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140文字小説

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Twitterで日々投稿している140文字小説をまとめたものです。
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#冬

嗚呼!愛しの切り裂きジャック様 (Twitter140文字小説)

嗚呼!愛しの切り裂きジャック様 (Twitter140文字小説)

 切り裂きジャックに憧れている。
 現在でも様々な陰謀説が囁かれ、ミステリーファンとして胸が高鳴る。

 冬の塾帰り。
 私は背後から口を塞がれ、茂みに連れ込まれた。
 男がかざすナイフは、月の光を浴びて夜空に二つ目の月を輝かせていた。

 幸い目撃者がいて事なきを得た。

 Fuck You!Jack!

不測の事態~バス停での恋模様~ (Twitter140文字小説)

不測の事態~バス停での恋模様~ (Twitter140文字小説)

 どうしてこうなってるの。

 私は憂悶とする。

 夕映えが眩しいバス停。

 狭いベンチの隣には一方通行の恋の相手。

 こんなの予定にないよ。

 頬を刺すつめたい風にブルッと肩を竦める。

 かすかに触れる肩と肩。

 ビクッと距離を取る様は完全に挙動不審者。

 チラリ横目で窺うと、あれ?彼も赤い。

郷愁イルミネーション (Twitter140文字小説)

郷愁イルミネーション (Twitter140文字小説)

 服が厚みを増すたび、夜の闇が深まる。

 闇の深度に反比例するように、街は彩度を高めていく。

 赤や青、白や緑、色彩溢れる街は賑やかになるけど、どこか寂しさも感じる。

 田舎の夜は静かだけど、とても雅やかだ。

 ふいに郷愁を覚える。

 お父さん元気かな。

 帰ったら久しぶりに電話しよう。

冬のあかつきと甘い彼氏 (Twitter140文字小説)

冬のあかつきと甘い彼氏 (Twitter140文字小説)

 暁の空気をすうっと肺に納め、はあっと手に呼気をふく。

 じわりと熱を帯びるも、瞬く間に冷める。

 カチリとガスのつまみを捻る。

 薬缶から湯気がのぼり、珈琲へ注ぐ。

 私は一つに、彼は三つ。

 甘党の彼は私にも甘え上手。

 今日もきっと、甘えて起きないんだろうな。

 腕をまくり戦闘準備だ。

愛と怒 (Twitter140文字小説)

愛と怒 (Twitter140文字小説)

 温もりが欲しい。

 今年もこたつを愛でる季節が到来した。

 足元から頭の先まで、じんわりと熱が伝わる。

 この至福のひとときには、ホットミルクも目ではない。

 ふいに眼前5cmの距離に、地を踏む逞しい筋肉の塊。

 次はお尻に衝撃。

「んにゃ~、おまえら俺が中にいるにゃ~」

 猫は激怒にゃ。

冬の足音 (Twitter140文字小説)

冬の足音 (Twitter140文字小説)

 視界を行き交う車灯の群れ。

 最近はすっかりと灯る時間が早まった。

 イヤホンが奏でる音に合わせ、指でリズムを取る。

 団地へ流れるバスはまだ姿を現さない。

 ふいに吐息のような、かすかな風がふっとうなじを通り抜ける。

 そろそろポニーテールも終わりかな。

 明日から、下ろして登校しよ。

弱肉強食 (Twitter140文字小説)

弱肉強食 (Twitter140文字小説)

 もくもくと湯気が踊り、乳色の霞みが視界を白にする。

 白色の世界の彩り溢れる場所で私は大事な子を育む。

 突如、子は拐われた。

 彼は美味の肉を頬張る。

「もお!大事に育ててたのに」

 私は頬に大きな風船を二つ作る。

「この世は弱肉強食なんだよ」

 ニヤリと口角を上げる彼は本当に悪役だ。

あとがき

鍋が美味しい季節になりました。

鍋をイメージして書きましたが、少しわかりづらか

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銀の肴 (Twitter140文字小説)

銀の肴 (Twitter140文字小説)

 スゥとつめたい風が肌を刺す。

 コートのポケットからほどよい熱さのカイロを取り出し、頬の暖を取る。

 ふと、ふわりと綿が舞う。

 違う。

 雪だ。

 鈍色の空から今年最初のプレゼント。

 高いヒールの踵を返し、近くのコンビニへ足を向ける。

 今日は熱燗かな。

 ベランダで銀に染まる街を肴にしよっと。