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論文の要約

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記事一覧

肩手症候群のランダムフォレストに基づく予測モデル~論文紹介~

肩手症候群のランダムフォレストに基づく予測モデル~論文紹介~

初めまして、くろと申します。
臨床4年目、回復期リハビリテーション勤務の作業療法士です。

今回は、肩手症候群についての論文紹介を行いたいと思います。

概要

学んだこと肩手症候群の治療の鍵は予防であることが示唆されており、発症させないようなポジショニングや指導、自主トレの管理などが重要になると考えました。
また、危険因子として、女性であること、左半身麻痺、痙縮、肩亜脱臼、上肢遠位部のブルンスト

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脳卒中後肩手症候群患者の浮腫、痛み、機能活動に対するミラーセラピーの効果:ランダム化比較試験~論文紹介~

脳卒中後肩手症候群患者の浮腫、痛み、機能活動に対するミラーセラピーの効果:ランダム化比較試験~論文紹介~

初めまして、くろと申します。
臨床4年目、回復期リハビリテーション勤務の作業療法士です。

今回は、肩手症候群に対するミラーセラピーの効果について論文紹介を行いたいと思います。

目的: 脳卒中後の肩手症候群(SHS)患者の浮腫、痛みの強さ、機能的活動に対する脳卒中リハビリテーションプログラムと合わせたミラーセラピーの有効性を研究すること。

デザイン: ランダム化比較試験。

環境: 外来リハビ

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認知予備力(CR)と認知機能、認知症について~論文紹介~

認知予備力(CR)と認知機能、認知症について~論文紹介~

初めまして、くろと申します。
臨床4年目、回復期リハビリテーション勤務の作業療法士です。

今回は、認知予備力についての論文紹介を行いたいと思います。

認知予備力とはまず、認知予備力/予備能とは何なのでしょうか。
認知予備力については、以下の論文で説明されています。

簡単にいうと認知機能のことで、認知予備力が高いことで認知機能が低下
する病理学的変化があっても認知機能が高いために認知機能が保た

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半側空間無視の右半球脳卒中患者の右方偏位の改善には、座位と仰臥位の方が座位よりも優れている:ランダム化試験~論文紹介~

半側空間無視の右半球脳卒中患者の右方偏位の改善には、座位と仰臥位の方が座位よりも優れている:ランダム化試験~論文紹介~



概要体の位置が片側空間無視 (USN) にどのような影響を与えるかは不明です。
このクラスターランダム化試験は、脳卒中患者の USN に対するさまざまな姿勢(仰臥位、座位、立位)の影響を調べることを目的としていました。

方法右利きで、過去 2 年以内に生じた右半球損傷による左片麻痺を有し、グラスゴー脳卒中による覚醒状態にあった 20 人の脳卒中患者 (出血 [n = 11]、梗塞 [n =

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右方向への外因性注意の移動は、左半側空間無視患者の空間位置の知覚記憶を損なう

右方向への外因性注意の移動は、左半側空間無視患者の空間位置の知覚記憶を損なう


概要空間リマッピングは、目の動きによる網膜上のオブジェクトの変位にもかかわらず、時間の経過とともに連続する視覚画像内のオブジェクトの空間位置を更新および維持することを意味します。
頭頂葉皮質では、空間位置の表現は部分的に視線方向に集中しているように見え、したがって現在の視線位置によって調整されます。左空間無視を伴う右脳損傷患者では、遅れによる空間位置の短期記憶が損なわれている可能性があることが示

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Stroke Impact Scale version 3.0の日本語版の作成および信頼性と妥当性の検討~論文紹介~

Stroke Impact Scale version 3.0の日本語版の作成および信頼性と妥当性の検討~論文紹介~


初めまして、くろと申します。
臨床4年目、回復期リハビリテーション勤務の作業療法士です。

今回は、論文紹介を行いたいと思います。

はじめに

評価用紙考察結論SISは脳卒中の患者様に有用な評価となっている。
無料で使用できるため、購入に施設の許可をもらうなどの壁が少ない。
重度障害に対する妥当性はさらなる検討が必要である。
入院時に他の評価と合わせて評価しておきたい。
EQ-5Dなど他の使

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半側空間無視患者に対する姿勢制御アプローチの可能性~論文紹介~

