中田剛/職業的俳人/フリーのカルチャースクール講師

現役サラリーマン時代ずっと二足の草鞋(銀行員と俳人)。準高齢者(2022年)となって以…

中田剛/職業的俳人/フリーのカルチャースクール講師

現役サラリーマン時代ずっと二足の草鞋(銀行員と俳人)。準高齢者(2022年)となって以降、年金(公的・企業)を受給し、職業的俳人で+αを稼ぐ。カルチャースクール講師歴18年。関西で18教室運営。時折、講演会講師も。商業出版(単・共著)あり。新聞・商業専門誌等への執筆多数。

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最近の記事

「趣味をマネタイズする」という安直さについて

ちょと前に「趣味をマネタイズしようとする際によく勘違いすること」と題する文章を記述していてふと思ったことがあるので記述しておきたい。 今回の文章の表題〈「趣味をマネタイズする」という安直さについて〉を見て「そういうおまえも趣味をマネタイズしているではないか」と突っ込みを入れる向きもあるだろう。たしかにかなりはやいうち(二〇歳)に、当時はまだ純粋に趣味として楽しんでいた俳句で図らずもお金が入ってきた。ただそれはたまたま結果として銭金になったにすぎない。銭金になったとき予想して

    • 定年後フリーランス☆趣味をマネタイズしようとする際によく勘違いすること

       私は俳句をマネタイズしている。もう少し正確に言うと〈俳句を趣味として楽しんでいるひとたち〉をマネタイズ対象としている。〈趣味〉が初めてお金になってからもうかれこれ四十七年になる。そんな私からすると〈趣味〉をマネタイズする、延いては〈趣味〉で或る程度の収入を安定的に得続けるのは想像以上に、否想像を絶して難しい。只今現在も試行錯誤、悪戦苦闘中である。  〈趣味〉をマネタイズしようとするならば、「◯◯を趣味にしています」という言い方には気を付けたほうがよい。つまり「◯◯を趣味に

      • 定年後フリーランス☆カルチャースクール講師のさまざまなリアル(1)

         ここまで「定年後フリーランス☆仕事のさまざまなリアルな記録」と題して、2回ほど記述した。〈仕事の〉としたのはフリーランスとしての主な仕事であるカルチャースクール講師以外の仕事、たとえば文筆、出版支援、講演会講師等々もやっていたから。ただ仕事の質・量は、カルチャースクール講師が圧倒的に多い。そのようなことで、今般、カルチャースクール講師にまつわるさまざまな出来事だけ別に切り出して、「定年後フリーランス☆カルチャースクール講師のさまざまなリアル」として記述することにした。「定年

        • カルチャースクール講師を仕事にするにあたってのマインド・留意点など

          平成18年(2006年)4月から、趣味系(俳句)のカルチャースクール講師をやるようになって、今年(2024年)4月で19年目に入った。全国展開の大手から地域密着の中小まで、五つのカルチャースクール運営会社と業務委託契約を結び、18教室を場として、少なく見積もっても総講義時間が2000時間、受講者(お客さん)が延べ5000人程となった。そんなこともあり中間報告として、ここまでのさまざまな体験を踏まえて、カルチャースクール講師を仕事とするにあたってのマインド、留意点等を少し書き留

        「趣味をマネタイズする」という安直さについて

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        • 蟻と豆腐
          3本

        記事

          〈その他大勢〉のひとはフリーランス一本でやってゆくのは止めたほうがよい。

           表題の視点についは、ここまでマスメディアやオウンドメディアでちょくちょく見かけてきたから今更かもしれない。ダメ押しながら、私自身の体験的実感から少し書いておきたい。 当該記事は、〈その他大勢〉のひとに向けてのものである。因みに〈その他大勢〉とは、〈選ばれしひとびと〉以外のひとびと全てである。〈選ばれしひとびと〉を分かりやすく言うと世間一般に認知された〈著名人〉である。さもなくば〈天才〉か〈天才的〉なひと。 〈その他大勢〉のひとが、フリーランス(ひとり商売)ただ一本きりで

