サトウリョウタ@毎日更新の人

ライター兼編集者。広報/PR関連の取材執筆、メディアのディレクション、編集業務に携わっ…

サトウリョウタ@毎日更新の人

ライター兼編集者。広報/PR関連の取材執筆、メディアのディレクション、編集業務に携わっています。ベーチェット病と闘病しながら楽しく生きる方法を日々模索中。

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SNSのない世界にいた

先日、SNSを一切使わない女性と出会った。彼女いわくSNSはよくわからないものらしい。「インターネットに時間を取られるのがいや。現実世界を生きていたい」が彼女の持論だった。 アパレル業界で働く彼女は、綺麗なネイルを塗り、おしゃれな服装をしている。アパレルで働く欠点は、好きでもない服を買うことだと言って、頬を膨らませていた。先日から出張続きで、どうやら昨日地方から帰ってきたようだ。 「インスタ映えも楽しいかもしれないけれど、インスタに熱中するのではなく、いまに熱中したほうが

    • 孤独をうまく飼い慣らす

      ずっと孤独を怖いものだと思っていた。目を覚まして窓を開けると、昨日の和やかな空が嘘かのように雨が降っている。空もどんよりとしていて、空気が重い。誰かに助けを求めたいと思えるほどの苦しみが体の内側へと雪崩れ込んでくるのが手に取るようにわかった。憂鬱だと思った。鬱陶しいと思った。昨日の晴れ模様を見て、やっと春が来たと思ったのに、また冬への逆戻りだ。こんなはずじゃないという言葉が頭の中にすぐさま思い浮かぶ。 雨は、地球を潤すものだ。その存在なしに人間は生きることすらできない。それ

      • 人生は、黒歴史の連続だ

        ふとした瞬間に、これまでの過去を振り返ってみる。深夜に眠れなかったとき、散歩をしているとき、友達とお酒を飲んでいるとき、いろんなタイミングで過去を振り返って、「あのときは良かったね」「まじで恥ずかしいからやめよ」みたいな思いが体中を駆け巡る。過去に熱を取り戻す瞬間に、いろんな試練を乗り越えてきたと自分を褒めてしまう。 人生は黒歴史の連続で、そのほとんどを誰にも見せたくないものだ。そっと自分の胸のうちに秘めておいて、挫けそうになった時のお守りにしている。たくさん挑戦して、成功

        • 32歳フリーランス、就職について考えてみた

          30代で上京を果たし、生活ができるほどの仕事は獲得できるようになったけれど、まだ突き抜けるには至っていない。自身の力不足は否めないのだが、どこに身を置くかによって、今後のキャリアに大きな影響を与えるのも事実だ。 現在はフリーランスで編集者兼ライターとして働いているのだけれど、どこかの企業で学んだことはなく、全て独学で仕事を進めてきた。書籍や誰かが書いた文章で学んだり、フリーランスとしてさまざまな企業の方と働きながら、見よう見まねで仕事をしている。独学には限界があって、今より

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          30代になって自己投資に目覚めた話

          「30代になったらわかることがあるよ」 たくさんの30歳を迎えた先輩がこう口ずさんでいた。20代の頃はその言葉の意味がわからなかった。30歳を迎えたら何かがわかるかもと期待していたけれど、何も変わらなかった。だが、31歳の終わり頃から、少しずつ先輩たちの言葉の意味がわかるようになってきた。 体力の低下も著しいし、以前までは取れていた疲れもなかなか取れない。20代の体力を100とするならば、今の体力は70ぐらいだ。筋肉痛も翌日に来なくなっているし、30代になったらわかること

          30代になって自己投資に目覚めた話

          棘と糸

          「だからお前はダメなんだ!!」 社内に上司の怒号が響き渡った。俺だって頑張ってるよ。思わず口に出そうになった言葉を喉の奥に押し込み、「申し訳ございませんでした」とだけ言う。上司はその言葉を聞き流し、いつものように「だからお前はダメなんだ」と説教を始める。 「言われるうちが華。何も言われなくなったらもう期待されていないと思え」 上司は自分で選べない。希望した会社に就職できたとしても。次に待ち受けるのは配属ガチャだ。いい上司を引き当てればそこは天国、逆なら地獄への片道切符。

          7/11〜15の日記

          7/11 これまでにもらった嬉しいコメントをスクショで保存している。落ち込んだ時に元気を取り戻すために、読み返すためだ。例えば自分の文章に自信がなくなったとき、もらったコメントを一つずつ丁寧に読み返す。もらったコメントの記事を読み返してみると、なんだ良いこと書いてるじゃんと失っていたはずの自信が体の中の血管を通って、全身へと渡っていく。他人の評価は主観ではなく、客観的な視点のため、凝り固まった思考をうまく解きほぐす。自分に自信を持てなくなるときは、決まって睡眠不足だ。この場合

          やっぱり人生はほろ苦い

          仕事で上司から理不尽に怒られた日のことだった。胸の中に募る苛立ちを押さえきれず、居酒屋に飛び込んでやけ酒をキメた。嫌なことはアルコールで流すつもりだったが、洗い流すどころか酒を飲めば飲むほどにその不条理が腹の中にたまっていく。2軒、3軒と飲み歩き、すっかり酔いが回った頃、突然甘いものが飲みたくなった。 酔った足取りで自動販売機にたどり着き、震える手で小銭を入れた。しかし、アルコールのせいで手元を見誤り、出てきたのはブラックコーヒーだった。まるで人生は甘くないと誰かに言われて

