潮井エムコ

エッセイを書いています。初エッセイ本【置かれた場所であばれたい】2024年1月19日に…

潮井エムコ

エッセイを書いています。初エッセイ本【置かれた場所であばれたい】2024年1月19日に朝日新聞出版より刊行📘

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■どんなメンバーシップか 気まぐれな潮井エムコの執筆活動の尻を叩いていただくメンバーシップです。 ■活動方針や頻度 エッセイ、連載、日記など、形にこだわらず自由にアウトプットをしていきます。過去に無料で公開しているエッセイよりもカジュアルに、すっぽんぽんな気持ちを綴る予定です。不定期更新ですが、月に2回は更新します。 ■どんな人に来て欲しいか 1人の人間の日々や思考をのぞいてみたい方、尻を叩いて(執筆活動を応援して)くださる方、一緒に楽しく尻を振ってくださる方にご参加いただけたら嬉しいです。

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ご挨拶

はじめまして、潮井エムコです。 2021年2月より文章を書く練習をする為にエッセイを書き始めたら、エッセイストになりました。 まだまだバブです、精進します。 ◾️2024年1月19日に朝日新聞出版より初書籍 【置かれた場所であばれたい】 を出版させていただきました。 noteで公開しているエッセイを加筆修正し、書き下ろしを加えた1冊になっております。読者のみなさまのおかげで産まれた本です。お手にとっていただけますと幸いです! ↑出版までの経緯と制作中の思い出はこちら

    • お白湯は身体にいいのよ

      「お白湯飲んでますか?身体にいいですよ」 ガチガチに凝り固まった私の体を揉みほぐしながら、セラピストの女性が言った。 毎日10キロ近い子を抱きかかえ、私の布団に大の字で寝る子を避けながら、テトリスのブロックのように身体を曲げて寝ている日々である。体は休まるどころか疲労を重ねていく一方で、ついに下を向けなくなるほど首肩が凝り固まってしまった。肩に乗った石が岩になってしまう前に、お小遣いを突っ込んだ財布を握りしめてマッサージ屋に来たのだ。 「お白湯は身体の代謝を上げてくれる

      • 人は何故結婚するのか【創作大賞感想2024】

        「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」 結婚の是非について議論が渦巻く現代に痛烈な印象を残した、ゼクシィの有名なコピーである。 このコピーに脳天をカチ割られたうちの1人が 、何を隠そうこの私である。自分がオットからプロポーズをしてもらった時も、このコピーが脳内によぎったくらいだ。 オットと過ごす毎日はきっと、自分が1人で過ごすそれよりも楽しい。私はそう思ったから、渡された指輪を、自分の意思で左手の薬指に捩じ込んだ。 “幸せ”という言葉は

        • 幻のカレー味

          少し遠いが行けなくもない場所で、作家さんやライターさん、クリエイター活動をしている方々の集まりがあると知り、勇気を出して申し込んだ。 潮井エムコとして初めましての人前に出るのは、取材や文章の仕事関係以外で初めてである。エッセイという名のプライベートのストリップ活動をしている身としては、著者である私自身の解像度が上がることへの抵抗がある。しかしそんなしょうもない自意識よりも、同じような活動をしている人たちと交流してみたい気持ちが勝ったのだった。 子をオットに託し、数時間電車

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          幻のカレー味

          少し遠いが行けなくもない場所で、作家さんやライターさん、クリエイター活動をしている方々の集まりがあると知り、勇気を出して申し込んだ。 潮井エムコとして初めましての人前に出るのは、取材や文章の仕事関係以外で初めてである。エッセイという名のプライベートのストリップ活動をしている身としては、著者である私自身の解像度が上がることへの抵抗がある。しかしそんなしょうもない自意識よりも、同じような活動をしている人たちと交流してみたい気持ちが勝ったのだった。 子をオットに託し、数時間電車

          幻のカレー味

          お便所陰陽師

          妊娠中のことである。 いよいよ出産が間近に迫った12月末。妊娠も後期に突入し、赤ちゃんも私の体重も、成長のラストスパートだと言わんばかりにすくすく増加しているところだった。 1メートル近い腹囲と、妊娠前より14キロも増えた体重。ここまで急激な体の変化が起きると、今まで通りの生活とやらに支障が出るようになった。その最たるものがトイレである。 お腹の中のほとんどを赤ちゃんとそれに関わる臓器が占めているため、今までのびのびとしていた大腸やら何やらが、端へ端へと追いやられている。

          お便所陰陽師

          コメダで揉むな【中庭日誌】

          読み応えのあるエッセイにできるような出来事がなかなか起きないので、小粒な話を2〜3本まとめて更新しようという試みをはじめました。このスタイルが合えば続けていこうと思います。

