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2019年5月の記事一覧
東十条の鳥籠(後編)
「……ホンマに?」
Kさんが亡くなった。
アフロ君があまりににこやかに、さらっと言うものだから、思わず聞き返してしまった。いつもの冗談かと思ったわけではない。そういう冗談を言わないことは、よく知っている。
「ホンマよ」
「いつ?」
「去年の暮れやったかな。そう12月の、29日。その日の昼間にもKさんと普通に電話してて、その時は普通に、元気そうやってんけど」
窓のすぐ外を、この界隈の住人だ
東十条の鳥籠(前編)
「ただいま、王子〜東十条間の踏切で非常停止ボタンが押されたため、安全確認を行っており……」
都内を北へとすすむその電車に乗っていた私は、目的地の手前、まさにその王子駅で足止めをくってしまった。
今日は、とある楽器製作兼修理のエキスパートである友人のところに、うちのバンマスが楽器を預けに行くというので、それについていくことになっていた。
13:00待ち合わせ。オンタイムに着く予定だった電車は
その手から、きみ自身をはなすな。社会人1年目の私へ
さて、何から話そうか。
社会人一年目。それがいくつの時を指すのか未だに迷ってしまう。
きみは就活もしていないし、それどころか大学も卒業することなく、卒業アルバムも友達も成人式もぜんぶ捨てて、身一つで『外』の世界へ飛び出したのだったね。
それを「社会人一年目」と言うのかわからないけれど。
実際は、とんでもなく未熟で、無謀で、そのわりに希望に燃えていたわけでもなかった。
きみの社会人
半失業することになった話。
下書きをためておけない(それでも30くらいは、書きかけがあるが)。
書き上がったものはもう、すぐに出してしまわないと、一瞬後にまた事件がおきてそれどころじゃなくなることがあるのだ。それも、けっこう頻繁に。
さながら、コナン君が翌週には次の殺人に巻き込まれるみたいに、翌日には状況がガラッと変わっている。
考えようによっては逆なのかもしれない。これは、書いているからこそ変化に気づくことができ