          〈その他大勢〉のひとはフリーランス一本でやってゆくのは止めたほうがよい。

          定年後フリーランス☆経歴・実績の虚構・虚像

           あらゆるモノやコトは記述された時点で虚構の色を帯びる。宿命的に。虚構を差し入れる意図がなくとも。記述した者の主観がどうしてもそこに入るから。記述されたものが虚構の色を帯びるのは紙媒体もデジタルも同じだが、デジタル(インターネット)上の記述は、より濃く虚構の色を帯びる印象がある。ビジネスに限らず、人間いろいろなことを経験してきたら、記述されたものから何割かは割り引くものだが、まともに読んで額面通り受け取るひともそこそこいるみたいだから、経歴や実績の記述の虚構をなるべく除けて、

          定年後フリーランス☆経歴・実績の虚構・虚像

          定年後フリーランス☆定年前後のおじさん、おばさんの集う或るコミュニティをちょっと覗いてからの感想

           去年(二〇ニ三年)後半のほんの二ケ月ほど、定年前後のおじさん、おばさんの集う或るコミュニティを覗いた。目的は、定年前後(五〇代後半から六〇代前半あたり)のおじさん、おばさんの生態をいちどじかに把握してみたかったから。生態を把握するにはいったん入会しなければならない。入会金が13000円で月会費が1500円。ずっと居るぶんにはよいが、ちょっと覗くだけのものにとっては、まずまずの金額。でも体感したいと思っていたことが概ね体感できたので無駄な支出ではなかった。このコミュニティを覗

          定年後フリーランス☆定年前後のおじさん、おばさんの集う或るコミュニティをちょっと覗いてからの感想

          定年後フリーランス☆老境期に入った私が考えるコスト

           年を取ってくるとまず免れ難く身体が劣化してくる。六〇歳、六十五歳と進むごとに劣化の度合いははっきりとしてくる。それに伴い外からのストレスにも弱くなる。若い頃は、何でもなかったこと、少々の無理がきいたことがしんどくなり耐え難くなる。雇われるにしてもフリーランスでやるにしても、老境期(六〇歳が目処か)に入ってからの仕事については、身体と心への負担は自らがかぶるコストと考えるべきである、と老境期に入った私は思う。 もちろんそのコストは〈(自分自身が負担する)見えないコスト〉、即

          定年後フリーランス☆老境期に入った私が考えるコスト

          定年後フリーランス☆仕事のさまざまなリアルな記録(2)

           「俳句」2024年3月号に作品十二句(表題〈黒白〉)を発表した。毎年、数本ほど商業専門雑誌には作品なり文章なりを寄稿はするが。この分野(詩歌)で最もメジャーな商業専門雑誌への作品発表は久しぶり。この前はいつの発表だったか忘れたが、2年近く前だったと記憶している。現在の月刊総合俳句雑誌「俳句」の発行元は角川文化振興財団だが実質はKADOKAWA。商業出版社の発行する定期刊行の俳句雑誌はあと数冊あるが、知名度においては群を抜いている。発行部数もおそらくトップ。(NHK出版発行の

          定年後フリーランス☆仕事のさまざまなリアルな記録(2)

          趣味をマネタイズするということについて(4)☆プロとアマチュアの壁、あるいは境界

           〈趣味が高じて仕事になった〉という言い方がある。じっさいスポーツ、芸術をはじめとして、多くのひとびとが趣味として楽しむさまざまな分野において、アマチュアでやっていたひとが途中からプロフェッショナルになることはよくある。それをときに〈趣味が高じて仕事になった〉と言うが、この言い方はよく注意をして受け取ったほうがよい。趣味(アマチュア)の延長に、有償で持続する仕事(プロ)が高い確率で自然と待っているわけではない。趣味即ちお金を払って楽しむのと、仕事即ちお金をいただいて創作物やサ

          趣味をマネタイズするということについて(4)☆プロとアマチュアの壁、あるいは境界

          蟻と豆腐 第2号(2024年3月14日発行)

