見出し画像

定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(1)

まず最初に、「趣味と実益を兼ねて」という言い方をよくするが、まっとうに「趣味をマネタイズする(お金にする)」観点からするといささかの違和がある。「趣味をマネタイズする」を言い換えると、「世間の大多数のひとが趣味としていることを仕事として取り組み、お金をいただく」になる。「趣味と実益を兼ねて」とはだいぶ違う。「趣味と実益を兼ねて」は、楽しんで気儘に続けていた事が、図らずもお金になった、という感じ。かたや「趣味をマネタイズする」は、端から巷のひとびとが趣味として楽しんでいる事を、お金に替えようと目論む。もちろん最初は無心に趣味として楽しんでいた事が予期せずお金になり、驚いていたらまたお金になり、また驚いていたらまたまたお金になって、これはいけるかもしれぬとにわかに色気が出て、あるところから真剣に趣味をマネタイズしだすことはありうるが。

「趣味と実益を兼ねて」と「趣味をマネタイズする」の違いは、その〈頻度〉と〈連続性〉ともうひとつ〈得られるお金のボリューム〉である。「趣味」においては多くが〈個人〉がお客さんになるから、サービスや商品提供のつど〈得られるお金のボリューム〉はさほど大きくはない。それからその種類にもよるだろうが「趣味」の市場は概ね小さい。「趣味」を持っているひとイコール「趣味」にお金を使ってくれるひと(つまり市場を形成するひと)とはならない。ここはよく勘違いするところである。ただ富裕層のひとで「趣味」に対して鷹揚にお金を使ってくれるひとは存在することはする。だがそういった富裕層のひとに出会う機会は少ない。たまたま幸運にも富裕層のひとを複数人、お客さんに持てた場合は〈得られるお金のボリューム〉はかなり大きくなるが、そのような状況になることは例外の範疇である。ゆえにその他大勢の趣味人を相手にすることを前提としてマネタイズしようとするならば〈頻度〉と〈連続性〉は必要となってくる。

さらにそのさき「趣味をマネタイズする」ことを〈メシを食う〉つまり生業にするところまでもってゆくのは、またひとつ次元の違った話になってくる。世間では「今までやってきた趣味を収入につなげては」などと気軽に書いたり喋ったりしているフィナンシャルプランナーの類がいるが甘い甘い。大甘だ。その軽口にのってちょっと長く続けてきた「趣味」でそれなりにかたまった収入を得ようとするひとをちょくちょく見掛けるが、ごく少数の例外を除いては思い描いていたようにはならない。当たり前と言えば当たり前のことだ。どんな「趣味」でも若い(幼少の)頃から、性根を入れて志を立ててど真剣に打ち込んで実績をあげてきた、いわば〈マジガチ〉のひとが相応数存在するからだ。それらの技倆も見識も卓越したひとたちが「趣味」の市場(つまり趣味ビジネス)を押さえている。もちろんその水準にまで到達しているひとは一握りあるいは一抓みであるが、もとよりさほど大きくはないニッチな「趣味」市場のオイシイところをがっちり押さえている。ここへ多少本格的にやった程度のひとが食い込むのは至難だ。「趣味がたまにお金になれば」程度ならば比較的実現可能だろうが。

次回は趣味をマネタイズするにあたっての〈頻度〉と〈連続性〉について、自分のここまでのさまざまな経験(失敗を含めた)を踏まえて記述したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?