中田剛/職業的俳人/フリーのカルチャースクール講師

現役サラリーマン時代ずっと二足の草鞋(サラリーマンと俳人)。準高齢者(2022年)とな…

中田剛/職業的俳人/フリーのカルチャースクール講師

現役サラリーマン時代ずっと二足の草鞋(サラリーマンと俳人)。準高齢者(2022年)となったいま、年金(公的・企業)を受給し職業的俳人で+αを稼ぐ。カルチャースクール講師歴18年。関西で18教室運営。時折、講演会講師も。商業出版(単・共著)、新聞・商業専門誌への執筆多数。

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記事一覧

定年後フリーランス☆定年前後のおじさん、おばさんの集う或るコミュニティをちょっと覗いてからの感想

 去年(二〇ニ三年)後半のほんの二ケ月ほど、定年前後のおじさん、おばさんの集う或るコミュニティを覗いた。目的は、定年前後(五〇代後半から六〇代前半あたり)のおじさん…

定年後フリーランス☆老境期に入った私が考えるコスト

 年を取ってくるとまず免れ難く身体が劣化してくる。六〇歳、六十五歳と進むごとに劣化の度合いははっきりとしてくる。それに伴い外からのストレスにも弱くなる。若い頃は…

定年後フリーランス☆仕事のさまざまなリアルな記録(2)

 「俳句」2024年3月号に作品十二句(表題〈黒白〉)を発表した。毎年、数本ほど商業専門雑誌には作品なり文章なりを寄稿はするが。この分野(詩歌)で最もメジャーな商業専門…

趣味をマネタイズするということについて(4)☆プロとアマチュアの壁、あるいは境界

 〈趣味が高じて仕事になった〉という言い方がある。じっさいスポーツ、芸術をはじめとして、多くのひとびとが趣味として楽しむさまざまな分野において、アマチュアでやっ…

蟻と豆腐 第2号(2024年3月14日発行)

初夢の/中田剛 雨脚のつよき時雨となりきたる 冬の空端切れのやうな虹なると ひたひたとひたひたと猫底冷えを しぐるるや昼間はくらき豆腐店 寒暁鴉が騒ぎ立ててゐる 正月…

講師から見た〈良いカルチャースクール(運営会社)〉とは

 複数のカルチャースクールで長年にわたり講師をやってきた私から見た、〈好ましいカルチャースクール(運営会社)〉について若干、記述したい。 断っておくが、あくまで私…

定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(3)

 フリーランス仕事の〈頻度〉と〈連続〉を確保して、加えて〈一案件あたりの取引金額〉のボリュームをも考えるにあたっては、それぞれ仕事との相性の合う合わないがあるだ…

定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(2)

 前回(趣味をマネタイズするということについて(1))に引き続き、その実現要件であるところの〈頻度〉ならびに〈連続性〉とは具体的にどういうことかについて、私のここま…

定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(1)

まず最初に、「趣味と実益を兼ねて」という言い方をよくするが、まっとうに「趣味をマネタイズする(お金にする)」観点からするといささかの違和がある。「趣味をマネタイズ…

定年後フリーランス☆〈棚卸し〉とか〈強み〉とか何ですかそれ?

定年前後、再就職するとかフリーランス(個人事業主)になるとかいった際の話ですが。 〈棚卸し〉とか自分の〈強み〉の把握とか、昨今の巷では耳にタコができるほどよく聞く…

定年後フリーランス☆フリーランスはふつう営業などしませんよ。

まったくのひとり商売、あるいはひとり社長の法人を前提としての話ですが、本業、副業問わずふつう(まっとうな)フリーランスは、自分から営業をかけて仕事など取りませんよ…

定年後フリーランス☆仕事のさまざまなリアルな記録(1)

 2023年12月第2周目の日曜日、某公共放送系大手カルチャースクールでの月例講座(俳句)終了後、講座運営担当の女性から珍しくちょっと話があるということであった。  ここ…

蟻と豆腐 創刊号(2023年12月4日発行)

阿修羅愁眉/中田剛 阿修羅像愁眉の秋も深まりぬ 冬初め猿沢の池亀鳴かず 冬めける若草山に登りたし 秋深し伏兎饅頭を虫養ひ 南都いま柿に色さすまほらなる 頷きて寄り来る…

蟻と豆腐 準備号(2023年11月21日発行)    

「蟻と豆腐」は、私(中田剛)が編集・発行する俳句とエッセイの、会員制WEBマガジンであります。 私(中田剛)の俳人としてのキャリアについては、wikipediaに掲載されており…

カルチャースクール講師のリアル☆ここまでの体験から

1.この話の前提 ・趣味系(俳句)講座の講師である。 ・サラリーマン時代は給与+α、年金受給者となってからは年金(公的・企業)+α、の+α部分 を稼ぐ認識である。 2.…

