Mr.ぽんすけ

「丁寧な暮らし」「おいしい生活」を送る人を横目で視認しながら、ギリ生きているでおじゃる!

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記事一覧

大人になって観返す『ミュウツーの逆襲』:反出生主義と歴史改変

大人も感動する子ども向けアニメ映画 「日本文化」と言えば「アニメ」と「漫画」と言えるくらいに、「アニメ」はポピュラリティーを獲得し、「クールジャパン」だのなんだ…

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あらゆるクリエイターの方に観てほしい映画(?)『映画:フィッシュマンズ』感想

絶賛公開中『映画:フィッシュマンズ』 「フィッシュマンズ」という音楽バンドがありました。いや、現在進行形であります。90年代のバンドです。  レゲエやダブと言われ…

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東京2020で感じた「アップデート」だとか、「多様性」だとか――Cornelius炎上についての私的感慨②

「トーキョー・ニーゼロニーゼロ」が終わった 2021年7月23日に開幕した東京オリンピックが、8月8日に閉幕した。ちょうど1年前の8月に、都庁に行く機会があり、そこで「202…

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超サブカル焼跡派が本当に感じた「”サブカル”の終焉」――Cornelius炎上についての私的感慨①

小山田圭吾の炎上騒動 周知の通り、元「Flipper's Guitter」のメンバーで、一人ユニット「Cornelius」として長らく活動してきた小山田圭吾が、オリンピックの開会式作曲…

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私が「自己啓発書」を嫌い”だった”理由

「なぜ、その仕事をしているの?」と問われると……  「自己啓発」という言葉がある。文字通り、「自分が己を啓発する」ことで、「自己啓発本」といえば、デール・カーネ…

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「出版社不要」論が現実に

「StayHome」「RemoteWork」で書店に人が… 先日、平日の19時過ぎに渋谷に行った際、たまたま少し時間があったので、某大型書店に寄ってみました。  そこで、驚いた。「…

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『女帝』(石井妙子)への斎藤美奈子評について【備忘録】

石井妙子さんと斎藤美奈子さん 『おそめ』や『原節子の真実』といった名著を読んで、「すごいノンフィクション作家だ」と尊敬していた石井妙子さんの新刊『女帝』を、2ヶ…

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『普通の人でいいのに!』が描く「安全にイタい」刺さらなさ

深夜にふと読んだ『普通の人でいいのに!』 先日SNS上でバズっているのをお見かけした『普通の人でいいのに!』(冬野梅子/【モーニング月例賞2020年5月期】奨励賞受賞作…

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「歴史感覚」の消滅と「アイデンティティ」の消失

世間があまりに「忘れっぽく」なっている? 最近、いやこの4,5年だろうか、非常に怖ろしい事態が進行しているような感覚に陥る。「社会」とか「世間」とかに、明確な実…

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『スケアクロウ』のライオンは「みすぼらしい人」だったのか?

「アメリカン・ニューシネマ」の傑作『スケアクロウ』「アメリカン・ニューシネマ」をご存知ですか。映画通には説明不要、逆に明確な定義があるわけでもないと思いますが、…

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Twitterとの距離感を掴め!――SNSに向く人/向かない人

みなさんSNSは「もちろん」使ってますよね? SNSである。Twitterである。……にわかに界隈で沸き起こったTwitter運用。コロナ禍の中で、同僚たちが会社のTwitterを運用す…

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いつも心に「ティモシー」を

『ダンボ』という傑作『ダンボ』知ってますか? いやはや、知ってますよね、ダンボ。暖房じゃないよ、ダンボ。そう、あの耳が長~いゾウさんです!  ディズニーに残る最…

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TOHOシネマズ「POP&COKE」物語、許すまじ!

私が唯一腹立たしく感じる「カップル」 今日も今日とて、たくさんのカップルが街にいる。カップルの存在を疎ましく思う人もいるらしいが、私はおっさんのせいか、微笑まし…

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「レビュー」っつーのは何?

「批評」が機能しない時代を迎えている?「レビュー」という言葉を知ったのは、いつだったろうか。レビューとは、大辞林によれば、「批評、評論、書評」とある。批評、評論…

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至高の人「平野レミ」について語りたい!②

妊娠・育児本の名著『ド・レミの子守歌』 平野レミと言えば、「きょうの料理」でお馴染みの、赤い帽子と前掛けが印象的な「料理愛好家」のイメージが強いだろう。実際に、…

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至高の人「平野レミ」について語りたい!①

昨年逝去された「和田誠」 昨年、2019年は、逝去するいわゆる「大物」が多い年だった。と思うが、ここ数年は"例年のように"という感じかもしれない。個人的な好き嫌いは別…

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大人になって観返す『ミュウツーの逆襲』:反出生主義と歴史改変

