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30歳になっても、まだ自分の可能性を捨てきれない
幼い頃にずっとテレビで観ていたヒーローたち。世界の平和を守るために悪と闘うことで、世の人たちから賞賛を得る。そんな人たちを観て育ったからか、自分もいつかは世界を救うヒーローになると信じて疑わなかった。でも、歳を重ね大人になっても、ヒーローはおろか何者かにもなれていない。
人間は自分以外にはなれない。そんな当たり前の言葉を言われても、納得できなくて、何者かになるためにもがく30歳になってしまった。
今日もかっこいい大人になれない
『仮面ライダー』を見ていたのは、小学生のときだった。当時は大人になったら自分が悪を倒すと本気で思っていたのに、30歳になっても悪はおろか自分ことすらままならない。そもそも悪とはなにを指すのだろう。人間の数だけ正義があって、もはや正解、不正解などないのかもしれないとさえ思えてきた。
今の僕は世界を救うどころか、屋台の金魚すらうまく掬えない。かっこよさの欠片もない人間に何かを救えるのだろうか。どこで
人生で一度きりのおふくろの味
「わたし、料理下手やねん」
それは母の口癖だった。我が家の食卓には、いつも父の手料理がずらりと並んでいた。父は昔祖父が中華料理を営んでおり、そこで料理のイロハを学んだそうだ。だから僕はおふくろの味というやつを知らずに育った。周りには母が料理を作っている家庭がほとんどだったため、自分の家庭を異世界のように感じていた。
食卓に並ぶ父の手料理を食べているときに、母が「私の得意料理はおでんなのよ」と言
新社会人になりきれなかった君へ
全国の至る会社で入社式が開催されたらしい。カルビーでは川口春奈がサプライズで登場したというニュースを読んで、大手企業には夢があると思い知らされた。例年どおりSNSには新社会人へのアドバイスがずらりと並んでいる。その中には、「新社会人にアドバイスをする人のアドバイスには耳を傾けないでいい」という特大ブーメランを放っている人もいて、少しだけ頬が緩んだ。
自身の新社会人の頃を振り返る。風が吹けばすぐに
4月は憂鬱な風が流れる
4月に入った。例年通り桜は咲き、たくさんの人たちがそれに魅了されている。新社会人、新学期、新生活、世の中にある新しいがたくさん始まるこの時期は、希望と絶望が入り乱れていて、なんだか異様な空気だ。ある人はワクワクしているだろうし、とある人は新たな門出に絶望しているかもしれない。かくいう自分は何も新しいが始まっておらず、憂鬱な気持ちで4月を迎えた。
かれこれ社会人生活も9年目である。社会に特段爪痕を