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素敵なnote=文章を書く方々

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内容、あるいは文章が魅力的なnoteを書く人。読み返したいものたち。
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#エッセイ

もってる知識は多いほどいい

もってる知識は多いほどいい

同じものを見たり、同じ話を聞いたりしても、人によってどう認識し何を理解するかは大きく異なる。
解釈は人それぞれだというが、では、何がその解釈の違いを生んでいるのかと言えば、各自がもつ情報量・知識量の違いだろう。ありきたりの解釈ばかりが生まれてくるとしたら、そこに集まる人たちの知識の幅がきわめて常識的な範囲に狭く収まってしまっていたりするからなんだろうと思う。

解釈の違いは、価値観の違いから生じる

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私の好きなコメダメニュー誰も知らない

私の好きなコメダメニュー誰も知らない

名古屋発祥の喫茶店「コメダ珈琲店」の知名度といえばもう全国区だと思う。
SNSでは、サイズが写真と違ってデカすぎる逆写真詐欺を犯す神的お店として度々話題になっている。
一度行ってみたい、何度も行きたいという人も多いはずの名店だけど、なんせ私はコメダと同じ名古屋の者なので?それはもう頻繁に利用しているわけさ?
数多なメニューを食べてきた私となればコメダ一押し商品は「シロノワール〜!」などと誰しもわか

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数人に囲まれ危機を迎えた話

猫を動物病院へ連れて行く途中、近くで現在の政策に対してメッセージを送るビラを配っている人達がいた。

私にもビラを渡しに来たのだが、両手は猫で塞がっている為受け取れない旨を伝えようとしたところ、太ももから臀部にかけて激しく攣ってしまった。あまりの痛さに「うおぉ…」地の底からうめくような声が漏れた。

しかも、痛くないところを探すように身体が意思とは無関係に捻れていく。
目の前で突如捻れ出した不審者

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美しい人を推す、美しさを強いられる私たち

美しい人を推す、美しさを強いられる私たち

私の朝は、枕元にお守りみたいに置いてあるスマホを開いて、時刻を確認するという名目で壁紙に設定した推しの顔を拝むことから始まる。ネットに転がっている数々の美しい静止画の中からわざわざ選んだのは、ライブ配信中の推しがまん丸の目をグッと近づけてコメントを読み上げている間抜けなスクリーンショット。別に大した意味はなくて、ただ私は、誰かにとっての推しとしての推しではなく、人間としての推しを愛しているのだと

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あたためて、ほどく。その文章はまだ私には書けない

あたためて、ほどく。その文章はまだ私には書けない

素敵なエッセイを読みました。誰のことを傷つけることもなく、気取りもせず、そして読み終えてほっと心をほどいてくれるような文章でした。

そしてそれを読んだ時に私は、ああ、自分にはこれは書けないな。そう思ってしまったんです。

私だって肩肘をはらずに生き様を文章にしたいと思っているし、言葉で誰かを攻撃したいわけではないし、誰かを勇気づけられたらそんなに幸せなことはないんです。

でも、そもそも若造の私

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ひよっこ雑誌編集者1年ちょっとの成長

ひよっこ雑誌編集者1年ちょっとの成長

未経験から雑誌編集者になってから1年ちょっとの成長を振り返りたい。

編集者になりたてほやほやの記事はこちら

私が編集者としている働いている雑誌はどんなものかをざっくりと・2か月に1回発行するフリーペーパー(業界誌)

パン屋さんの味方になるような雑誌

・だいたい60Pほどの雑誌

雑誌全体で60Pほどの中の20Pほどが
広告主が用意した純広告や、カタログページ、まんがなど、データをそろえるだ

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書く人間はモテない

書く人間はモテない

久しぶりに、田中泰延さん著書の『読みたいことを、書けばいい』を読んで、第四章に書いてある『書く人間はモテない』という言葉に心が痛んだ。

なぜならこの言葉を読んだときに、自分の年齢を振り返ったからである。

23歳、女性。どう考えても文章を書かないほうがモテる。

インスタやTikTokを見て思う。同年代はみな顔を載せていいねをもらっている。対して私は、60歳になってもできる「文章を書く」という行

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加工された音楽は二義的

TikTokが流行っている。こういう言い方をすると年寄りくさいだろうか。でも、初めの頃はみんな「TikTokとか中高生向けやん」という意見だったのに、いつのまにか周りの子の8割がTikTokを見るようになった気がする。私はアプリを入れてはいないものの、InstagramやTwitterでTikTokの画面録画は流れてくる。好きなインスタグラマーもYouTuberもアイドルも、みんなやってるし。

