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なぜ悲劇は繰り返されるのか?

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#価値観

なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第13章:社会が教えられること ①

今の社会において“ルール”という名の守らなくてはいけない決まり事がたくさんあり、そのルールが時に他責思考や責任転嫁など起きてはいけない方向に作用してしまうこともあり得るのだ。

 まず、幼少期におけるこれらの発生傾向を見てみたい。

 今は子供が生まれると1歳~2歳までは自分から人を責めることは皆無に等しい。

 しかし、3歳以降になると周囲の状況が理解出来るようになるだけではなく、自分で個別の価

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なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ⑦

私自身、小学生の頃から人間関係や上下関係に関してはかなり厳しい環境で育ったこともあり、外では厳格に守ったが、校内ではそういう事はあまりしなかった。

 その理由としていくつかあるが、第1に“上下関係を作っても大丈夫だと思える子がいなかった”ということだ。

 そもそも、小学校というのは6歳から12歳という幅広い年齢の子供たちが同じ校舎で学んでいること、縦割り班など集団で行動を共にすることが多いため

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なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ⑥

その背景にあるのが、“本人が生まれ育った環境”に加え“身近にある問題の深刻度”が挙げられる。

これらの共通項として“社会的に認められていない事を社会に認めさせるには他者に責任を転嫁し、そのネガティブなイメージを持って、自分たちの正当性を主張する”という自分たちの主張を通すために社会的他責思考を用いて、相手を攻撃し、自分の意見を押し通すためには手段を選ばないという見方が正しいと思う。

これは、こ

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なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ③-1

このように環境の変化が子供の心理を変えてしまうことや今まで経験したことがない事が起きることで子供によっては“○○さんなら反抗したり、言い負けたりしないな”という心理が芽生えることでいじめのきっかけに繋がっている場合もある。

 そして、現代においては子供たちの置かれている環境や交友関係などで将来の子供たちの価値観が決まってしまう事もある。

 特に、特定の事柄に対する価値観は幼少期から教えていかな

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なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ③

 その結果、先生はカリキュラムに基づいて授業を進めているだけなのだが、親御さんから見ると“先生が子供をいじめているのではないか?”という子供を守りたいという親心から感じた視点も十分に考えられる。

 今は多様性を重視しているため、どのような状況になっても本人を尊重する事が増えているが、人によっては“そういう人がいるから私たちのイメージが変わってしまう”や“あなたのせいでクラス成績のイメージが悪くな

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なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ②

 ではなぜ、このように社会的価値観が大きく変化し始めているのか?

 その理由として、第1に親世代(20代から40代前後)の受けてきた教育や親から子に教えられた教養に基づいて、自分の子供たちに教えている事が考えられる。

 例えば、“学校でいじめを受けたときには必ず先生に言うこと”や“嫌な事をされたときは嫌といいなさい”など自分がされている事に対して自分が嫌だと思ったときは迷わずに先生などに相談す

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第11章:他責習慣化が生む悲劇 ⑦

なぜ、人は自分で責任を負うのではなく、人に責任を押しつけるのだろうか?

 考えられる要因として第1に“連鎖的個別基準習得”が挙げられる。

 これは大人から子供が言葉や行動を教えてもらい、それを真似することで使えるようになるという“行動心理学”と同じ原理だが、違うのは親の価値観を最初に覚えることで知っていることと親以外の大人から新たに知る事がお互いに合わさって徐々に価値観を形成し、1つの答えを導

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第11章:他責習慣化が生む悲劇 ③

 なぜなら、以前にも書いたが、近年は文部科学省管轄外の教育における家庭教育観や通園している園の基本方針や目指す人物像、各園における園児指導の基本カリキュラムなど学習面における学習レベルの違いおよび多様化が顕著になり、自由教育が認められ始めている傾向がある。そのため、ある園ではアスリート養成を含めた運動に特化した教育、英語に特化した教育、協調性を育む教育など複数のカリキュラムを用意し、段階を踏んで指

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第9章:矛盾した価値観 ①

現在の日本における人材選択等の際に発言した人の価値観に違和感を覚えることがある。

 それは“私たちはこのメンバーでみなさんのお役に立てるよう活動していきます”や“私たちは能力の高い人を採用します”のように選ばれた人=自分たちの自信を持って選んだ人になっていることだ。

 もちろん、これらの人を自らの手で選んだことに対しては評価するべきだが、その先に目を向けてみるとかなり疑問に感じる部分も見えてく

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第8章:日本における力関係の在り方 ①

現在、日本に限らず社会の中における上下の力関係がその人の人生に大きく影響することがある。例えば、何かトラブルが起きたとしても立場の上の人たちの方が擁護されるケースが多い。そして、立場の弱い人に責任転嫁をするという社会構造が完成しつつあるように感じる。

 そして、日本だけだろうか?何か問題が起きたときに“自己責任”という免罪符を相手が突きつけて、自分たちに飛び火することを避けることや自分たちに損害

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第7章:日本における他責思考の実例 ②

 こういう小さな事であっても結婚出来ないということは個人の結婚意欲の喪失に繋がる可能性があるのだ。このような積み重ねが長年続いていることで結婚に対する価値観のズレが拡大し、そのズレが個人の結婚観を揺るがす事態に繋がっていくことで婚期の晩婚化や子供を作らない選択をする人の増加など将来的な懸念事項が増えていく可能性があるのだ。

 ただ、人によっては学生結婚を選ぶ人もいるため、そのような人たちに対する

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第6章:責任転嫁の弊害

 日本というのは立場が上になると上になるだけ責任を取りたがらない。そして、どんどん下の立場の人間がそういう人の責任を転嫁していく事になるのだ。

 そのため、その責任を負わされた下の人たちは我慢することが習慣化され、“自分が我慢するとこの人は救われる”という我慢の美学がここに定着をする。

 これは一般社会でも同じ事が言えるし、学校などでも言える。

例えば、学校なら子供たちが悪いことをしたときに

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第5章:いじめ問題が未来を変える ③

次に“いじめの解決法のマンネリ化”だ。

 現在も以前と変わらず、いじめが起きた時点で大人たちが加害者側に「○○くんもしくは○○ちゃんをいじめたの?」と事情聴取をしていることがあるようだ。そして、大人としては早く解決したいと思ってやっていることなのだろうが、私はこれらの行動や行為が子供たちの我慢を助長しているのではないかと感じている。

 私も幼少期からずっといじめを受けてきた経験があり、いじめが

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第3章:精神発達上の指導強化の必要性 ③

 そして、現在も色濃く残るのがルッキズム(容姿蔑視)の問題だろう。特に小学生になると個人差が顕著になり、身体の成長が早い子と遅い子に分かれていく。そして、精神発達も早熟型と晩熟型に分かれるなど個人差が現れてくるため、これまで以上に個人のケアが重要になってくる。

 私はこの年齢からきちんと“あなたはあなたしかいないのだから自信を持って歩みを進めて欲しい”という声をかけられる環境の整備が必要になるだ

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