名辞以前
これまでのダメ人生について色々語っています。
日常で感じたことなどの雑記です。
PVが高かった記事を紹介しています。
近い将来、人生100年時代が到来する。今生きている私たちのほとんどは100歳前後まで生きるかもしれない。 定年は65歳から75歳、あるいは80歳になるかもしれないし、かりに…
人はみな勧善懲悪が好きだ。 幼い頃から漫画やドラマなどである意味洗脳に近い教育を施された私たちは、不平等や暴力や卑怯さを忌み嫌い、自分はそうなるまいと息巻い…
さらさらと流れる小川は夕暮れの物悲しげな姿をうつろに映している。透明な水の膜の向こうにはこことは違う生態系があり、それぞれのルールの中で生きている。一つだけ違う…
生まれてこの方自己肯定感というものを得たことのない私の心は、干潮で姿を表した岩のようにトゲトゲしていて鬱陶しい。 何をするにもネガティブだし、消極的だし、しまい…
「君は背が高いのに内面は小心者なんだね」 かつて精神科医にそう言われたことがある。たしかに私は身長が180cmを超えているため、周囲からは背格好と性格とのギャップに…
暖かな日差しの粒子を めいっぱいに含んだ 空気を深く吸い 柔らかな決意とともに 吐き出す朝の 高揚を 日々の混沌とした 汚れを洗い落とし 形を整え からりと晴れた 午前…
久しぶりに買ったタバコを見て、気づかないうちに自分が相当疲弊していたことに気がついた。 今年は人生で最も受難の年だったように思う。別に厄年でもなんでもないのだが…
はじめて目が合ったとき ふたり 目を逸らした すぐそばで飛び交う あいさつや笑い声が どこか遠くの 汽笛のように響き たった二人きり かのように ふたたび 目を合わせ 今…
じぶんのために、と笑って 肩を揺らしている どこか誇らしげで おどけて 傷ついている ひまわりのように伸びた 小さな手のひらには こぼした涙ほどの 優しさが宿っている …
駅をひとつ乗り過ごしたら 変わり映えのしない日常に 少しの余白があるのに気づいた たった一駅なのに 見慣れない街と耳慣れない足音 いつも外を向いているつま先は 今日は…
帰り道にふと 足元を見やると 右の靴紐がほどけていた かがんで 結び直していると 迷惑そうに サラリーマンが私を避けて ぬらぬらと輝く夕陽の中へ 消えていった 私の住む…
わたしは書く 鳥が翼で 風を掴むように 反復する指先が 命に触れるまで 打ち捨てられた言葉たちは ゆっくりと朽ち その身を蝕まれ 途方もない潜在意識の 土壌となる 言葉…
空よりも星よりも 雲よりも太陽よりも 大木よりも山よりも 猫よりも人間よりも 土は美しい 土は慎ましく 慈愛に溢れ 時に根を張らせてやり 糞を栄養素に変え 天敵から身を…
頬を撫でる冷ややかな風 薄ぼんやりとした生を わずかに蘇らせる まだその瞳が獣であった頃 月は謎めいた明かりをもって わたしの心を沸き立てた 夜が人々の存在を割り引い…
体を貫く激烈の赤 すべてを無に還してしまうほどの熱 大気はひび割れて 昆虫の羽のように はらはらと落ちた 地上と私とをつなぐ足の裏には 恐ろしい憎悪と悔恨が もぞもぞ…
言葉が好きだ 心の調べに乗って 時に優しく 時に残酷な旋律をもって わたしと あなたとを 通わせてしまうから はるかな宇宙に憩う ちっぽけな塵 吹けば消えてしまうほど…
2021年4月27日 20:36
近い将来、人生100年時代が到来する。今生きている私たちのほとんどは100歳前後まで生きるかもしれない。定年は65歳から75歳、あるいは80歳になるかもしれないし、かりに80歳だとしても死ぬまでにあと20年もある。20年といえば赤ん坊が成人してしまう莫大な年月だ。私は仕事柄、高齢者と接することが多い。100歳を超える人と出会う機会も何度かあった。彼らが抱えている悩みや楽しい思い出、家族