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これからも、Tシャツに心を塗る。

これからも、Tシャツに心を塗る。

タンスの中身の8.5割が、Tシャツだ。その中の6割が白Tシャツだ。それくらい私は長年、Tシャツに信頼を寄せている。

私はバンドが好きで、バンド好きは、Tシャツをすこぶる買ってしまうのだ。

バンド好きの方なら共感いただけるだろう。(多分)

なぜか。

まず1つ目、好きなバンドのツアーでは、「〇〇ツアー2021」などと書いた、ツアーでしか買えない限定Tシャツを買ってしまいがちだ。バックプリントに

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「プロの仕事」と「五分の魂」

「プロの仕事」と「五分の魂」

棚橋選手の動きは決して良くなかったです。でもなりふり構わず、文字通り全力を振り絞って闘う姿が胸を打ちました。カッコよくない。だからカッコいい。ついに彼もその領域に来ましたね。

しかし試合後、感動的なマイクで大会を締めた王者・鷹木選手をEVIL選手が背後から襲撃。動画で見ていても会場が一気に静まり返ったのがわかりました。

新日本プロレスは「こうやって客をモヤモヤさせておけば、鷹木がEVILをぶち

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4歳の私が家出した話

4歳の私が家出した話

エムコは激怒した。
かの邪智暴虐の母から逃げねばならぬと決意した。

初めて家出をした時の事はよく覚えている。
あれは私が4歳の時だった。確か母と揉めて、彼女という存在にほとほと愛想が尽きた私は「この人とはもうやって行けない」と悟ったのだろう。これ程馬が合わないのならやむなし。この家は譲り、私が身を引こうじゃないかと、愛する祖父母宅に行くことを決意した。

祖父母の家まで車で40分かかるかかからな

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思い出はいつも雨色。

思い出はいつも雨色。

僕たちを守ってくれるヒーローには基本的に制限時間が存在している。ウルトラマンもアイアンマンも常にそばに居てくれない。唯一、隣人のようなヒーローはアンパンマンくらいだろう。

僕は雨の日だけは世界中を無視して自分だけのヒーローになろうとずっと前から決めている。

今日は、なんと、雨音がアラームの代わりをしてくれた。ひたすら地面に打ち付ける雨音で僕は目を覚ました。「あぁなんて幸せな朝なんだろう」そう思

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This is Peachful life(いまから岡村靖幸を語らせて。)

This is Peachful life(いまから岡村靖幸を語らせて。)

今から12年前、小学校高学年だった私は、教室という狭い世界の中で生き残ることに必死だった。

スクールカーストの上位にいる子たちには媚を売り、月はじめには中学生向けのファッション雑誌を買い、「ダサい」とか「ぶりっ子」とか言われないように、毎日コーディネートに頭を悩ませる。

休み時間の話題についていけるように、みんなが見ている番組は必ずチェックし、本当はあまり興味が湧かないドラマでも毎晩うとうとし

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しずかな場所がほしくて(定期購読マガジンはじめます)

しずかな場所がほしくて(定期購読マガジンはじめます)

こんなことを言ったらごうまんに思われるだろうなとか、あらぬ方向から批判されたりするんだろうなとか、こんなことをしたらもう取り返しのつかないことになるんじゃないかとか。

そんな思いがぐるぐると脳内をうずまいて邪魔をして、自分のほんとうの欲求や気持ちにうすうす気づきながら、それにしずかにフタをすることがある。「いや、でもこっちもいいもんだよ、これでいいんじゃない?」と、自分に自分でうそをつく。

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