なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第3章:精神発達上の指導強化の必要性 ③
そして、現在も色濃く残るのがルッキズム(容姿蔑視)の問題だろう。特に小学生になると個人差が顕著になり、身体の成長が早い子と遅い子に分かれていく。そして、精神発達も早熟型と晩熟型に分かれるなど個人差が現れてくるため、これまで以上に個人のケアが重要になってくる。
私はこの年齢からきちんと“あなたはあなたしかいないのだから自信を持って歩みを進めて欲しい”という声をかけられる環境の整備が必要になるだけでなく、“自分と同じ人は1人も居ない”という相互尊重の大切さを教える必要があるだろう。
これは私が実際に経験したことだが、自分が小学生の時、身長が学年を重ねる毎に伸びていった。しかし、当時は小学生の段階で160センチを越えている人は少なく、自分の学年には数人しかいなかった記憶がある。
しかし、身長が大きいと言うだけで差別やいじめを受けていた子がいた。その子は自分と並んでも約20センチは違っていたが、性格は優しく、誰からも愛される子だった。しかし、ただ“背が高い”というだけでいじめを受けていたため、当時から違和感を覚えていた。
現在は小学生でも体格差が顕著になっているケースが多いうえに第二次性徴が始まる年齢も低年齢化しており、これらのリテラシー教育の適性時期を判断する事が難しい状態になっている。
これもまた社会的不安要素だと思っていて、よくあるケースとして“背が高い・低い”など容姿でマウントを取ろうとする子や“痩せている・太っている”といった体型など個人のパーツでマウントを取ろうとする子、着ている服でマウントを取ろうとする子など他者比較との因果関係が強い心理行動が増えている背景にやっている側は優越感を、やられている側は劣等感をそれぞれ植え付けられる形になっているのは言うまでもない。そして、そういう比較をするのも自分が劣等感を感じないように自己防衛をしている事が考えられるのだ。
特に身体の変化が大きくなる時期(平均的に小学3年生から中学3年生)では自分を友人や同級生などの他者に目が向きやすくなり、親に対して「なんで○○君より身長が低いの?お母さん(お父さん)に似たからこうなった!」という八つ当たりのような言動が増えることがある。これは、一概には言えないが、身長というのは胎児の段階における遺伝子分裂の過程からホルモン量が変化するため、身長を高くするためにはある程度の成長ホルモンが体内に蓄積されている必要があり、両親の身長が高いと背が高い子供が生まれやすく、両親いずれかが背が高いと遺伝子情報のホルモンバランスで身長が高くなるか、低くなるかが決まってくることになる。
ただ、両親の身長が高くても背が高くならないケースや男女ホルモン異常や成長ホルモンの分泌障害などが起きてしまうと身長はきちんと伸びていかない。
そのため、「○○君のお父さんは背が高くていいよな!」や「○○ちゃんのお母さんは背が高くてモデルさんみたいだね」といった両親比較から始まり、○○君よりも○○君は背が低いね」といった直接的な他者比較に繋がっていく事になるのだ。
現在、小説とコラムを書いています。 コラムに関してもこれから完成している物を順次公開していく予定です。 自分の夢はこれまで書いてきた小説を実写化することです。まだまだ未熟ですが、頑張って書いていきますので、応援よろしくお願いいたします。