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駄目だった日の煮込み
お気に入りの茶碗を割ってしまったことから始まった日。
改札前で、定期券の期限切れに気づく。
仕事のミスにすんでのところで気づいたものの、リカバリーに本来の倍の時間を使う。
買ったばかりのパンプスのヒールを、側溝の網にはめてしまって傷つける。
思わず深いため息をついてしまうこんな時には、一度ぎゅっと目をつぶってから、ひとつひとつ丁寧に、を心掛け、時が経つのをひたすら待つことにしている。
右足を
恋とか愛とか名前がついた偽物もあるし、あえて呼ばないだけで本当は恋や愛の気持ちもある。
もちろん等身大の恋や愛もある。
さて、あなたのはどれ。
こんな夜まで、主演でごめん。
こんばんは。
今夜は、人生を切り開けない気分の、私です。
元気じゃないと。なかなか、ね。
「与えられた役を演じる=人生」
と、思う時がある。
幸せな役なら、のびのび暮らせる。
不幸な役なら、不幸を演じてしまうことになる。
何かに仕向けられ、踊らされる。
あの逆らえない感じは、何なのか。
自分の人生なのに変ね。
今日みたいに気弱な夜は、上手く働けなかった職場を思い出す。
人間関係はもちろん。
優しさを分け合うのも温かいけれど、誰にも話せない孤独を分け合うのも温かいなあと思う。
内容問わず手紙をポストに投函した後やメールの送信ボタンを押した後の
「ああ。もう取り返しがつかない」
という絶望が好きだ。
手紙がポストにことんと落ちた後のもう取れないのにまだそこにある感じとか、せっかく送信ボタン押して絶望しているのにエラーで戻って来たときの拍子抜けも好きだ。
離れようが、会えなかろうが
細く長く想ってしまう恋は
呪いみたいだ。