定年後フリーランス☆シンポジウム等への登壇

 サラリーマンとの二足の草鞋(昨今の巷で言われるところのパラレルワーク)を履いていた時期、とりわけ三十代・四十代の血の気が多く元気な頃は、パネルディスカッション…

定年後フリーランス☆定年前後のおじさん、おばさんの集う或るコミュニティをちょっと覗いてからの感想

定年後フリーランス☆定年前後のおじさん、おばさんの集う或るコミュニティをちょっと覗いてからの感想

 去年(二〇ニ三年)後半のほんの二ケ月ほど、定年前後のおじさん、おばさんの集う或るコミュニティを覗いた。目的は、定年前後(五〇代後半から六〇代前半あたり)のおじさん、おばさんの生態をいちどじかに把握してみたかったから。生態を把握するにはいったん入会しなければならない。入会金が13000円で月会費が1500円。ずっと居るぶんにはよいが、ちょっと覗くだけのものにとっては、まずまずの金額。でも体感したい

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定年後フリーランス☆老境期に入った私が考えるコスト

定年後フリーランス☆老境期に入った私が考えるコスト

 年を取ってくるとまず免れ難く身体が劣化してくる。六〇歳、六十五歳と進むごとに劣化の度合いははっきりとしてくる。それに伴い外からのストレスにも弱くなる。若い頃は、何でもなかったこと、少々の無理がきいたことがしんどくなり耐え難くなる。雇われるにしてもフリーランスでやるにしても、老境期(六〇歳が目処か)に入ってからの仕事については、身体と心への負担は自らがかぶるコストと考えるべきである、と老境期に入っ

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定年後フリーランス☆仕事のさまざまなリアルな記録(2)

定年後フリーランス☆仕事のさまざまなリアルな記録(2)

 「俳句」2024年3月号に作品十二句(表題〈黒白〉)を発表した。毎年、数本ほど商業専門雑誌には作品なり文章なりを寄稿はするが。この分野(詩歌)で最もメジャーな商業専門雑誌への作品発表は久しぶり。この前はいつの発表だったか忘れたが、2年近く前だったと記憶している。現在の月刊総合俳句雑誌「俳句」の発行元は角川文化振興財団だが実質はKADOKAWA。商業出版社の発行する定期刊行の俳句雑誌はあと数冊ある

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趣味をマネタイズするということについて(4)☆プロとアマチュアの壁、あるいは境界

趣味をマネタイズするということについて(4)☆プロとアマチュアの壁、あるいは境界

 〈趣味が高じて仕事になった〉という言い方がある。じっさいスポーツ、芸術をはじめとして、多くのひとびとが趣味として楽しむさまざまな分野において、アマチュアでやっていたひとが途中からプロフェッショナルになることはよくある。それをときに〈趣味が高じて仕事になった〉と言うが、この言い方はよく注意をして受け取ったほうがよい。趣味(アマチュア)の延長に、有償で持続する仕事(プロ)が高い確率で自然と待っている

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蟻と豆腐 第2号(2024年3月14日発行)

蟻と豆腐 第2号(2024年3月14日発行)

初夢の/中田剛
雨脚のつよき時雨となりきたる
冬の空端切れのやうな虹なると
ひたひたとひたひたと猫底冷えを
しぐるるや昼間はくらき豆腐店
寒暁鴉が騒ぎ立ててゐる
正月を鴉は鴉だけで居る
轟轟と松わたる風初夢の
真冬とてバナナの皮は黒ずみぬ
残りたる餅ことごとく安倍川に
冬晴や乾布摩擦ひさしぶり
そこいらぢゆう元気に蒲団叩く音
鳰まんまるまなこ瞬かず
こんこんと落葉の底にねむる猫
くさむらに猫吐きか

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講師から見た〈良いカルチャースクール(運営会社)〉とは

講師から見た〈良いカルチャースクール(運営会社)〉とは

 複数のカルチャースクールで長年にわたり講師をやってきた私から見た、〈好ましいカルチャースクール(運営会社)〉について若干、記述したい。
断っておくが、あくまで私に限ってのもので、多分に独断と偏見が含まれている。

1.カルチャースクール事業を主要事業、ないしは重点事業としている

ここがすべての事に関わってくるポイントである。カルチャースクール運営を事業の主体としているところは、気合いの入れ方が

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定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(3)

定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(3)

 フリーランス仕事の〈頻度〉と〈連続〉を確保して、加えて〈一案件あたりの取引金額〉のボリュームをも考えるにあたっては、それぞれ仕事との相性の合う合わないがあるだろう。私に限れば、発注者と受注者をつなぐ場を利用しての案件獲得はまったく駄目である。具体的にはストアカとビザスクとココナラとワッカス(趣味なび)。もう随分と前(いちばん古いので7、8年前)に役務提供者側の登録をしたが、まだ1件も成約、役務提

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定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(2)

定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(2)

 前回(趣味をマネタイズするということについて(1))に引き続き、その実現要件であるところの〈頻度〉ならびに〈連続性〉とは具体的にどういうことかについて、私のここまでの経験に基づいて記述してみたい。

私は現在、フリーでカルチャースクールの講師をやっている。この仕事が私のフリーランスとしての表向きの軸の仕事となっている。ちなみにここでフリーというのは、特定のカルチャースクールに拘束されずに複数のス

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定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(1)

定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(1)

まず最初に、「趣味と実益を兼ねて」という言い方をよくするが、まっとうに「趣味をマネタイズする(お金にする)」観点からするといささかの違和がある。「趣味をマネタイズする」を言い換えると、「世間の大多数のひとが趣味としていることを仕事として取り組み、お金をいただく」になる。「趣味と実益を兼ねて」とはだいぶ違う。「趣味と実益を兼ねて」は、楽しんで気儘に続けていた事が、図らずもお金になった、という感じ。か

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定年後フリーランス☆〈棚卸し〉とか〈強み〉とか何ですかそれ?