          コメダで揉むな【中庭日誌】

          今だけ、の正体

          今だけ、の正体

          ベビーカーを押して見る世界

          ベビーカーを押して見る世界

          サーティワンを愛する者たち

          最寄の商業施設の中で買い物を済ませ、出口を目指していた私の足は、華やかなポップで彩られた店先でピタリと止まった。 バスキンロビンスこと、サーティワンアイスクリームの店舗はいつ見ても賑やかだ。ガラスケースの中には色とりどりのアイスクリームが並び、レジ上の液晶画面にはキャンペーン商品やおすすめのフレーバーが次々に映し出されている。サーティワンは来るだけでワクワクする、そんなアイスクリームショップである。 ただ今日私が店先で足を止めた理由はいつもとは違った。店の外から、サーティ

          サーティワンを愛する者たち

        記事

          お便所陰陽師

          妊娠中のことである。 いよいよ出産が間近に迫った12月末。妊娠も後期に突入し、赤ちゃんも私の体重も、成長のラストスパートだと言わんばかりにすくすく増加しているところだった。 1メートル近い腹囲と、妊娠前より14キロも増えた体重。ここまで急激な体の変化が起きると、今まで通りの生活とやらに支障が出るようになった。その最たるものがトイレである。 お腹の中のほとんどを赤ちゃんとそれに関わる臓器が占めているため、今までのびのびとしていた大腸やら何やらが、端へ端へと追いやられている。

          お便所陰陽師

          コメダで揉むな【中庭日誌】

          読み応えのあるエッセイにできるような出来事がなかなか起きないので、小粒な話を2〜3本まとめて更新しようという試みをはじめました。このスタイルが合えば続けていこうと思います。

          コメダで揉むな【中庭日誌】

          今だけ、の正体

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          ベビーカーを押して見る世界

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          サーティワンを愛する者たち

          最寄の商業施設の中で買い物を済ませ、出口を目指していた私の足は、華やかなポップで彩られた店先でピタリと止まった。 バスキンロビンスこと、サーティワンアイスクリームの店舗はいつ見ても賑やかだ。ガラスケースの中には色とりどりのアイスクリームが並び、レジ上の液晶画面にはキャンペーン商品やおすすめのフレーバーが次々に映し出されている。サーティワンは来るだけでワクワクする、そんなアイスクリームショップである。 ただ今日私が店先で足を止めた理由はいつもとは違った。店の外から、サーティ

          サーティワンを愛する者たち

          出産レポート⑥〜この世の極楽と退院編〜

          出産レポート⑥〜この世の極楽と退院編〜

          出産レポート⑤〜もげないで、乳首編〜

          ぷるん ぽよん たゆん おっぱいを連想させる擬音を列挙してみたが、今の私の胸はいずれにも当てはまらない。2日ぶりに見た私の胸は「尾田栄一郎が心を込めて描きました」と言わんばかりに膨れ、重力すらをも無視し、パンッパンに張っていた。恐る恐る手を伸ばすも、人の体の一部とは思えない強度に指先が弾き返される。自分の体なのに、その質感はまるでフィギュアやプラモデルのようだ。

          出産レポート⑤〜もげないで、乳首編〜

          出産レポート④〜脅威の回復編〜

          ぶよぶよに腫れた瞼の重みで目が塞がり、気絶するように眠りにつくも、尻の穴に違和感を覚えて目が覚める。尻の穴を内側からいたずらにくすぐるそれは、間違いなく屁の赤ちゃんの胎動であった。 このチャンスを逃してなるものかと全神経を尻と腹部に集中させ、フーッと痛みを逃しながらいきむ。比ではないことは承知の上だが、『経膣分娩ってこんな感じなのかも』と思いながら何度目かいきんだ末に、赤ちゃんは「ピッ!」とかわいらしい産声をあげた。 やった、これでようやく普通の飯にありつける。先ほどの死闘

          出産レポート④〜脅威の回復編〜

          出産レポート③〜悶絶の初(ファースト)お便所編〜

          見慣れない天井が、満身創痍の私を見下ろしている。 浮腫んだ顔はバターを塗りたくったかのように皮脂でテカテカで、アンパンマンさながらのどでかいハイライトが、両頬と鼻の先で光っている。浮腫んでいるのに何故かげっそりとして見えるのは、目の下にこびりついたクマのせいだろうか。ちらりと目に入った鏡に映る自分の姿は想像以上にひどい有様で、ここが個室であることが私に残された僅かな女心を守ってくれている。

          出産レポート③〜悶絶の初(ファースト)お便所編〜

          出産レポート②〜地獄の麻酔切れ編〜

          出産レポート②〜地獄の麻酔切れ編〜

          出産レポート①〜予想外の帝王切開編〜

          不謹慎と言われても仕方ないかもしれない。 腹と股の毛を剃られたり点滴に繋がれたりと、帝王切開での出産に向けて準備を進められる中、私は密かに興奮していた。 これが出産直前という境遇に迸ったアドレナリンの効果なのだろうか。もうすぐ待望の我が子に会える喜びと、意識があるまま体を切り開かれるとという未知の体験に対しての興味が、私の中の恐怖心を打ち負かしていた。30年に渡る人生のほとんどを、孫悟空顔負けの『オラわくわくすっぞ!』マインドで駆け抜けてきた私である。今回の帝王切開での出

          出産レポート①〜予想外の帝王切開編〜

          取り急ぎ【中庭日誌】

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