大人になって観返す『ミュウツーの逆襲』:反出生主義と歴史改変

大人も感動する子ども向けアニメ映画 「日本文化」と言えば「アニメ」と「漫画」と言えるくらいに、「アニメ」はポピュラリティーを獲得し、「クールジャパン」だのなんだのでは筆頭格に挙げられますが、かつては「子どものもの」「大きくなったら卒業するもの」という一般理解がありました。

 だからこそ、「アニメを見続けている人」=「オタク」=「幼稚」というような図式で見られることがあったわけですが、今やそんな考

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あらゆるクリエイターの方に観てほしい映画(?)『映画:フィッシュマンズ』感想

あらゆるクリエイターの方に観てほしい映画(?)『映画:フィッシュマンズ』感想

絶賛公開中『映画:フィッシュマンズ』 「フィッシュマンズ」という音楽バンドがありました。いや、現在進行形であります。90年代のバンドです。
 レゲエやダブと言われる音楽を基調とした日本のバンドで、33歳で逝去された佐藤伸治さんがボーカルとして、かつ主な作詞・作曲をされていました。現在、東京オリンピック閉会式にも出演した「東京スカパラダイスオーケストラ」でドラムを担当されている茂木欣一さんが所属され

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東京2020で感じた「アップデート」だとか、「多様性」だとか――Cornelius炎上についての私的感慨②

東京2020で感じた「アップデート」だとか、「多様性」だとか――Cornelius炎上についての私的感慨②

「トーキョー・ニーゼロニーゼロ」が終わった 2021年7月23日に開幕した東京オリンピックが、8月8日に閉幕した。ちょうど1年前の8月に、都庁に行く機会があり、そこで「2021年 東京2020」と書かれているのを見かけた際には、連れ合いに「意味不明だね笑」「予算の関係で”東京2021”に変えられないのかね~?」などと話していたが、最後の最後まで「東京2020」で押し通した。

 2000年代のこと

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超サブカル焼跡派が本当に感じた「”サブカル”の終焉」――Cornelius炎上についての私的感慨①

超サブカル焼跡派が本当に感じた「”サブカル”の終焉」――Cornelius炎上についての私的感慨①

小山田圭吾の炎上騒動 周知の通り、元「Flipper's Guitter」のメンバーで、一人ユニット「Cornelius」として長らく活動してきた小山田圭吾が、オリンピックの開会式作曲担当就任の報に端を発し、大炎上している。

 私は1992年生まれ、平成生まれ、ゆとり世代ど真ん中。Flipper's Guitterはおろか、Corneliusですら、後追い世代。でも、中学生のときにFlipper

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私が「自己啓発書」を嫌い”だった”理由

私が「自己啓発書」を嫌い”だった”理由

「なぜ、その仕事をしているの?」と問われると……

 「自己啓発」という言葉がある。文字通り、「自分が己を啓発する」ことで、「自己啓発本」といえば、デール・カーネギーの『人を動かす』、スティーヴン・コビーの『七つの習慣』などを筆頭に、ロングセラー、ベストセラーが数多くある、書籍の一大ジャンルだ。

 私は「本」に関わる仕事をしている。だから、たまに「なんでその仕事を選んだんですか?」「なぜ、その仕

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「出版社不要」論が現実に

「出版社不要」論が現実に

「StayHome」「RemoteWork」で書店に人が… 先日、平日の19時過ぎに渋谷に行った際、たまたま少し時間があったので、某大型書店に寄ってみました。

 そこで、驚いた。「人がいない……⁉」

 かなり広いワンフロアを借り切っている書店で、記憶の限りではかなり客がいるイメージだったのですが、その時はおそらく見渡しても20人くらいか。2レーンに1人くらいしか客が見当たらない状況に、ビックリ

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『女帝』(石井妙子)への斎藤美奈子評について【備忘録】

『女帝』(石井妙子)への斎藤美奈子評について【備忘録】

石井妙子さんと斎藤美奈子さん 『おそめ』や『原節子の真実』といった名著を読んで、「すごいノンフィクション作家だ」と尊敬していた石井妙子さんの新刊『女帝』を、2ヶ月前くらいに読みました。都知事選前で超話題になった本です。

 面白かった。相当以上に小池百合子を悪く書いていて、偏って悪く書きすぎではあるのは、すぐに感じました(これはかなり多くの人が感じると思います)。でも、「政界渡り鳥」と揶揄され続け

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『普通の人でいいのに!』が描く「安全にイタい」刺さらなさ

『普通の人でいいのに!』が描く「安全にイタい」刺さらなさ

深夜にふと読んだ『普通の人でいいのに!』 先日SNS上でバズっているのをお見かけした『普通の人でいいのに!』(冬野梅子/【モーニング月例賞2020年5月期】奨励賞受賞作)。
 何やら「刺さる」とか、「自意識が抉られる」とか、感想で賑わっていて、その手の話が好きな私は、深夜にさっそく読んでみました。

