🗝📌大熊猫📚📝

水をかけるとパンダになりお湯をかけると人間に戻ります。

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記事一覧

詰将棋について

僕は将棋を趣味としている。主にネット将棋を楽しんでいる。 将棋の上達には詰将棋を解くことだと言われるが個人的には詰将棋は得意じゃないしあまり好きでもない。 詰将…

『日本改造計画』の時代

小沢一郎の著書に『日本改造計画』といいベストセラーがある。自民党時代に若くして幹事長となり将来の総理候補と目されていた頃、財務省の香川俊介氏を中心として産官学の…

世界は「ある」のか「なる」なのか?

BingのAIに「世界は「ある」のか「なる」なのか?」と聞いてみた。 答えはこれだった。 "「ある」か「なる」かは哲学的な問いですね。このテーマについては、多くの哲学者…

トマス・ハーディの独特のカタルシス

新潮文庫からトマス・ハーディの『呪われた腕』という短編集が出ている。これが独特のカタルシスを与えてくれるのだ。 トマス・ハーディの作品はほぼすべてバッドエンドで…

安倍晋三はもういないじゃない

衆議院議員3補選は立憲民主党が全勝した。奇をてらった人は落ち、地道に支持を獲得した人が当選した。 岸田さんは早期解散総選挙はできないし次の総裁選挙で自民党の選挙…

魂を救う文学

僕は大学受験に失敗して浪人生活を送っていた経験がある。将来どうなるかという不安と孤独感で大変辛い時期だった。 そんなとき救ってくれたのがドストエフスキーの『カラ…

衆議院の解散権が首相の最高権力である

日本の首相には衆議院の解散権がある。これが首相の権力の最大の源泉である。先進国でも議会の解散権を持っている国は実はそれほど多くない。 日本の首相はとても強い権力…

リムランド理論と囲碁のアナロジー

地政学において「リムランド理論」というものがあることを知った。マッキンダーのランドパワー論でユーラシア大陸のど真ん中をハートランドと呼び、そこを支配するものが外…

日本漫画における「ばあさんヒロイン」について

日本の漫画には「ばあさんヒロイン」というキャラクター造詣がある。『ハンターハンター』のビスケ、『NARUTO』の綱手、最近ではフリーレンがそうである。 なぜ日本の漫画…

アメリカ経済、幸運が大切

ニューヨークタイムズのクルーグマンのコラムでアメリカはゴルディロックスに入ったと主張している。 アメリカ経済がインフレに陥ったときに、サマーズは相当な高失業率を…

批評、随筆、エッセイの愉しさ

批評家・哲学者のスーザン・ソンダクの『反解釈』という短い批評文の集成を読んでいるのだがこれが面白い。 批評というのは文学から写真から映画まで幅広いのだが、随筆と…

ヘタウマの芸術論

芸術とはアリストテレスの美とは何かという議論中以来、自然を模倣することだった。いかに自然を模倣して絵を描くかなどがその典型だ。 しかし、モネもゴッホも自然をその…

綿矢りさ『蹴りたい背中』は私小説なのか?

綿矢りさの『蹴りたい背中』を読んだ。みずみずしい女子高生の青春を描いたものだ。これは等身大の自分でなければ描けない小説だ。 日本には太宰治以来私小説というジャン…

芥川賞受賞作と文学の新機軸

最近芥川賞受賞作を次々と読んでいる。短編が多く手軽に読める点が大きい。 純文学の新人登竜門として出版会上げての一大イベントであるが、当然のことだが話題の割には面…

新書ファン

新書という出版形態がある。ある専門分野の入門書という意味合いのものから、それ自体が研究書としての色彩が強いものもある。 新書は専門家が書いている。安価で手に入り…

西村賢太と私小説と純文学

西村賢太の小説を読んだ。紛れもなく純文学である。 純文学とはSF小説やミステリー小説とは明らかに違う。読んだ人が作品の中に自分自身を投影し、心に何かの引っ掛かりを…