2024年4月18日 20:38
人はみな勧善懲悪が好きだ。 幼い頃から漫画やドラマなどである意味洗脳に近い教育を施された私たちは、不平等や暴力や卑怯さを忌み嫌い、自分はそうなるまいと息巻いている。多くの人は自分のことを善良な人間だと思い込んでいる。しかし、果たして自分が善か悪かと明確に区別することはできるのだろうか。例えばオセロのように一目でそれが分かればいいのだが、人間は無数のグラデーションでできている。善良な自分も
2024年4月17日 17:13
さらさらと流れる小川は夕暮れの物悲しげな姿をうつろに映している。透明な水の膜の向こうにはこことは違う生態系があり、それぞれのルールの中で生きている。一つだけ違うのは、彼らは捕食について深く考えていないであろうことだ。もちろん、自分の生き死にについて無関心な生物はいないだろう。どんな生き物にとっても生存していくことは最も重要な使命だ。しかし、人間のように優越感に浸ったり、逆に劣等感に溺れることはない
2024年1月25日 22:59
生まれてこの方自己肯定感というものを得たことのない私の心は、干潮で姿を表した岩のようにトゲトゲしていて鬱陶しい。何をするにもネガティブだし、消極的だし、しまいには純粋にハッピーな出来事すら悲しく思えてくるから厄介なことこの上ない。時折、自分は自分が傷つくことでエクスタシーを感じる変質者なのかもしれないと真剣に悩むことがある。ある程度の年齢まではこれが普通なのだと思って過ごしてきたのだが、大人に
2024年1月24日 21:23
「君は背が高いのに内面は小心者なんだね」かつて精神科医にそう言われたことがある。たしかに私は身長が180cmを超えているため、周囲からは背格好と性格とのギャップに驚かれることが多い。私がどんな性格か一言で表せば「臆病」だと思う。物心ついた頃から常になにかに怯えていた気がするし、その傾向は年々強まっている気もする。生来の小心者である私だが、とくに臆病になるのは「人間関係」だ。人から拒絶さ
2023年11月2日 07:53
暖かな日差しの粒子をめいっぱいに含んだ空気を深く吸い柔らかな決意とともに吐き出す朝の高揚を日々の混沌とした汚れを洗い落とし形を整えからりと晴れた午前に干していく爽快さを嵐が過ぎ去ったあとの小さな部屋で埃ひとつ舞い上がらない静寂に促され指を重ね合う甘い諦めをいなくなってしまった人たちを想ってうずくまりけたたましい夕焼けが夜を拒絶する悲しいわがままを
2023年11月1日 09:34
久しぶりに買ったタバコを見て、気づかないうちに自分が相当疲弊していたことに気がついた。今年は人生で最も受難の年だったように思う。別に厄年でもなんでもないのだが、これを厄年と言わずしてなんと言おうか。もしも、これから先これ以上の苦難に満ちた一年が訪れるのだとしたら、私の精神は持たないはずだ。怖すぎる。今年に入ってからいくつかあった人生最悪の出来事のうち、今回書くことは軽傷に過ぎないが、これま
2023年10月8日 11:07
はじめて目が合ったときふたり目を逸らしたすぐそばで飛び交うあいさつや笑い声がどこか遠くの汽笛のように響きたった二人きりかのようにふたたび目を合わせ今度は逸らさなかったはじめて手をつないだときどこまでも高鳴る胸に惑いながら同じ震えるきみの手のひらを静かに抱擁した夜明けのように街と人々とが優しく溶け合いそれはふたりが別々の人間であることを忘れてし
2023年10月5日 22:10
