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富裕層向けの沖縄観光コンテンツを開発する〜弊社のコンサル事例〜 (後編)
『前編』では、富裕層の属性やタイプ、価値観や消費傾向、彼等に向けた観光コンテンツを考えるポイントを見てきました。この『後編』ではそうしたポイントを踏まえて、今回サービスインした『ESPACIO Ⅰ(エスパシオ ワン)』のマーケティング分析やコンセプト、サービス企画の立案をどのように行なったかを述べていきます。
顧客分析 : 沖縄を訪れた富裕層旅行者のデータ
富裕層向けの沖縄観光コンテンツを開発する〜弊社のコンサル事例〜 (前編)
昨年から新規事業開発のコンサルティングをしていた『ESPACIO Ⅰ(エスパシオ ワン)』がサービスインしました。
沖縄県の宮古島を拠点に、イタリア Azimut社の80フィート(約24メートル)のラグジュアリーヨットを使った完全オーダーメイドの貸切クルージングサービスを、国内外の富裕層旅行客や、企業のレセプションやカンファレンスに提供します。サービスのコンセプトは「海上のスイートルーム」。事業
アフターコロナの沖縄観光業〜ワーケーションを活性化させる方法〜
新型コロナウィルスは、沖縄の観光業に大きな打撃を与えています。2020年の観光客数は、1,000万人を突破した前年から63%も減少しました。年が明けた1月の失業率は全国ワーストの3.6%で、昨年からの増加率は全国平均より1割ほど高くなっています。
Go to キャンペーンと共に、観光業復活の起爆剤として期待されているワーケーションですが、現時点で、その効果は限定的…と言うか、ほとんど効果を上げて
データで見る沖縄県のジェンダー問題 : 沖縄社会における女性の生きづらさを示す15のデータ
世界経済フォーラムが発表する男女格差を表すジェンダー・ギャップ指数において、日本が121位 / 153ヶ国中(2019年)であることは今や広く知られています。一般的にジェンダー・ギャップが起こる要因としては、①生物学的な違い、②宗教上の理由、③伝統的な社会構造や風習、④教育の欠如、などが挙げられますが、日本の場合は③や④に起因する思い込みや固定観念が大きな割合を占めています。
沖縄の公務員アンケ
データで見る沖縄県民の健康:精神疾患と幸福度
ここ最近、沖縄の教育や行政の現場での精神疾患による休職者増加の報道を立て続けに見ました。
いずれの記事も、コロナ禍との関係を示唆する内容になっています。全国のさまざまな地域で経験を経た後に、沖縄で経営コンサル屋を開業して数年になりますが、コロナ禍の以前から沖縄の精神疾患に因る休職者の数は他の地域と比べて多い感覚がありました。調べてみたところ、残念ながら、築山の感覚が当たっていることが分かりました
データで見る沖縄県民の生活: 稼いでも、 稼いでも、 ラクになれない沖縄
ご存知の通り、沖縄県は深刻な貧困県です。貧困率は34.8%で全国平均の約2倍、ワーキングプア率は25.9%で全国平均の約3倍、子供の貧困率は37.5%で全国平均の約3倍となっています(参照)。県が取り組むべき重点施策として「子どもの貧困対策」を挙げた沖縄県民は42.1%と最も多く、次点となった「基地問題」の26.2%を大きく引き離しています(参照)。
下図は、2007年から2019年の、勤労世帯
vo.4:滞在日数を伸ばす沖縄固有のコト消費
観光マーケティングとは『顧客の目線で自己認識とサービス価値を創造すること』というコト消費のマーケティングであり、モノ消費のそれとは考え方が根本的に異なります。
重要なのは、まずそのサービス価値を理解できる顧客を設定することであり、それは、当該国の社会背景や価値観を把握したり、観光客のデータ分析によって可能になることを書きました。
最後となる今回では、さらに具体的に外国人観光客の国別の特徴や旅行
vol.3:サービスの価値は顧客が決めるが、顧客は戦略が決める
観光マーケティングとは『顧客の目線で自己認識とサービス価値を創造すること』です。
前回は『顧客の目線で自己認識する』について、外国人観光客から見た沖縄の価値やポジショニング、それらを踏まえた上で、課題である消費額と滞在日数と旅行満足度を増やすためにコト消費(サービス)の価値創造が必要であることを書きました。
今回は『顧客の目線でサービス価値の創造をする』について、訪沖外国人観光客に起こっている
vol.2:外国人観光客から見た沖縄の価値
円安の鈍化と爆買いの一巡によってインバウンド需要がモノ消費からコト消費へと変化する中、沖縄の観光業が消耗戦から抜け出して観光収入を増やすためには、消費額の増加が不可欠であり、そのために観光マーケティングが必要なことは前回書いた通りです。
観光マーケティングとは『顧客の目線で自己認識とサービス価値を創造すること』です。
「沖縄には素晴らしい自然や文化がいっぱいあるからそれを打ちだそう…」というの
vol.1:自ら消耗戦やオーバーツーリズムを助長させるしくみ
近年、日本の観光地や旅行業界で『オーバーツーリズム』という言葉を見るようになりましたが、その多くは、まだ「混雑による観光地や住民への負担」程度の意味合いで使われている感があります。
しかし、これはまだ序の口で、この状況が続けば「観光客数だけが増えて観光収入が増えない状況」や「観光開発等による地代や物価の高騰、文化財・自然環境の破壊」といった深刻な問題に発展します。
つまり『オーバーツーリズム』
成果を出すマネジメント(上級編)vol.8:組織がまとまるから成果が出るのではなく、成果を出すことで組織がまとまる
さまざまな目的や価値観を持つ人が、自発的にやりがいを持って、モチベーション高く集中して仕事に取り組むには、一定の条件と段階が必要になります。
マネージャーがやるべき仕事の一つは、部下の個性や特徴を把握した上で、その条件と段階を用意し、それを阻害する要因を取り除いたり、煩雑な事柄から守ることです。そして、それによって生み出された小さな成果の積み重ねが部下のモチベーション向上と大きな成果につながります
成果を出すマネジメント(上級編)vol.7:マネジメント業は「部下を顧客としたサービス業」である
マネジメントに関するビジネス書やセミナーの類いでは、よくマネージャーの重要な仕事の一つとして「部下の長所を伸ばし、短所を改善する」と言われますが、人というはそんな簡単には変わりません。
無理に変えようとして時間やリソースを使ってしまい、成果を出すことの優先順位が下がってしまっては本末転倒です。
人には誰にでも個性や特徴があり、それがある場面や人から見ると長所とされ、別の場面や人から見ると短所とさ