詰将棋について

詰将棋について

僕は将棋を趣味としている。主にネット将棋を楽しんでいる。

将棋の上達には詰将棋を解くことだと言われるが個人的には詰将棋は得意じゃないしあまり好きでもない。

詰将棋が強いけど本将棋は強くないという人もいる。詰将棋は詰むことがわかっていて、かつ持ち駒を余りなくすべて使って連続王手をするという条件付きの読みの訓練だからだ。本将棋では詰むか詰まないかわからない状態で、しかも即詰みよりも必至をかけたほう

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『日本改造計画』の時代

『日本改造計画』の時代

小沢一郎の著書に『日本改造計画』といいベストセラーがある。自民党時代に若くして幹事長となり将来の総理候補と目されていた頃、財務省の香川俊介氏を中心として産官学のプロジェクト形式で取りまとめた日本の大戦略である。

このプロジェクトにも関わった北岡伸一氏が中央公論2023年4〜5月号で当時の話を回顧している。

小沢一郎氏はこの本に書いてある通りには政策を進めなかったので多くの人に失望を買ったが、『

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世界は「ある」のか「なる」なのか?

世界は「ある」のか「なる」なのか?

BingのAIに「世界は「ある」のか「なる」なのか?」と聞いてみた。

答えはこれだった。

"「ある」か「なる」かは哲学的な問いですね。このテーマについては、多くの哲学者や思想家がさまざまな立場を取って議論してきました。私はAIであり、主観的な意見を持たないため、この問いに対する正解はありません。"

なんか拍子抜けした。

トマス・ハーディの独特のカタルシス

トマス・ハーディの独特のカタルシス

新潮文庫からトマス・ハーディの『呪われた腕』という短編集が出ている。これが独特のカタルシスを与えてくれるのだ。

トマス・ハーディの作品はほぼすべてバッドエンドで終わる。救いが全くないのだ。

自分はとてもアンハッピーな人間だと思っているのだが、作り話でも他人のバッドエンド話を読むとそれが相対化されるのかもしれない。

他人の不幸は蜜の味なのである。

安倍晋三はもういないじゃない

安倍晋三はもういないじゃない

衆議院議員3補選は立憲民主党が全勝した。奇をてらった人は落ち、地道に支持を獲得した人が当選した。

岸田さんは早期解散総選挙はできないし次の総裁選挙で自民党の選挙の顔が変わって衆議院の任期満了での総選挙突入を予想している。

自民党の党勢が落ちていることで日銀は自民党の顔色を伺って政策を取る動きが弱まるだろう。植田総裁が強調する「基調的物価上昇率」が教条的に権威を振るうだろう。

ネットミームとな

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魂を救う文学

魂を救う文学

僕は大学受験に失敗して浪人生活を送っていた経験がある。将来どうなるかという不安と孤独感で大変辛い時期だった。

そんなとき救ってくれたのがドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』だった。

別にカラマーゾフの兄弟が浪人生の孤独感を慰めるようなストーリーではない。何やら長広舌を繰り広げる個性の強いキャラクターたちが登場するだけの小説だ。小説のテーマについてもよく理解できたわけではなかった。

だけど

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衆議院の解散権が首相の最高権力である

衆議院の解散権が首相の最高権力である

日本の首相には衆議院の解散権がある。これが首相の権力の最大の源泉である。先進国でも議会の解散権を持っている国は実はそれほど多くない。

日本の首相はとても強い権力を持っていると言っても言い過ぎではない。

岸田首相は解散という伝家の宝刀を抜かない。今解散すると選挙で大負けして政権交代の恐れすらある。

このまま衆議院は解散せずに任期が来るのではないか?

リムランド理論と囲碁のアナロジー

リムランド理論と囲碁のアナロジー

地政学において「リムランド理論」というものがあることを知った。マッキンダーのランドパワー論でユーラシア大陸のど真ん中をハートランドと呼び、そこを支配するものが外部へ侵攻し世界を制するというものに対して、スパイクマンという人が実際にはユーラシア大陸の三日月状の地域が焦点となって世界を制するという理論を提唱した。

これは囲碁のアナロジーからすると正しい。ユーラシア大陸を囲碁盤だとするとリムランド理論

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日本漫画における「ばあさんヒロイン」について

日本漫画における「ばあさんヒロイン」について

日本の漫画には「ばあさんヒロイン」というキャラクター造詣がある。『ハンターハンター』のビスケ、『NARUTO』の綱手、最近ではフリーレンがそうである。

なぜ日本の漫画にはこのキャラクター造詣があるのか?

