米澤穂信さん『本と鍵の季節』~青春とミステリーの苦いところ~

米澤穂信さん『本と鍵の季節』~青春とミステリーの苦いところ~

 米澤穂信,『本と鍵の季節』,集英社,2021  米澤穂信さんの作品は久しぶりに読みました。これまで読んだ作品は「古典部シリーズ」。こちらは小説と漫画を並行して読んでいます(でもなかなか新刊がでなくて)。あとは以前弟から借りた「ベルーフ」シリーズの『王とサーカス』。「ベルーフ」シリーズはまだこの作品しか読んだことはありません。  私にとっては、上記2シリーズ以来の新シリーズです。 【感想】米澤穂信さんが書かれる「日常のミステリー」が、古典部シリーズの時よりもビターと言う

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無職:おかの場合

無職:おかの場合

無職という言葉からパッと思い浮かんだのは、米澤穂信の短編集「真実の10メートル手前」収録の『名を刻む死』という作品でした。 以下、ネタバレあり。 『名を刻む死』とは「肩書き付きで死ぬこと」です。つまり「死んだあとで無職と呼ばれない」ということです。 社長だった人も役員だった人も、定年退職後の肩書きは無職になります。そして何かの事件で死んだときには「〇〇市 無職」とニュースで報道されてしまう。 つまりそういう話です。 この話を読んで僕が思ったのは「なるほど。面白いなあ

ささやかなミステリー -アニメ版「氷菓」-

ささやかなミステリー -アニメ版「氷菓」-

全22話、13時間かけて通して観ました。 途中の時点で区切って感想を書こうとしなくてよかったと思います。 アニメでいう第5話までが実写映画版で描かれたのと同じ部分で、タイトルの「氷菓」の絵解きはそこで完結しています。 アニメ版をここまで観た時点で、私は、(読んでいませんが)原作の作品世界について、実写版を観た時点では誤解していて、ないものねだりをしていたことに気づきました。 この作品、分類すれば「ミステリー」でしょうが、誰かが死んだりしたことへの謎解きではないんですよ

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熱いレビューをお待ちしてます! 読書感想文投稿コンテスト「#読書の秋2021」にKADOKAWA文芸も参加中
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熱いレビューをお待ちしてます! 読書感想文投稿コンテスト「#読書の秋2021」にKADOKAWA文芸も参加中

読書の秋がやってきましたね。KADOKAWA「野性時代」編集部も、「#読書の秋2021」企画に参加させていただきます! ぜひ、みなさんの熱い感想やオススメコメントをどしどしnoteに書いてくださいね。 ◆KADOKAWAの課題図書は下記の5冊です。佐藤 究『テスカトリポカ』 祝・直木賞&山本周五郎賞W受賞 鬼才・佐藤究が放つ、クライムノベルの新究極、世界文学の新次元! メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走

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【書評?】満願

【書評?】満願

こんばんは、廣瀬です。 今日は久々に一冊読み終えたので、書評?noteを更新したいと思います。今回書評?noteで取り上げる作品は米澤穂信著 満願(新潮文庫)です。 これまで米澤穂信さんの作品は古典部シリーズしか読んだことが無かったのですが、こちらの作品は山本周五郎賞をはじめ、数々の賞を受賞した作品とあってとても読み応えのある短篇集でした。 それでは早速、あらすじから紹介していきましょう。 あらすじ「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……

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【読書感想】米澤穂信作品の探偵役は三次元にいないでくれ

【読書感想】米澤穂信作品の探偵役は三次元にいないでくれ

最近お気に入りの本2〜3冊について感想を書こうとした。書こうとしたんだが、米澤穂信の『本と鍵の季節』についての感想が思った以上に長くなってしまい、私が教師なら確実にクレームが入るレベルのエコヒイキになってしまったので、この1冊で1つの記事にまとめることにした。 米澤穂信の作品の探偵役たち、特にこの作品の探偵役2人である堀川次郎と松倉詩門は絶対に三次元にいてほしくない。何故なら私は彼らに恋をしてしまうことが容易に想像できるから。 リアコ勢だと逃げないで欲しい。言い訳を聞いて

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【読書感想】 氷菓 米澤穂信
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【読書感想】 氷菓 米澤穂信

米澤さんのデビュー作、氷菓を読んでみました。 米澤さんの小説はこれで4冊目^ ^ 文庫本で200ページ程度なのでサクッと読めます。 タイトル、氷菓に込められた意味とは。 氷菓の意味を知った主人公達の今後はどうなるのか。 読み終わった後も想像が膨らみました^ ^ そして、米澤さんの作品にはお嬢様がよく登場する気がします。 ↓お嬢様が登場する作品、感想 氷菓が米澤さんのデビュー作とのこと。今後も米澤作品を読み進めていきます^ ^

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増える積読、足りない時間。~短編集のススメ~
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増える積読、足りない時間。~短編集のススメ~

読書好きの皆さん、積読って何冊くらいありますか? そもそも積読しない方もいると思います。 Twitterを拝見していると、なん十冊と積読されている方も。 積読する意味がわからん!という方も、もちろんいらっしゃるでしょう。 最近、話題になっているマウントを取ろうなんて全く思っていません。 積読の数が、なぜマウントになるのか…私には、ちょっと分かりません。 なんてグダグダ言ってる己の積読具合はどうなんだ!ですよね(;^ω^) この数か月で、かなり溜まってます(笑)

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【ミステリーレビュー】満願/米澤穂信(2014)
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【ミステリーレビュー】満願/米澤穂信(2014)

満願/米澤穂信 史上初のミステリーランキング3冠に輝いた米澤穂信の短編集。 2014年に本作で3冠に輝くと、翌年には長編ミステリー「王とサーカス」にて再び3冠を達成。 クオリティの高さも然ることながら、その引き出しの多さを見せつけた結果となった。 文章の上手さと、ミステリーの醍醐味であるどんでん返し。 正直なところ、期待が大きすぎた感はあって、好みとは微妙にズレてはいたのだけれど、どの短編も後味が強烈で、著者を象徴する作品となっているのも納得である。 殉職した川藤巡査の

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【2021年ミステリ小説決定版】年末までに読んでおきたい、おすすめミステリ小説5選
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【2021年ミステリ小説決定版】年末までに読んでおきたい、おすすめミステリ小説5選

(カドブン10月7日より転載) ミステリシーズンに、敢えて空気を読まないスタイルのミステリ紹介をみなさん、神無月だそうですよ。 日本全国の神様がお出かけになり、それぞれの持ち場をお留守にされる、それが10月。 かくして強制的にお留守番をさせられる我々はどうしたらいいのか。 涼しくなってなんだか心寂しい、寂しいとおなかが空く、と言って食べてばっかりもいられず、コロナもまだまだ予断を許さない……。 それならば。 面白い本を読むしかないじゃないですか。 折しも秋、いましもミステリ

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