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お金について考える その12 仮想通貨(デジタル通貨 暗号資産) 当たり前過ぎて意識しなくなっていること

統一通貨=平和の固定化


経緯
 その1では、父が持って帰ってきた造幣局が作った貨幣の歴史に関する本がキッカケで、変動相場制、ニクソン・ショック(ドル・ショック)などをリアルタイムで経験しつつup to為替相場まで、これらの激しい変化も全てお金が仮想化されているからしなやかに吸収できているんだなぁと理解。そんな知識整理が人生の早い段階で整い始めたという経緯で、お金について考える時には仮想化ということを何時も意識する様になっているというお話でした。

 その2は、経済という切り口でのお金への理解。仮想化されたお金というパラメータが日常生活から世界経済まで等しく機能しているという理解のお話でした。

 そもそも経済とは市場が生産活動を調整するシステムこことで、古典ギリシア語の οικονομία(家政術)に由来するので日常生活からというのは当たり前過ぎなのですが、それこそ意識しなくなっていることでした。 

 その3は、お金について考え抜いたから基幹産業での人生を選び、その考え抜いた結果を確実に実践できたサラリーマン人生だったというお話でした。

 その4は、国という概念や民族という概念が厄介で、自国通貨も国という概念から出てきていて、国内的には各人の能力に応じて納税という形で社会貢献に使われることが最大の機能の1つだと理解して居るというお話でした。

 その5は、物理屋的な視点では、
お金について考える=為替について考える
ということというお話でした。

 その6は、物理屋からは、お金について考えと、世界経済が投機に委ねられているのは大きな課題だと見えているというお話でした。

 その7は、お金から平和へというEUの挑戦のお話でした。
本邦でも徳川家康が貨幣制度を統一し天下統一を固定化しました。統一通貨ユーロ導入も、経済を切り口に国というややこしい戦争の種をEUとなることで少しずつ潰すことに成功している人類にとってある意味でお手本かと。

 その8は、その7の裏側としてのユーロの課題のお話。経済的(お金)に弱かったギリシャ等の南欧諸国への配慮の必要性が顕在化。日本の北海道や沖縄の問題と同じで、今はより強い統合による政策の仕組み作りに苦しんでいるもののこのまま統合が深化すれば何れ解消するというレベル。なので今後に期待というお話でした。

 その9は、連邦たる米国のケースでも一旦統一通貨を作るも内戦たる南北戦争であるがそれが崩れ、結局北軍の通貨に収斂して統一通貨として今に至るという経緯が有り、EUの挑戦同様にお金の役割を深く考えさせられる歴史が見て取れるというお話でした。

 その10は、中国も実は超多民族国家でそもそも国としての統一すら不安定な状況だけど耐えているというお話でした。
 知日である習近平さんが、高度な舵取りをして国際的に認められる大国として何とか御すことができていて、勿論統一通貨も死守して平和の固定化を何とか進めている状況。
 ということで本邦、EU、米国、中国に見る統一通貨が平和の固定化の一助となるという類似性の俯瞰が完了しました。

 その11は、上述の網羅的な理解を基に至近のロシアのウクライナ侵攻を考察。ロシアは単一国家としてルーブル通貨圏の維持·拡大することで、旧ソビエト連邦地域の金融・財政政策の一元的管理を狙っていると考えられるというお話でした。そこにはロシアなりの

統一通貨=平和の固定化

が有り、やはりその切り口でお金を考えるというのは有効だということが分かりました。

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 今回は、いよいよ仮想通貨の考察です。

 仮想という言葉に拘るのはそもそもその1、2で取り上げた様にお金の本質が仮想化の概念だと思っているからです。

 最近、貨幣の起源は「記帳」だったとする説が注目されているそうです。2013年に英国で出版された英経済学者フェリックス・マーティンの著書「21世紀の貨幣論」で以下の様な例が紹介されています。

