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短大生の私マガジン

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短大生だった時の思い出を書いています
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恋は馬 VS 鹿の大乱闘スマッシュブラザーズ

恋は馬 VS 鹿の大乱闘スマッシュブラザーズ

私はすぐに人のことを好きになる。

大層な尻軽女と思われるかもしれないが、私にとって大抵の人がほんのり好意的に映る。自分という人間があんぽんちんすぎるせいで、私より優れている人へ向ける尊敬が好意になってしまうのだ。これは最大級のLikeであり、LOVEではないのだが、若い頃の私はすぐにそれを混同してしまうどうしようもない女だった。恥ずかしすぎてエッセイを書いてる最中に心の中のにしおかすみこが「この

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巫女のバイトをした話

巫女のバイトをした話

小さな頃から、かわいい制服を着て働く事が私の夢の一つだった。
泥まみれのツナギに身を包み、土をこねくり回している間に花の女子高生時代を終えてしまったものだから、アルバイト自体にも人一倍強い憧れを抱いていた。

高校卒業後の私は近所のスーパーの中の小さなパン屋でバイトを始めた。あれだけ期待していた制服はというと、ジャムおじさんよりはギリまし程度の別に可愛くもなんともないありふれたコック服だったので、

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あの時「うっせぇわ」と言えたなら

あの時「うっせぇわ」と言えたなら

私は短大生の時、家の近くのスーパーの中にあるパン屋でバイトを始めた。
18歳にして人生初の社会人体験である。

私の仕事は主にパンの陳列・レジ打ち・袋詰めの3つで、基本はレジに居て暇な時は売り場に出てパンが取りやすいように綺麗に並べたりするのだ。

長きに渡りアンパンマンを視聴し続けた身としてパン屋で働くことができるのは夢のようだった。人生初バイトだった事もあり、私は「この店のバタコの座は私がいた

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短大生の私がユニクロから現実を教えてもらった話

短大生の私がユニクロから現実を教えてもらった話

突然だが私は足が短い。

「もしかして私って足が短いのでは?」
と嫌な気がし始めたのは中学生になってからだ。
当時流行っていたブーツカットのジーンズを買いにユニクロに行った際、丈のお直しをお願いしたらストレートジーンズになって返って来た。
魅力的だったブーツカットの部分は全て切り取られ、ギャルの履く短パンが作れるくらいの、デカく悲しいハギレとなってポケットに詰め込まれていた。
それ以降私の疑惑は次

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わたしはゴリラ

わたしはゴリラ

高校で美術を3年間学び、大好きだったものづくり以上に人を喜ばせる事を好きだと感じた私は幼児教育の道を志した。

高校ではちゃらんぽらんだった私も、人の命を預かる責任ある仕事を志した以上短大の授業は真剣に臨もうと決めていた。短大のシステムは高校とあまり変わらず、振り分けられたクラスで2年間同じクラスメイトと勉学を共にする事となった。
そこで私はまたしても感性に優れたパワフルなクラスメイトたちに出会う

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あたくしの愛しい人

あたくしの愛しい人

私の通っていた大学はその昔、近所でお墨付きのお嬢様学校だった。平民の私が通えている事からお察しの通りだが、現在では普通の大学である。しかしそこに勤める先生は圧倒的にお嬢様育ちのそれはそれは上品な方が多かった。

その中でも私が特に大好きだった人が文学の教授、タドコロ先生だ。上品という言葉がそのまま人間になったような人で、会話では美しい日本語を巧みに操り、所作の一つひとつも実にエレガント。そしてたと

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