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カルチャースクール講師のリアル☆ここまでの体験から

1.この話の前提
・趣味系(俳句)講座の講師である。
・サラリーマン時代は給与+α、年金受給者となってからは年金(公的・企業)+α、の+α部分 を稼ぐ認識である。

2.カルチャースクールビジネスとは
・付加価値をつけた部屋を受講者へ時間貸
・講師からのテナント料(時間貸)徴収
・講座から派生するイベントの企画・運営
・講師が教室で販売する書籍等からのいくばくかの徴収

3.契約
・契約形態は業務委託(講師委嘱)契約。
・フルコミッション(完全歩合)。
受講料✕取り分の乗率。世間相場は受講料の40 %が講師の取り分。じっさいは受講生数、著名度等が考慮されて個人差あり。

・契約は、契約主・講師双方、相手の同意なく解除できる。また合理的な理由なく解除できる。契約主、講師双方に問題が無ければ、契約は自動更新。(通常2年単位で更新してゆく)

4.採用
・大方のカルチャースクールは、HPからの応募。応募フォームに必要事項を入力。
一部の大手カルチャースクール(公共放送系・新聞社系)は公募していない。

・実質的に書類審査で採否を決定する。面接は人品骨柄の確認と講座実施日時の擦り合わせ。
(契約成立になっても希望どおりの日時、時間帯で開講できるとは限らない。)

・基本的に講師経験が必要。

・教える分野の実績(顕彰・出版等)はあるほうが有利。

・自分が教えたい分野の講座が既に存在する場合は、他の要件が揃っていても難しい。

・他のカルチャースクールと複数、契約していても構わない。ただし、意図的に自主運営の教室や他のカルチャースクールへ勧誘してはならない。そのような行為があったと認められた場合は法的措置をとられ、損害賠償請求される。

5.運営
・カリキュラムは自分で作る。
(講座概要を事前に提出する。)

・講座実施度合いは月1回または月2回が多い。

・講座時間は1時間半〜2時間である。
ただし、英会話、楽器演奏、歌唱等の個別レッスン等は別である。

6.ここまで講師をやっきての印象

・講演会講師、研修講師と比べると採用、集客、登壇頻度等々においてハードルは低い。
(講師業を主たる仕事とする場合の、講座の実施頻度と継続性を踏まえると)

・薄利多売。案件単位の料金が少額。
フルコミながら、かなりの数をこなさないと、まとまった収入にはならない。

・ある程度の数の教室を運営すると、集客ゲームのようになってきておもしろい。受講者(お客さん)のめまぐるしい増減がスリリングである。

ちなみに受講者減少の主な要因は、季節的なもの、疫病、商業施設閉鎖等の特発的なもの、講師に起因するもの(劣化・飽きられる)、受講者同士の人間関係の齟齬 等々)

・技術(提供するサービスへの品質)への信頼、人柄への愛着を得ると、受講者は長く定着する。すなわち講師のファン(支援者)になる。

・受講者の口コミが意外と集客に有効である。
カルチャー教室は、地域の大型商業施設に入っていることが多いので、近所の知人を誘ってくれることが度々ある。

・かつて趣味系の講師は、サラリーマンを引退して隠居状態となった高齢者が、小遣い稼ぎと呆け防止でやっていたが、昨今は状況が変わってきている。すなわちばりばりの現役サラリーマンの若年層が、副業・複業として本気でやるようになってきている。

・カルチャースクールは総じてソフトな雰囲気で、ストレスがかからない。(おそらく受講者全体に占める女性の割合が大きいため)

・カルチャースクールで実施される講座は多彩で、ユニークなものも多い。

・狭い地域で複数の教室を運営すると、サードプレイスが形成される。

・昨今は特に急に教室が閉鎖されることがある。(テナントとして入っていた商業施設の閉鎖、不採算教室の整理)
また商業施設の建て替えのため、長期間閉鎖されることもある。

・カルチャースクールビジネスは緩やかに衰退している。カルチャースクールを取り巻く環境の変化を考えると致し方ない面も。
ただ受講者がカルチャースクールを選択する際の動機は、はっきりと変化してきている。






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