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OMOI-KOMI 我流の作法 -読書の覚え-

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私の読書の覚えとして、読後感や引用を書き留めたものです。
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#読書感想文

聴きポジのススメ 会話のプロが教える聴く技術 (堀井 美香)

聴きポジのススメ 会話のプロが教える聴く技術 (堀井 美香)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 著者の堀井美香さんは、2022年4月にTBSを退社しフリーとして新たな道を歩み始めた元TBSアナウンサーです。

 堀井さんの著作は、ちょっと前に「一旦、退社。~50歳からの独立日記」というエッセイ集を読んでいます。とても読み心地のいい内容でした。
 今度は、前著とはかなりテイストが変わった “HowToもの” ですね。

 「アナウンス

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スローなブギにしてくれ (片岡 義男)

スローなブギにしてくれ (片岡 義男)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 ちょっと前に片岡義男さんの最近の書き下ろしエッセイ集「僕は珈琲」を読んだのですが、その独特の感性が気になって、彼の往年の代表作を読んでみようと思い立ちました。

 1975年に雑誌「野生時代」で発表されたとのことなので、もう50年ほど前の作品です。

 本書は、表題作「スローなブギにしてくれ」をはじめとして「モンスター・ライド」「ハートブ

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我が身を守る法律知識 (瀬木 比呂志)

我が身を守る法律知識 (瀬木 比呂志)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。

 私自身、大学は “法学部”出身 ではありますが、民法も総則と物権法ぐらいしか履修していませんし訴訟法系はノータッチ、社会人になってからも「法務」を専門的に所掌したことはありません。さらには、いわゆる “生活の中の法律” という切り口でいえば、その実務的な法的知識は全くの素人レ

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ヤラセと情熱 水曜スペシャル『川口浩探検隊』の真実 (プチ鹿島)

ヤラセと情熱 水曜スペシャル『川口浩探検隊』の真実 (プチ鹿島)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 以前聴いていた「未来授業」というpodcast番組に著者のプチ鹿島さんがゲスト出演していて紹介していた著作です。

 1970年代後半から1980年代にかけて登場した “娯楽としてのテレビ番組” は、昨今のバラエティとは全く別物で異様に高揚したエネルギーに包まれていました。
 本書は、そのころの「エンターテインメント番組の制作現場」を当時

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バカと無知 (橘 玲)

バカと無知 (橘 玲)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 以前聴いていたTokyo FMのpodcastの番組「未来授業」で橘玲さんが講師として出演したとき紹介していた著作ですが、その内容が面白そうだったので読んでみたものです。

 かなり評判になっている本なので図書館での貸出の待ち行列が長く、手にするまでにかなりの時間がかかってしまいました。

 刺激的なタイトルですが、内容も橘さんの主張がス

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戦争の地政学 (篠田 英朗)

戦争の地政学 (篠田 英朗)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。

 このところ “地政学” という言葉をよく目にします。今日の世界情勢を理解するに必須の視点を提示しているようですが、私は全く勉強したことがありません。
 ということで、手近な本書を手に取ってみました。

 私のような初学者にとって、初めの一歩としては馴染みやすい構成ですね。さっ

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ぜんぶ、すてれば (中野 善壽)

ぜんぶ、すてれば (中野 善壽)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 会社の友人がSNSで紹介していた本です。刺激的なタイトルなので、大いに気になりました。

 著者の中野善壽さんは、日本や台湾の企業にて要職を勤めた後、2011年からは寺田倉庫の代表取締役社長兼CEOとして幅広い分野で活躍された方です。

 本書では、その中野さんのユニーク?な思考が気さくな語り口で開陳されています。
 なかなかマネできるも

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任務 - 松本清張未刊行短篇集 (松本 清張)

任務 - 松本清張未刊行短篇集 (松本 清張)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。

 松本清張さんは私の好きな作家のひとりですが、本書は、松本さんの没後三十年記念企画の1冊で、いままで未収録だった短編から10篇を選んで書籍化したものとのことです。

 小説なので、ネタバレになるような引用は控えますが、松本清張さんと言えば「点と線」「ゼロの焦点」等に代表される

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一旦、退社。~50歳からの独立日記 (堀井 美香)

一旦、退社。~50歳からの独立日記 (堀井 美香)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。

 著者の堀井美香さんは、元TBSアナウンサー。2022年4月、50歳でTBSを退社しフリーとして歩を進めました。

 本書は、その節目を迎えてのさまざまな想いを綴った堀井さんのエッセイ集です。
 期待どおり私の興味を惹いたところは数多くありましたが、その中から特に印象に残った部

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からだの錯覚 脳と感覚が作り出す不思議な世界 (小鷹 研理)

からだの錯覚 脳と感覚が作り出す不思議な世界 (小鷹 研理)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。
 「ブルーバックス」は時折手を伸ばしたくなりますね。

 今回は「認知科学」関係の著作ですが、“錯覚” をテーマにした解説本ということで興味を持ちました。
 もちろん、私はこういった分野は全くのど素人なので、本書に書かれていることは、初めて知ることばかりでした。

 それらの中か

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高千穂伝説殺人事件 (内田 康夫)

高千穂伝説殺人事件 (内田 康夫)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 かなり以前に読んだ内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。

 ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら “浅見光彦シリーズ” の制覇 にトライしてみようと思い始ました。

 この作品

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誰だって芸術家 (岡本 太郎)

誰だって芸術家 (岡本 太郎)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。

 岡本太郎さんの著作は、かなり以前に「自分の中に毒を持て」を読んだことがありますが、こちらも予想どおり強烈なインパクトのある内容でした。

 本書は、岡本さんが “芸術” をテーマに新聞や雑誌等様々な媒体で語った原稿を再録したものとのこと。半世紀前のメッセージですが、私の興味を

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生きる意味 (姜 尚中)

生きる意味 (姜 尚中)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。

 ご存じのとおり姜尚中さんは政治学者ですが、エッセイの達人でもあります。

 本書はコロナ禍が収まりきらない今日、心の安寧に誘うエッセイを採録したものです。姜さんの穏やかな言葉の中から、私の心に響いたくだりを覚えとしてひとつ書き留めておきます。

 姜さんと中村哲さんとの関わり

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廃墟に乞う (佐々木 譲)

廃墟に乞う (佐々木 譲)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” に偏っているので、ちょっと息抜きとして、今まであまり読んだことのない作家の方々の作品にトライしてみようと思っています。

 手始めに、これまた今まで意識的に避けていた「有名な文学賞」を受賞した作品からあたろうと考えて本作品を選んで

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