昨日、取り上げた脇見恐怖(視線恐怖症の一種)に対する自分なりの対応策をまとめてみた。 視線恐怖と言われると、「他人と目を合わせられない人」というようなイメージを持たれるかもしれないが、私の場合は、他人と目を合わせること自体は特にストレスにならない。むしろ、誰かと一対一で会話するような場面は、相手の目を見て話すべきだという前提があるので、かえって楽だったりする。どれだけ相手の目を見ても問題がないから、そこに視線を注視すればいいという安心感があるからだ。 私の場合、相手に視線
中学2年生の頃から、教室の席に座って、正面を向いて黒板の板書を見るのが苦手になった。 非常に見づらくなったのだ。 視力そのものが低下したわけではない(眼鏡を掛けだしたのは大学生になってから)。 黒板を見ようと前を見たときに視界に入る、両隣の席の同級生の視線が気になるようになったからだ。 私自身はノートを取るために板書に視点を集中させたいのに、なぜか横にいる人間の視線(というより、人間の目そのもの)が気になってしまい、そっちのほうに自分の視線が行ってしまっていると感じる。
「発達障害大全」(黒坂真由子著、日経BP) 発達障害の子どもを持つ編集者・ライターが、専門家や当事者に取材した内容と、取材を経て当事者家族の立場である筆者が大事だと思ったトピックを検討し、解説したもの。「大全」と名づけるにふさわしい分厚さと、中身の詰まった一冊でした。
双極性障害(Ⅱ型)を患って12年、来週には誕生日が来て30代後半に足を踏み入れることになる。 これを転機に、というわけではないが、この度いわゆる「障害者手帳」を申請することに決めた。 正確には「精神障害者保健福祉手帳」。 事前に調べてみて、私の場合は「3級」相当なんだろうな、と思って、先日かかりつけの心療内科医(精神科も標榜)に相談したら、案の定「そうなるね」。 私の場合、この12年間で無職だった時期もあるが、体調が良かったときは安定してアルバイトができていたし、現在の
【芥川賞受賞作『バリ山行』の感想文。 産経新聞のビブリオエッセーにも採用されたが、応募原稿と、産経の担当者が手直しした決定稿とは細かな違いがあり、どういう表現を直して、また付け加えたりしたら良い文章になるか、他者の視点を取り入れてもらえるので文章を推敲する上で参考になった。 明日、久しぶりに六甲山最高峰へボッチ山行するつもり。もちろん『バリ山行』をリュックに詰めて。山中の人けのない場所で本を読むのがめっちゃ好きなのよね】 <応募時の原文> 山に登るとき、いつも登山道か
駅前のトーホーが九月に閉店するらしい。 「俺な、この夏をトーホーに捧げようと思っとんねん」 夏休み前の放課後の教室で、居残る山田がそんなことを言いだした。 受験生になるのはまだ来年とはいえ、クラスメイトの中には、休み中に大学のオープンキャンパスに行くとか、塾の夏期講習の申し込み期限が近いとか話している子もいた。 山田はヒマなんだな。 そして口調が軽く芝居がかっていたから、たぶんまた何かの小説の一節をトレースしてるんだろう。訊くと、なんちゃらが天下を取るとかどうとかい
初めて酸欠少女・さユりさんの曲に触れたのは2015年の夏のこと。 同年の夏クールで放送していたアニメ『乱歩奇譚 Game of Laplace』のエンディングとして流れていたのを耳にした。 『乱歩奇譚』は2015年7月に没後50年を迎える作家・江戸川乱歩の作品群を原案とし、設定を現代に移したオリジナルアニメ作品だ(Wikipediaより)。 新卒で就職した公務員職を、1年1か月の病気休職(当時、提出した診断書面の診断名は「うつ状態」となっていた)の果てに退職し、無職だった
大学生になって下宿を始めた頃からテレビドラマはほとんど見ていない。 ネットや携帯電話、スマホばかり利用するようになって、テレビから離れた時期と一致している。 今でもたまにテレビで見るのは、野球中継かアニメくらい。 それくらい、好みが偏っているのだが、精神科医が主人公で、「双極症(双極性障害)」がモチーフになる話数と事前に知って、興味を持ったので見てみた。 通してみて感じたのが、ドラマとはいえ、なかなかに双極性障害のリアルに迫っているな、ということ。 主人公は系列店のラー
1週間遅れの第5話雑感。 『夏期限定トロピカルパフェ事件』のまえに、食前酒ならぬ食前菓子・伯林あげぱん(ベルリーナー・プファンクーヘン)にまつわる謎解き。 冒頭で涙を流す小佐内さん。 それはあたかも、失恋した可憐な少女の隠しきれなかった嗚咽のようで――。 それを見て、初手で「また生徒指導室に呼び出されたの?」とにべもない声を掛ける小鳩くん。 まあ小鳩くんだからしゃーない。 そして、小佐内さんが恋煩いの涙を流すような物語ではないことは、『小市民シリーズ』を見続けていたら
大学を卒業して、公務員になって半年たった2012年9月、私は首を吊って自殺しようとした。 いや、自殺未遂というほど決定的なことはしていないので、あくまで希死念慮の延長線上の行為を言っていい。 職場から1キロほど離れたアパートで一人暮らし。 誰も声を掛けてくれるひとのいない一室の、クローゼットのハンガー掛けに、ホームセンターで買ったロープを掛け、何度も首に巻いて、死のう死のうと念じ続けた夜。 朝方になり、結局踏ん切りがつかず、死ねなかった自分が情けなくなったというか、ごち
1週間空いて放送された第4話。 今更ながら雑感です。 今回は『春期限定いちごタルト事件』の解決編。 小佐内ゆきが封印したはずの狼の心を以てして、自分に害をなした男子生徒に対して恨みを晴らそうと画策している。 それを阻止するために、狐の心を以てして、かつてのように探偵役に徹した小鳩常悟朗が、堂島健吾とともに事件の真相を推理する。 推理の核心に関してはまあネタバレになるので、サラッと感じたところを列挙してみる。 ・車道を隔てて自転車をかっ飛ばしていた男子生徒の自転車かご