          初夢の/中田剛 雨脚のつよき時雨となりきたる 冬の空端切れのやうな虹なると ひたひたとひたひたと猫底冷えを しぐるるや昼間はくらき豆腐店 寒暁鴉が騒ぎ立ててゐる 正月を鴉は鴉だけで居る 轟轟と松わたる風初夢の 真冬とてバナナの皮は黒ずみぬ 残りたる餅ことごとく安倍川に 冬晴や乾布摩擦ひさしぶり そこいらぢゆう元気に蒲団叩く音 鳰まんまるまなこ瞬かず こんこんと落葉の底にねむる猫 くさむらに猫吐きかへす時雨かな 寒鴉ずつと乗つかるゴミ袋 冴え返るなりゴミ袋ふたつ提げ いきなりの

          講師から見た〈良いカルチャースクール(運営会社)〉とは

           複数のカルチャースクールで長年にわたり講師をやってきた私から見た、〈好ましいカルチャースクール(運営会社)〉について若干、記述したい。 断っておくが、あくまで私に限ってのもので、多分に独断と偏見が含まれている。 1.カルチャースクール事業を主要事業、ないしは重点事業としている ここがすべての事に関わってくるポイントである。カルチャースクール運営を事業の主体としているところは、気合いの入れ方がだいぶ違う。その事業の業績の良し悪しがストレートに会社の存亡に関わってくるから。

          講師から見た〈良いカルチャースクール(運営会社)〉とは

          定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(3)

           フリーランス仕事の〈頻度〉と〈連続〉を確保して、加えて〈一案件あたりの取引金額〉のボリュームをも考えるにあたっては、それぞれ仕事との相性の合う合わないがあるだろう。私に限れば、発注者と受注者をつなぐ場を利用しての案件獲得はまったく駄目である。具体的にはストアカとビザスクとココナラとワッカス(趣味なび)。もう随分と前(いちばん古いので7、8年前)に役務提供者側の登録をしたが、まだ1件も成約、役務提供がない。ということはつまり、この類の仕掛けからはびた一文収入がない。やはり8年

          定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(3)

          定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(2)

           前回(趣味をマネタイズするということについて(1))に引き続き、その実現要件であるところの〈頻度〉ならびに〈連続性〉とは具体的にどういうことかについて、私のここまでの経験に基づいて記述してみたい。 私は現在、フリーでカルチャースクールの講師をやっている。この仕事が私のフリーランスとしての表向きの軸の仕事となっている。ちなみにここでフリーというのは、特定のカルチャースクールに拘束されずに複数のスクールと契約(業務委託契約)しているということ。 具体的にはこの記事を書いてい

          定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(2)

          定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(1)

          まず最初に、「趣味と実益を兼ねて」という言い方をよくするが、まっとうに「趣味をマネタイズする(お金にする)」観点からするといささかの違和がある。「趣味をマネタイズする」を言い換えると、「世間の大多数のひとが趣味としていることを仕事として取り組み、お金をいただく」になる。「趣味と実益を兼ねて」とはだいぶ違う。「趣味と実益を兼ねて」は、楽しんで気儘に続けていた事が、図らずもお金になった、という感じ。かたや「趣味をマネタイズする」は、端から巷のひとびとが趣味として楽しんでいる事を、

          定年後フリーランス☆趣味をマネタイズするということについて(1)

          定年後フリーランス☆〈棚卸し〉とか〈強み〉とか何ですかそれ?

          定年前後、再就職するとかフリーランス(個人事業主)になるとかいった際の話ですが。 〈棚卸し〉とか自分の〈強み〉の把握とか、昨今の巷では耳にタコができるほどよく聞く言葉ですが、あられもなく端的に言ってしまうと、それらに費やす行動(時間)、大方のひとにとってほぼ意味ないですよ。たとえばとくに再就職の場合、職務経歴書を書いたり面接したりの〈通過儀式〉にはどうしても必要な作業なのでしょうが。 〈棚卸し〉とか〈強み探索〉に基づく行動って、私には〈自己満足あそび〉とか〈セルフマウンテ

          定年後フリーランス☆〈棚卸し〉とか〈強み〉とか何ですかそれ?