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Beyond The Reading

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本を読む先にあるものって、なんだろう。
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#本好き

真説・長州力、を読んだ。

真説・長州力、を読んだ。

\長州力ここにあり/

長州力というプロレスラーを知ったのは、芸人の長州小力のモノマネを見た時。それから神奈月のモノマネで妙に滑舌が悪い人という印象を植え付けられ、興味を強くもつ決定的な契機は、武藤敬司とのオンライン飲み会のyouyube動画。

絶妙な間合いとユーモラスな話術と、二人の歴史をそれとなく示唆する業界の裏話。長州力というキャラクターと、プロレスがどのような世界であるのか、深く知りたい

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変化を嫌う人を動かす、を読んだ。

変化を嫌う人を動かす、を読んだ。

本書は、うまく変化を起こせないという多くの人が直面している問題に対し、人的要素に焦点を当てて解決策を探った点が画期的である。アイデア自体の創出方法やフレームワークを解説する書籍は多くあるが、人間の本質(本性)を認めて、正面から向き合ったことが本書の特徴である。*訳者あとがきから抜粋

弾丸が強く速く進むにはどうすればよいか?強力な火薬を装填し発火すれば良い..これは燃料追加型の発想であり、実は10

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WIRED、を読んだ。

WIRED、を読んだ。

この雑誌の存在を知ったのは、我らが角幡唯介さんのことを知りたくてネットで検索しまくっていたらこちらの記事を発見し、影響・感化され、それいらい雑誌を購読している。

さすがというか、シビレるというか、卒倒しそうなくらい素晴らしい考察があるので紹介したい。

自分なりに解釈すると、たとえば携帯電話(スマホ)などが顕著な事例だろう。誰しもが所有している通信機器を、自分の信条として所有しないという選択肢が

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月と六ペンス、を読んだ。

月と六ペンス、を読んだ。

我らの角幡唯介さんが、ツアンポー峡谷の探検中に停滞したときに読み、そして焚き火にくべたということで、数年前から気になっており、ようやく読み終えることができた。

抱いた既視感は2つあって、構成が夏目漱石の「こころ」に似ていること、そして登場人物のストリックランドが神々の山嶺の羽生丈二に似ていること。

家庭や妻など、平凡だが誰しもが望む幸せの象徴を、いとも容易く放棄していくさまは、芸術家を形容する

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半径50メートルのセカイ、を読んだ。

半径50メートルのセカイ、を読んだ。

実際に佐藤さん(nendo)が手がけたプロダクトや案件を紹介しながら、その着想から着地までのプロセスを織り交ぜるコラム。

ハイライトは「嫌い」と「嫌いじゃない」をきちんと認識するということ。うーむ、確かに好き・嫌いのあいだには「嫌いじゃない」という、良い意味でのどっちずかずな状態があるのかもしれない。

それって、つまり中庸ってこと?違うかw

独立した頃に提案段階で何度もミラノに出かけた話をサ

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アルゴリズムの時代、を読んだ。

アルゴリズムの時代、を読んだ。

テクノロジーが大好きだが、手放しでは受け入れない。

影響力とアルゴリズム、データとアルゴリズム、正義とアルゴリズム、医療とアルゴリズム、車とアルゴリズム、犯罪とアルゴリズム、そして芸術とアルゴリズムの構成。具体事例も紹介され非常〜に読みやすい。

毎度、ウィキペディアで調べてみると、

アルゴリズム(英: algorithm)とは、「計算可能」なことを計算する、形式的な(formalな)手続きの

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本の読める場所を求めて、を読んだ。

本の読める場所を求めて、を読んだ。

読書という行為ではなく、本を読む場所について考察するユニークな内容。

読書とはなにか、これからの書店のありかたとは、などをテーマにした本は数多く手にしてきたが、「本を読む場所」について深く考えることはなかった。著者の阿久津さんは「fuzkue」というお店(場所)を運営している。

サイトのつくりも素晴らしく、機会があれば是非一度は出かけてみたいと思う。

***

自分が本を読む場所は自宅だ。昨

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マチズモを削り取れ、を読んだ。

マチズモを削り取れ、を読んだ。

武田砂鉄さん、まだ彼のラヂオを拝聴したことがない。

地元の図書館では割合早めに新刊が蔵書されるので非常に有難い。とはいえ、買わずに読んだ本を一丁前に評するという行為が毎度後ろめたい。さておき、今回も砂鉄節炸裂!という感じであっという間に読み終える。

マチズモ。聴き慣れない言葉かもしれない。毎度のごとく調べてみよう。

ラテンアメリカで賛美される「男らしい男」を意味するスペイン語のmachoから

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大阪、を読んだ。

大阪、を読んだ。

東京生まれ、横浜育ち。悪いヤツもなにも友達の居ない自分だが、大阪には何かと御縁のある人生だったと思う。

巷で話題の岸雅彦さんの過去の著作を拝読した。

大学時代に新岡先輩(仮称)に誘われレコードマップを片手に京都と大阪のレコード屋を巡ったり、新卒で就職した会社の本社が大阪市都島区にあったり、大学の先輩が数年市内に赴任して遊びに行ったりした。

今の会社でも一度だけ出張で大阪にお邪魔したことがある

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HONZが選んだノンフィクション、を読んだ。

HONZが選んだノンフィクション、を読んだ。

次から次へと読みたい本が目の前に現れて、本当に困っています!!

「何から読んでいいのかわからない」「おすすめの面白い本ありますか?」というお問い合わせが増えてきたので、本著を是非推薦したい。ただ、映画も本も当たり前だが個人で価値観は異なるので、そこらへん夜露死苦。

HONZというウェブサイトは見たり聞いたことがあると思う。元日本マイクロソフト社長の成毛さんが主宰する「おすすめ本」を紹介するサイ

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未来は予測するものではなく、創造するものである、を読んだ。

未来は予測するものではなく、創造するものである、を読んだ。

鼻息を荒くしながら読了!久々にエポックメイキング的な書籍と邂逅してしまった!

「ここではないどこか」への想像力を解放せよ。意味や価値のわからない仕事を再生産し続ける「制約事項」を爆破し、「本当のイノベーション」に向かって考える自由を取り戻すために。気鋭のSF作家であり、ITコンサルタントである著者が贈る理論と実践の書! *amazonの紹介文から

SFとITコンサルタントって、どう関係があるの

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多様性の科学、を読んだ。

多様性の科学、を読んだ。

多様性という言葉に食傷気味なアナタにオススメしたい1冊。

サブタイトルの「画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織」にもあるように、組織論の本であることがわかる。名著「失敗の本質」のような、偏重傾向にあった組織が大失敗した具体事例も紹介。

マシューさんも近しい著作があったようだ。さて本著の紹介に戻ろう。

特に興味深かったのは、巨大な組織になればなるほど画一的になりやすい傾向がある

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DXとは何か、を読んだ。

DXとは何か、を読んだ。

最近はDX指南書の良著が多く非常に喜ばしい限り。

DXの思考法 と同じく抽象化が重要であることを再認識できた。

国家規模でのデータの活用は全体主義・共産主義が有利だということは非常に頷ける。個々人がプライヴァシー云々と懸念材料を並び立てていると鈍化するらしい。

DXによる中間層の圧縮は時として雇用問題にも劇的な変化をもたらす。中途半端な職域は無くなってしまうかもしれない、明日は我が身である。