じぶんのために、と笑って肩を揺らしているどこか誇らしげでおどけて傷ついているひまわりのように伸びた小さな手のひらにはこぼした涙ほどの優しさが宿っているじぶんのために、と笑って目を細めているいくらかの強かさといくつかの諦めが焦点を結び柔らかな三日月のように尖った唇はあるべき明日を示しているじぶんのために、と笑って声を上げている水のように透き通り複雑で読むこ
2023年9月14日 19:09
駅をひとつ乗り過ごしたら変わり映えのしない日常に少しの余白があるのに気づいたたった一駅なのに見慣れない街と耳慣れない足音いつも外を向いているつま先は今日は少し縮こまってそれでも前に進んでいく本来ならわたしのいないどこか他所で起こり得た物語の中に迷い込んでしまったような画風の違う絵の中に墨で書き足されたようなおぼつかない心持ちだがどこか心地いいいそいそと夕飯の支度を
2023年9月7日 22:00
帰り道にふと足元を見やると右の靴紐がほどけていたかがんで結び直していると迷惑そうにサラリーマンが私を避けてぬらぬらと輝く夕陽の中へ消えていった私の住む街では立ち止まることすら気軽ではないスーパーで買い物をしているときれいにラッピングされた豚肉が半額になっていたわずか半年ほどで人生を終える彼らは何かを考えあるいは夢を見たろうか屠殺して商品に変えそれでいて売
2023年9月6日 20:48
わたしは書く鳥が翼で風を掴むように反復する指先が命に触れるまで打ち捨てられた言葉たちはゆっくりと朽ちその身を蝕まれ途方もない潜在意識の土壌となる言葉が口を抜けるとき小さな隕石のようにその身を焼き尽くされ地上に届く頃には色彩を失った石ころに成り果てる一片の嘘も飾らないものだけが大気圏を越え柔らかな大地を享受するあなたに何かを伝えたいとき私の口は押し黙り
2023年8月31日 19:38
空よりも星よりも雲よりも太陽よりも大木よりも山よりも猫よりも人間よりも土は美しい土は慎ましく慈愛に溢れ時に根を張らせてやり糞を栄養素に変え天敵から身を隠す住処になり死骸を優しく受け入れる土は少女の柔肌のように傷つきやすくあるいは創造主のように自由自在だひまわりの咲く頃蝉の這い出す頃鮎が川を泳ぐ頃一体どれほどの人が土のことを想い感謝するだろうか生態系の命で
2023年8月30日 22:32
頬を撫でる冷ややかな風薄ぼんやりとした生をわずかに蘇らせるまだその瞳が獣であった頃月は謎めいた明かりをもってわたしの心を沸き立てた夜が人々の存在を割り引いた時そこには無数の孤独が広がりひとつひとつの名は失われある種の集合体としてただ美しくなったどこからともなく遠吠えのような慟哭が響き夜空はそれをたしかに受け止めた誰も彼もがそれをじっと眺めていた一人であるということ
2023年8月29日 21:58
体を貫く激烈の赤すべてを無に還してしまうほどの熱大気はひび割れて昆虫の羽のようにはらはらと落ちた地上と私とをつなぐ足の裏には恐ろしい憎悪と悔恨がもぞもぞ蠢いているいまこのとき私は関係のない存在だブランコではしゃぐ親子楽器をかついでいる学生ひげを伸ばした浮浪者狂人のように挨拶ばかり繰り返す社会いまこのときすべては私とは無関係ではじめからこの世には私という質量は存在し
2023年8月21日 21:18
言葉が好きだ心の調べに乗って時に優しく時に残酷な旋律をもってわたしとあなたとを通わせてしまうからはるかな宇宙に憩うちっぽけな塵吹けば消えてしまうほどのあっけない命生まれた瞬間から終焉への帰途であるという揺るぎない孤独を忘れさせてくれるから言葉が好きだひび割れた器からあふれたものに名前を授けおよそ正気ではいられぬほどの激しい情動をいくらか牧歌的なもの