 ミクロネシア・ヤップ島で見つかった石のお金「フェイ」。直径が最大で4メートル弱の世界最大のお金で、運べないため取引は記録(ソフトウェア)され、その内容がフェイ(ハードウェア)の所有権(仮想化)の根拠になった。こうした仕組みが発展し、現在の貨幣制度につながったそうです。

 これは正に今を先取りするような仮想的運用だと思っています。その延長線上に整合性を保って現在の仮想通貨を置いて考察を深めたいのです。

 所謂仮想通貨という呼称が使われ初めていた…もう20年位前の黎明期にそのセキュリティの担保という側面からビジネスとして深く携わった経験が有ります。その”仮想“の意味する所を深く考える機会も有りました。 

 理想的なハードウェアのトラストアンカー、まぁ信頼性の起点となるような最もセキュリティが担保された物(TPM、 Trusted Platform Module)を全ての端末に普及させてシンプルに最高のセキュリティを実現することを目指して居ました。これが有れば仮想通貨も安全に運用できるソリューションです。

https://trustedcomputinggroup.org/wp-content/uploads/20220708_TCG-WS_GP_Fin_Last_Web.pdf

 セキュリティの担保はITの礎なので、TCGという標準化団体に理事を出し、その拠点がある米国、ワシントンに体制を作ってまでして普及活動をしていました。

 そのセキュリティソリューションの普及も当時からは考えられないレベルで進捗しました。自動運転等の普及でセキュリティへの理解が深まったことも有り、情報端末を超えて自動車等にまで採用される様になって来ました。

 そんな経緯からか仮想通貨という概念がしっくり来るのですが、今はデジタル通貨、本邦でも法整備が進み暗号資産に統一されて居るようです。

 因みに当時の仲間の1人は、セキュリティ基盤のキラーアプリケーションであった仮想通貨の将来性を見抜き、本邦でその普及に携わっています。

 デジタルマネーは、仮想通貨黎明期の多数の参加書の各々の思惑に翻弄されながら紆余曲折しつつ現在が有ると私には見えています。
 デジタル通貨そのものについては多数の解説が有りますのでそちらに譲りますが、

私がインサイダーとして関わった所だけ可能な範囲で記すと…

 少なくともその黎明期には基本の貨幣制度の枠組みを超えることで、

国という概念から解き放たれた世界共通の通貨として発展させて、古典的な法定通貨を超越した存在として普及することで、世界平和を目指す

という考え方が強く有りました。これは私にとっては感動的ですら有りました。
 勿論野心的な思惑も赤ら様でしたが(笑)…。ですから既存の金融システムの枠組みの中できっちりビジネスができていたIT会社とそのお客様達は結構懐疑的でした。一言で言えば彼ら流の分かり易い隠語で表現すると(笑)…

怪しい

 でも優秀な方々ばかりでしたから良く勉強はされていてどう転んでも良いように知財戦略含めて準備は当然されて居ました。
 これは、インターネットの黎明期に酷似していて、ある意味で利用者の顔が見えるプライベートネットワークから始まり1980年代初め、私の丁度大学生時代かぁ、インターネットという概念が整理され、その後劇的な進化を遂げる時に、

国という枠組みを超越した情報流通で人類の民度を一気に底上げする

という崇高な考え方をする方々がいらっしゃいました。大いに賛同して、半導体、IT、セキュリティというキーワードに沿ってその後の人生をそれに掛けました。
  
 はっきり言って想像を遥かに超える進歩です。PCの進歩は予想していました。ですが特にスマートフォンを中心とした非PCの世界の成長は予想を遥かに超えています。スマートフォンをまともに使いこなせは、何時でも何処でも知的自由は手に入る時代に既になっています。正に夢が望外に叶っている今…

 そのプラットフォームに

暗号資産(統一通貨の究極の姿の1つかと)

は綺麗に乗っかって居ます。
 ということでお金を考えるという時に

統一通貨=平和の固定化

はこの分野でも重要かつ有効な切り口だと考えています。

つづく






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