半側空間無視患者に対する姿勢制御アプローチの可能性~論文紹介~


はじめに初めまして、くろと申します。
臨床4年目、回復期リハビリテーション勤務の作業療法士です。

今回は、論文紹介を行いたいと思います。

問題

方法

結果

考察

結論・半側空間無視の患者様には、正中位での対称的な姿勢でリハビリテーションを行った方が、「不安感などの精神状態の軽減」や、「覚醒、注意機能などの高次脳機能が働きやすく、半側空間無視のズレが軽減した状態」を作り出すことができ、

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半側空間無視を呈する患者の評価とADLについて~論文紹介~

半側空間無視を呈する患者の評価とADLについて~論文紹介~


参考文献前島 伸一郎, 半側空間無視を呈する患者の評価とADLについて, リハビリテーション医学, 1996, 33 巻, 8 号, p. 537-540, 公開日 2009/10/28, Online ISSN 1880-778X, Print ISSN 0034-351X,



はじめに半側空間無視は劣位半球損傷患者の予後を左右する因子として知られている. 本稿ではリハの立場から半側空

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ボーカル音楽は脳卒中後の記憶と言語の回復を促進する:2つのRCTから統合された結果~論文紹介~

ボーカル音楽は脳卒中後の記憶と言語の回復を促進する:2つのRCTから統合された結果~論文紹介~

目的これまでの研究では、毎日の音楽鑑賞が脳卒中回復を助ける可能性があることが示唆されていますが、この効果を引き起こす刺激依存性の神経メカニズムについてはほとんど知られていません。声楽が脳内の広範かつ双方向のネットワークに関与しているという神経画像の証拠に基づいて、我々は、声楽が脳卒中後の器楽やスピーチよりも認知と言語の回復と神経可塑性を高めるのに効果的であるかどうかを判断しようとしました。

方法

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脳卒中後片麻痺における握力~論文紹介~

脳卒中後片麻痺における握力~論文紹介~

【目的】本研究は脳卒中後片麻痺患者の健側手の握力を調査するために実施した。

【対象】本研究は2012年5月から8月まで脳卒中後片麻痺患者83名を対象に実施した。

【方法】本研究は片麻痺患者の健側手の平均握力を測定し、正常時の平均握力と比較分析した。

【結果】片麻痺患者の健常手の握力は健常者に比べて弱かった。

【結論】片麻痺患者は健側と患側の両方に問題を示した。今回の研究結果を踏まえ、片麻

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中等度から重度のアルツハイマー病患者の行動症状に対するドネペジル(アリセプト)の有効性~論文紹介~

中等度から重度のアルツハイマー病患者の行動症状に対するドネペジル(アリセプト)の有効性~論文紹介~

初めまして。くろと申します。
臨床4年目、回復期リハビリテーション勤務の作業療法士です。

今回は、アルツハイマー病の薬物療法についての論文紹介をしていきたいと思います。

Gauthier S, Feldman H, Hecker J, et al. Efficacy of donepezil on behavioral symptoms in patients with moderate to

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外傷性くも膜下出血における白質異常~論文紹介~

外傷性くも膜下出血における白質異常~論文紹介~

初めまして。くろと申します。
臨床4年目、回復期リハビリテーション勤務の作業療法士です。

今回は、外傷性くも膜下出血についての論文紹介をしていきたいと思います。

はじめにくも膜下出血とは、くも膜が破れたことによるの出血です。
脳動脈瘤破裂によるものが有名ですね。
外傷性くも膜下出血は外傷によるものです。
これまでの研究では、外傷性くも膜下出血では、他の脳損傷を伴う/伴わない場合でも、予後が不良

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青年期の脳に対する大麻の影響~論文紹介~

青年期の脳に対する大麻の影響~論文紹介~

初めまして。くろと申します。
臨床4年目、回復期リハビリテーション勤務の作業療法士です。

今回は、論文紹介をしていきたいと思います。

皆さんは大麻について、どうお考えでしょうか。
大麻は脳に影響があることが知られています。
今回は、そんな大麻についての論文を一つ、概説していきたいと思います。

引用文献
Jacobus J, Tapert SF. Effects of cannabis on

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~論文紹介~【脳卒中患者の認知機能障害に対する作業療法】

~論文紹介~【脳卒中患者の認知機能障害に対する作業療法】

【はじめに】はじめまして、くろと申します。
これから、論文を読んで、バイアスリスクの評価をしたり、内容について議論していきたいと思います。
初心者ですがよろしくお願いします。
今回の論文は、こちらです。

【Occupational therapy for cognitive impairment in stroke patients】
↓日本語訳↓
【脳卒中患者の認知機能障害に対する作業療法】

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