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読書とこまごま日記

 お久しぶりです。4ヶ月ぶりの投稿です。新年度の忙しさにかまけていたら書くことからとんと離れてしまって、今後投稿することあるかなあアカウントどうしようかなあ、なんて考えすら過ったりしていたのですが、書きたい気持ちがようやくふつふつ湧いてきました。そうやって停滞しているうちに、noteを始めて3年が経ちました。

 リハビリを兼ねて、お休み期間に読んだ本と日々のこまごまとしたことを書きます。ほんとうは3年記念の記事を書ければよかったのだけどな。どんなスタンスで記事を書いていたか、どうやってテーマを決めていたのか、記憶がずいぶん朧げになってしまいました。勘を取り戻したらいつかまた書こう。


読んだ本

冬期限定ボンボンショコラ事件

 敬愛する米澤穂信さんの最新刊にして、小市民シリーズの最終話。読み始めた頃は年上だった小鳩くんたちが、10も年下になってしまった。
 当時は小鳩くんに良い印象がなくて(周りを小馬鹿にするいけ好かないやつだなあと思ってた)。『氷菓』の折木は朴念仁に見えるけれども、おそらく無意識に他者を尊重するひとなので、勝手に彼と比べていたのかも。とにかく小鳩くんのことはあんまり好きじゃなかった。それが、それがですね、今作ではもう、彼の思慮深さと優しさに、何度も胸がぎゅーーーんと詰まった……。小鳩くん成長したのね。大人になったのね。大学生編が読みたくてたまらない。小佐内さんを追いかける小鳩くんを見たくてたまらない!

 米澤作品の高校生はそれぞれが独自の哲学をもっていて、精神的に大人びているなあとつくづく感じる。リアルタイムで読んだ時は(なんでそんなことにこだわるんだろう……?)と腑に落ちない部分もたくさんあった。それが10年経った今、改めて読み返してみると、胸を衝かれたり思いがけず深く共感したりしている。折木の省エネ主義とかね。「長い休日」(『いまさら翼といわれても』収録)を読んで、当時はふうん、で終わっていたのが、今読むとめちゃめちゃ共感したりとか(そうだよね、他人の都合のいいように使われたくないよね!)。米澤作品、これまでもこれからも、いつまでも大好き。少しずつ全著作集めて本棚を作るつもりでいる。

 そういえば、3年前にnoteを始めたきっかけも米澤作品だった。「玉野五十鈴の誉れ」(『儚い羊たちの祝宴』収録)が好きで好きで、溢れる愛を語りたくて投稿したのが始まりだった。今、夫が読んでいます。初めて読む彼が羨ましくて仕方ないな。あの感動を一から味わえるなんて!


グリフィスの傷

 「傷」にまつわる千早茜さんの短編集。個人的に、作中に突然現れる性描写が苦手なのだけれど(ぞわぞわして腕とか背筋に鳥肌が立つ)、千早さんの描写は全くそれがなくて、むしろうっとりしちゃう。官能的で、胸が詰まって、ぞっとして……、読み終わった後もしばらく余韻に浸っていた。
 千早さん、流れるような文章がたいへんに心地よいのです。「わるたべ」エッセイもおすすめ↓


ランナー

 あさのあつこさんの陸上シリーズ。『ランナー』『レーン』『スパイクス』『ラストラン』までひといきに読んだ。『ランナー』、中学時代に初めて読んで、ものすごく衝撃を受けたのだった。幼い妹を守ろうとする碧李がかっこよくて、虐げられても母を求める杏樹がいじらしくて。けれども大人になった今、う〜〜〜ん!と煮え切らない感情がざらりと残るようになってしまった。まだまだ子どもでいていい碧李が背負わざるをえなかったものが大きすぎて。この先の杏樹に落とされるであろう影が暗すぎて。杏樹が母に甘えられるようになって終わり、じゃあまりにも酷じゃなかろうか(必ずしもそういう描き方をしていないとはいえ)。杏樹にも母にも、なんらかの介入が必要だったんじゃなかろうか。そもそもクマ先生、あそこで帰しちゃだめだよ第三者が介入するチャンスだったのに、などとひとり悶々とした。