定年後フリーランス☆〈棚卸し〉とか〈強み〉とか何ですかそれ?

定年前後、再就職するとかフリーランス(個人事業主)になるとかいった際の話ですが。

〈棚卸し〉とか自分の〈強み〉の把握とか、昨今の巷では耳にタコができるほどよく聞く言葉ですが、あられもなく端的に言ってしまうと、それらに費やす行動(時間)、大方のひとにとってほぼ意味ないですよ。たとえばとくに再就職の場合、職務経歴書を書いたり面接したりの〈通過儀式〉にはどうしても必要な作業なのでしょうが。

〈棚卸し

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定年後フリーランス☆フリーランスはふつう営業などしませんよ。

定年後フリーランス☆フリーランスはふつう営業などしませんよ。

まったくのひとり商売、あるいはひとり社長の法人を前提としての話ですが、本業、副業問わずふつう(まっとうな)フリーランスは、自分から営業をかけて仕事など取りませんよ。

向う(お客さん)から具体的な仕事の話があって、それを踏まえてのこちらからの+αの肉付けの提案や派生する仕事の提案はあります。それを〈営業〉と呼ぶならば呼べなくもありませんが、まず向うからの引合いが契機になるのがふつうです。

仕事は

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定年後フリーランス☆仕事のさまざまなリアルな記録(1)

定年後フリーランス☆仕事のさまざまなリアルな記録(1)

 2023年12月第2周目の日曜日、某公共放送系大手カルチャースクールでの月例講座(俳句)終了後、講座運営担当の女性から珍しくちょっと話があるということであった。
 ここ1、2年、ぽつぽつと受講者が減ってきていて、自分の肌感覚で言うと首の皮いちまいで辛うじてつながっているような状況だったゆえ、ああついに今期(2023年10月〜2024年3月)で講師委嘱契約解除かと暗く重くれた気分になったのだが違っ

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蟻と豆腐 創刊号(2023年12月4日発行)

蟻と豆腐 創刊号(2023年12月4日発行)

阿修羅愁眉/中田剛
阿修羅像愁眉の秋も深まりぬ
冬初め猿沢の池亀鳴かず
冬めける若草山に登りたし
秋深し伏兎饅頭を虫養ひ
南都いま柿に色さすまほらなる
頷きて寄り来る鹿に後ずさる

巨椋池雑記/中田剛
11月の半ば、だいぶ冬らしくなった昼下がりの奈良市街をぶらぶらと。或る俳句教室に来ていただいている受講者さんおふたりと吟行。といっても純粋な趣味で。こういうのが気を使わずいちばんたのしい。昼めしにO

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蟻と豆腐 準備号(2023年11月21日発行)    

蟻と豆腐 準備号(2023年11月21日発行)    

「蟻と豆腐」は、私(中田剛)が編集・発行する俳句とエッセイの、会員制WEBマガジンであります。

私(中田剛)の俳人としてのキャリアについては、wikipediaに掲載されておりますので、興味がおありの方はご確認ください。

「蟻と豆腐」というマガジン名は、私が大好きなもののうちの二つから取っています。

発行タイミングは不定期ですが、じっさいは最低、月1回発行を死守するつもりです。臨時号として、

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カルチャースクール講師のリアル☆ここまでの体験から

カルチャースクール講師のリアル☆ここまでの体験から

1.この話の前提
・趣味系(俳句)講座の講師である。
・サラリーマン時代は給与+α、年金受給者となってからは年金(公的・企業)+α、の+α部分 を稼ぐ認識である。

2.カルチャースクールビジネスとは
・付加価値をつけた部屋を受講者へ時間貸
・講師からのテナント料(時間貸)徴収
・講座から派生するイベントの企画・運営
・講師が教室で販売する書籍等からのいくばくかの徴収

3.契約
・契約形態は業務

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定年後フリーランス☆シンポジウム等への登壇

定年後フリーランス☆シンポジウム等への登壇

 サラリーマンとの二足の草鞋(昨今の巷で言われるところのパラレルワーク)を履いていた時期、とりわけ三十代・四十代の血の気が多く元気な頃は、パネルディスカッション登壇の依頼がちょくちょく入ってきた。若い頃は評論もどきの、いたずらに好戦的な理屈っぽい文章を各所に書き散らしていたから、こいつを入れたらおもしろくなりそう、と考えた奇特なひともいたようだ。

いちばん最初のパネルディスカッションは、1990

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