          やっぱり人生はほろ苦い

          書くことで浮かび上がるもの

          なぜ書くのか。その問いの答えは、書くことで自己肯定感を保つためだ。心が沈んでしまったとき、文章はまるで浮き輪のように心を支えてくれる。深い海の底に沈んでいく心を引き上げ、呼吸を取り戻させるのだ。 書くことは、己の内面と対話する行為だ。今感じていることを言葉にし、書き上げたものを俯瞰的に眺める。それによって、今の精神状態を知ることができる。どん底まで落ちた後は、浮上するしか残された道はない。下しか見えていない時期があってもいい。その経験が、いつの日か大いなる恩恵を自らに与える

          書くことで浮かび上がるもの

          夜の静寂に誘われて

          夜の静寂が深まる頃、1日をやり過ごしてクタクタになった体ががも眠毛に誘われていく。その瞬間がやってくるたびに、穏やかな心がひとときの安らぎを求めるようになる。睡眠とは、毎日を乗り切るために必要なエッセンスだ。何かを成し遂げたいのであれば、この安らぎの瞬間を求めなければならない。 10代は、どれだけ睡眠時間を削っても次の日に影響をきたすことはなかった。睡眠は次の日を迎えるための義務のようなもので、早く朝が来てほしいと日々の移り変わりを待ち侘びていた。次の日の友達との約束や部活

          7/6〜10の日記

          7/6 奥野さんに誘っていただき、2年連続で鮒宿の流しそうめんを食べてきた。お店は都内にあるはずなのに、いい意味で東京っぽさを感じない。周りに大きな建物はないため、空が大きく見える。自然にも溢れていて、空気も美味しかったような気がした。流しそうめんを堪能した後は、近くのカフェで飲み物を飲みながら話をした。その後、解散して、妻と下北沢に足を運んだ。当初は妻の服を見る予定だったけれど、ずっと探していた両面猫のプリントTを発見してしまい、思わず購入してしまった。予想外の出費だったけ

          後悔から成長へ:30代になって見つけた新たな道

          20代の頃に、上京すれば良かったと後悔する日がある。そんなものはただの言い訳だ。ちゃんと理解しているつもりだし、挑戦に年齢は関係ない。でも、果たしてそれは正しいのだろうかと思う日がやってくるのも事実だ。 結婚や出産、マイホームに部下との仕事の進め方など、30代を迎えてから同年代の人と話す内容が変わってきたように思う。独立や起業する人、社内で幹部に昇格する人もいる。幹部層は上層部と部下とのパイプ役を担う。上と下の間に入る役割は、どちらの声に耳を傾けるべきなのか悩む機会が多い。

          後悔から成長へ:30代になって見つけた新たな道

          失ったものが教えてくれたこと

          手に入れたものと失ったものを数えると同じぐらいある。だが、失ったものは案外大切だったのかもしれないと気付いたのは、失ったものを見つめ直した瞬間だった。 過去は振り返ることができても、戻ることはできない。今の自分に残された選択肢は、後悔か納得の二択だ。人生は前にしか進めない。選んだ道が後ろ向きだったとしても、人生は勝手に前に進んでいく。そんな当たり前の言葉を何度も目にしてきた。 新しい何かに挑戦して、できることが増えていく。その喜びは凄まじいエネルギーがある。新たな成功体験

          失ったものが教えてくれたこと

          感情の波に漂う日々の中で

          相手を否定しないところが素敵だと言ってくれた人は、僕が否定するようになったら離れていくのだろうか。仕事の考え方が似ていると言ってくれた人は、方向性が変わった瞬間に、仕事をくれなくなるのだろうか。よく話を聞いてくれる人だと言ってくれた人は、僕が話す側に回ったら不快感を露わにするのだろうか。エモーショナルな文章を書くと言ってくれた人は、エモの欠片もない今の文章を読んでどのように思っているのだろうか。 他人の評価が気になって仕方がない。でもそれは人間関係を築いていくために必要なも

          感情の波に漂う日々の中で

          SNSだけでは世界は変えられない

          2024年7月7日に東京都知事選が開催された。結果は小池氏の圧勝だった。この結果を受けて、何も変わらなかったと絶望している人も多いはずだ。今回の投票率は60.62%と前回の55%を5.62ポイント上回った。政治に関心を持った人が増えたその事実は素直に嬉しいけれど、結局こんなものなのかと肩を落としたのも事実だ。 前回の都知事選に比べて、今回はSNSがより盛り上がっていたように思える。新しい選挙公報の形として、「ひとり街宣」という街で市民が候補者を応援するという公報やSNSで様

          SNSだけでは世界は変えられない

          熱狂なんていらない:毎日更新が1800日目を迎えました

          毎日更新が1800日目を迎えた。つい最近1000日目を迎えたところなのに、本当にあっという間だ。あと200日継続すれば、大台の2000日を迎えるなんていまだに信じられない。 毎日更新は元々1年間の更新で終わるはずだった。1年という期間を設けた理由は、毎日更新をしていた友人が毎日更新初日に1年後の自分に手紙を書いていたためだ。自分が必ず1年間の継続を達成するという強い意志が感じられたし、それをやり切った姿がとてもかっこ良かった。そして、僕も彼のようにかっこいい人間になりたい。

          熱狂なんていらない:毎日更新が1800日目を迎えました