四季の面影に揺られて
春になれば桜を一緒に見ながらお酒を飲むのが好きだった。少し赤くなる君の頬。頬を膨らませるその姿に愛しさを感じていた。花が芽を出し、恋心も芽生えるようになった春だった。青春の幕開け。終わりのない永遠のようにも思えた青春。
・
嫌いだった夏の楽しみ方を教えてくれたのは君だった。浴衣姿の君に見惚れて、いつまでも君の笑顔を守りたいと思える瞬間だった。ゆっくり落ち行く線香花火はまるで、恋に落ちる2人のようで、出会えたことがたとえ運命じゃなくても嬉しいねって