 ……と、ここまで書いて我に返り、反省しました。そもそものそもそもとして、フィクションにこうして突っ込むのがよくないなって。刊行当時の社会背景や制度を知らない私が知ったふうな顔をして物申すなんて、ただの頭でっかちだ。


成瀬は天下をとりにいく

 本屋大賞で絶賛されていたので、気になって読んだ1冊。ふとした瞬間の成瀬の発言が面白くて、何度もふふっと笑ってしまった。みゆきちゃんがめちゃめちゃ良い子だった。私が大津市民だったらもっと楽しく読めたのだろうなあ。
 私は幼稚園児の頃から引越しばかりで、地元と呼べる場所がない。作中に溢れる郷土愛がちょっぴり羨ましかった。


こまごまとしたこと

季節の花を愛でる

 夫に車を出してもらい桜を見に行った。霞がかった空に咲きかけの桜、上着が手放せないほど肌寒くはあったけれど、かすかに春の匂いがした。

 ゴミ出しのついでにちょっと足を伸ばして、近所の公園へ。一本だけ植っている桜がそれはそれは見事なのだった。会社帰りのサラリーマンが缶ビール片手に夜桜を眺めていたりして、いいなあと思う。

 職場の先輩とお花見へ。レジャーシートを広げておにぎりを食べ、ポテチを開け、ビールを飲んだ。結局のところ花より団子な私たち。


薔薇

ハーフのフィルムカメラで撮りました

神代植物園にて。薔薇園を巡ったあとにベンチに座り、ひたすらぼーっとして過ごした。至福の時間。


紫陽花

 夫と妹と鎌倉までドライブ。たくさん喋ってたくさん食べてたくさん笑って、心の底から楽しかった。いつか旅行記を書きたいなあ。

 ちまちま撮った写真をInstagramに載せていますので、よろしければご覧ください。


断薬日記

 ずっとお世話になっていた、落ち込みを和らげる薬をまるっきり辞めることになった。辞めると言っても3回目だけれども。

2020.秋 初めて処方
2022.夏 断薬
2023.春 2回目の処方
2023.秋 断薬
2023.冬 再開+倍増
2024.春 減薬
2024.夏 断薬

 飲まなくなって2週間ほど経つ。いちばんの変化は、感受性が過敏になったような気がすること。
 薬が効いている間って、ビニール製の防護服を着ているような感覚で、刺激(嫌なこと)に対して鈍感になる。だから受け流したり、忘れたりできるようになる。薬を倍増したときは特にそれが顕著で、休日は仕事のことをまったくと言っていいほど思い出さなかったし、変に楽観的になって金遣いが荒くなったりもした。先生によると、私はこの薬が効きやすいらしい。体質に合っているのだろうと。

 でもやっぱり飲まないに越したことはないとのことで、徐々に量を減らし、辞めた。そうしたらもう、些細なことが気になる気になる。ビニール製の防護服どころか下着すら脱ぎ捨てて、素っ裸でいるような感覚。刺激が痛い。嫌なことがあればずうっと考えてしまうし、疲れにどっぷり浸かってしまう。

 だから私は、薬に代わるビニール製の防護服を見つけなきゃならないと思っている。そのひとつが、書くこと。日記を書いて、負の感情も含めて吐き出して、いったん手放すこと。嬉しかったことやありがたかったことを言語化して再認識して、自分の状況を肯定すること。それが習慣になれば、自分で自分を沈めることもなくなっていくかもしれないな。


 ごちゃごちゃと書き散らしてしまいました。最後まで読んでくださりありがとうございました。
 noterのみなさま、いつもありがとうございます。4年目もよろしくお願いします💐


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