 ……で、驚いた。まったく面白くなかったのです。面白くないというか、今一つ理解できませんでした。S

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「歴史感覚」の消滅と「アイデンティティ」の消失

「歴史感覚」の消滅と「アイデンティティ」の消失

世間があまりに「忘れっぽく」なっている? 最近、いやこの4,5年だろうか、非常に怖ろしい事態が進行しているような感覚に陥る。「社会」とか「世間」とかに、明確な実態はないはずだけれども、はっきり言うとその社会が、世間が、「ディストピア」化しているのではないかと。

 日本経済が低迷している、日本が少子化に突き進んでいる。その手の「暗さ」を感じていたのは、そのさらに以前のことだ。確かに問題ではあるかも

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『スケアクロウ』のライオンは「みすぼらしい人」だったのか?

『スケアクロウ』のライオンは「みすぼらしい人」だったのか?

「アメリカン・ニューシネマ」の傑作『スケアクロウ』「アメリカン・ニューシネマ」をご存知ですか。映画通には説明不要、逆に明確な定義があるわけでもないと思いますが、60年代末~70年代後半にムーブメントを起こした、反体制、アンチ・ハリウッド的な姿勢を鮮明にした作品群の総称です。

私は中学生くらいに『俺たちに明日はない』(67年)を観てからというもの、この手の映画がとても好きになりました。何となくの傾

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Twitterとの距離感を掴め!――SNSに向く人/向かない人

Twitterとの距離感を掴め!――SNSに向く人/向かない人

みなさんSNSは「もちろん」使ってますよね? SNSである。Twitterである。……にわかに界隈で沸き起こったTwitter運用。コロナ禍の中で、同僚たちが会社のTwitterを運用することと相成った!
 そこで、Twitterについて書いてみたい。

 現代人であれば、当然のようにやっているであろうTwitter。その同僚たちも、個々では使っていることだろう。もはや息を吸うように、吐くように、

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いつも心に「ティモシー」を

いつも心に「ティモシー」を

『ダンボ』という傑作『ダンボ』知ってますか? いやはや、知ってますよね、ダンボ。暖房じゃないよ、ダンボ。そう、あの耳が長~いゾウさんです!

 ディズニーに残る最高傑作!と言って過言ではない『ダンボ』。これを私は4,5歳くらいのときに観て、あまりにも感動し、なんどもVHS(当時はVHSが一般的だった)を回したものです。

 しかしながら、昨今のディズニーの体たらく。「奇跡の実写化」を謳う世迷言で集

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TOHOシネマズ「POP&COKE」物語、許すまじ!

私が唯一腹立たしく感じる「カップル」 今日も今日とて、たくさんのカップルが街にいる。カップルの存在を疎ましく思う人もいるらしいが、私はおっさんのせいか、微笑ましく感じる。駅で名残惜しそうに抱き合うカップル、自然と手をつなぎ連れ添うカップル、人目をはばからずチュッチュとするカップル……善哉善哉。「あら、若いっていいわね」なんて、おっさんは若いカップルを見て思う。

 が、そんな私にも、二年くらい前か

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「レビュー」っつーのは何?

「批評」が機能しない時代を迎えている?「レビュー」という言葉を知ったのは、いつだったろうか。レビューとは、大辞林によれば、「批評、評論、書評」とある。批評、評論、書評、という言葉は、それ以前から知っていた。単純に言えば、その英語表現なんだろうなとは、アホの私にも想像はつく。

 しかし、私がここでいうレビューは、そうしたものではない。「アマゾン・レビュー」「食べログ・レビュー」「映画・レビュー」的

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至高の人「平野レミ」について語りたい!②

至高の人「平野レミ」について語りたい!②

妊娠・育児本の名著『ド・レミの子守歌』 平野レミと言えば、「きょうの料理」でお馴染みの、赤い帽子と前掛けが印象的な「料理愛好家」のイメージが強いだろう。実際に、彼女は本もたくさん出していて、レシピ集が多い。
 私はレシピ集は読んでいないのだけれど、平野レミはエッセイ集も出していて、こちらは読んでいる。まずは、妊娠・育児の体験をつづった『ド・レミの子守歌』(中公文庫)の紹介から始めたい。私が持ってい

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至高の人「平野レミ」について語りたい!①

至高の人「平野レミ」について語りたい!①

昨年逝去された「和田誠」 昨年、2019年は、逝去するいわゆる「大物」が多い年だった。と思うが、ここ数年は"例年のように"という感じかもしれない。個人的な好き嫌いは別にして、ちょっと挙げると、ジャニー喜多川、堺屋太一、ドナルド・キーン、田辺聖子、梅原猛、池内紀、内田裕也、萩原健一、遠藤ミチロウ、モンキー・パンチ、小池一夫、京マチ子、八千草薫、……そして私にとっては何より橋本治。

 同じ2019年

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