ
僕の家には
片手でも持てるくらいの
タイム・マシーンがたくさんある

乗り物だけど乗ることは出来ない
だけど目的地にはたどり着

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詩 | ライム&ライム、Poetry | lime&rhyme

詩 | ライム&ライム、Poetry | lime&rhyme

After work
when I was walking
a strange straight street,
I saw a lime tree under a slight light.

After that
when I told an old man I knew
what I saw near here,
he said he couldn't hear me.

A

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ひとり寂境にあって抱いた不安(抄)

コウルリッジ詩集より。

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※試聴版です。オリジナル版(01:47)はマガジン購入すると視聴できます。

コウルリッジ (E.H.Coleridge)
「ひとり寂境にあって抱いた不安
--1798年4月、敵軍襲来の警報を受けて」(抄)。
Fears in Solitude
Written in April 1798, during the Alarm of as Invasion(岩波文庫、上島建吉[訳])。


詩 | 何故と問うなかれ

詩 | 何故と問うなかれ

音楽を聴きながら、詩を書いてみました。歌と詩は直接的な関係はありません。
タイトルの「Frag nicht warum」(何故と問うなかれ)だけ、お借りしました。

詩 | 何故と問うなかれ
理由なんて後からついて来るもの。

「~だったからなぁ」と思い出した時に理由が決まるもの。決めるもの。

ひとつひとつの行動は「なんとなく」の連続に過ぎない。

曖昧模糊とした過去の出来事に、無理やり筋の通っ

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