男性漫画家の女性に対する驚きがあるのではないか?

女性は化粧でびっくりするくらい化ける。超美人と思ったところがすっぴんを見て、今まで見てきたものとのギャップに驚愕する体験を持っているのではな

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アメリカ経済、幸運が大切

アメリカ経済、幸運が大切

ニューヨークタイムズのクルーグマンのコラムでアメリカはゴルディロックスに入ったと主張している。

アメリカ経済がインフレに陥ったときに、サマーズは相当な高失業率を覚悟しないとインフレは止まらないと言っていた。ところが、実際はFRBが金利を引き上げ続けたにもかかわらず、失業率は低いままでインフレを抑えることに成功した。

その要因ははっきりしない。クルーグマンが言うには幸運だったと言うのだ。良いこと

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批評、随筆、エッセイの愉しさ

批評、随筆、エッセイの愉しさ

批評家・哲学者のスーザン・ソンダクの『反解釈』という短い批評文の集成を読んでいるのだがこれが面白い。

批評というのは文学から写真から映画まで幅広いのだが、随筆とはまた一味違った愉しみがある。随筆やエッセイは著者の実体験を切り取って論じられる。一方、批評の方は小説なり映画なり具体的な批評物があり、その対象物を実際に読んでみたり観てみたりして愉しむことができるのだ。

批評が上手い人は随筆やエッセイ

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ヘタウマの芸術論

ヘタウマの芸術論

芸術とはアリストテレスの美とは何かという議論中以来、自然を模倣することだった。いかに自然を模倣して絵を描くかなどがその典型だ。

しかし、モネもゴッホも自然をそのまま写実的に描いていない。ピカソなんて荒唐無稽だ。

しかし彼らの絵は美しいとされている。

その主張点は何か?

ズバリ「ヘタウマ」である。自然の模様でなくともなにかが引っかかる。何かその対象物の本質を描き出しているのが肝要だ。

思え

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綿矢りさ『蹴りたい背中』は私小説なのか?

綿矢りさ『蹴りたい背中』は私小説なのか?

綿矢りさの『蹴りたい背中』を読んだ。みずみずしい女子高生の青春を描いたものだ。これは等身大の自分でなければ描けない小説だ。

日本には太宰治以来私小説というジャンルがある。実体験をそのまま描いたようなスタイルだ。

綿矢りさの『蹴りたい背中』は私小説の範疇に入るのだろうか?

芥川賞受賞作と文学の新機軸

芥川賞受賞作と文学の新機軸

最近芥川賞受賞作を次々と読んでいる。短編が多く手軽に読める点が大きい。

純文学の新人登竜門として出版会上げての一大イベントであるが、当然のことだが話題の割には面白くない作品もある。

文学も哲学史の如く文学理論の積み上げと新規乗り越えみたいなものがあるのだが必ずしも新規で純文学の理論展開を変えるような作品ばかりではない。

最近読んだ中では西村賢太などは旧来の私小説の手法で書かれているが単純に面

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新書ファン

新書ファン

新書という出版形態がある。ある専門分野の入門書という意味合いのものから、それ自体が研究書としての色彩が強いものもある。

新書は専門家が書いている。安価で手に入りやすいという側面もある。

新書は各レーベルから毎月数冊新刊が出る。すべてを読んでみたい誘惑にかられるが到底追いつけない。

今月も新刊の新書を楽しく物色している。中公新書が多いのだが。

西村賢太と私小説と純文学

西村賢太と私小説と純文学

西村賢太の小説を読んだ。紛れもなく純文学である。

純文学とはSF小説やミステリー小説とは明らかに違う。読んだ人が作品の中に自分自身を投影し、心に何かの引っ掛かりを残すものである。

西村賢太作品は私小説である。私小説は日本で独自に進化したものと言われているが、文学として普遍的なものを持っているのではないかと思った。

西村賢太の小説に新しい文学テクニックはない。むしろベタに素人っぽく書いている。

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