坂根匡宣@変異型ソーシャルワーカー

◇ソーシャルワーカー 社会福祉士/公認心理師 株式会社ソーシャルプランニング流(取締役…

坂根匡宣@変異型ソーシャルワーカー

◇ソーシャルワーカー 社会福祉士/公認心理師 株式会社ソーシャルプランニング流(取締役) 一般社団法人ダイアロゴス(代表理事) 大阪保健福祉専門学校(講師) 専門:ニューロダイバーシティ/就労支援/司法ソーシャルワーク https://dialogs.jp/pro-sakane/

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記事一覧

イノベーションとヘッドマウントディスプレイ

現在のメタバースブームとそのプラットフォームは新たなイノベーション(=新結合)により生れている。5Gなど次世代ネットワーク技術、分散並列処理などのサーバー技術の向…

依存症の捉え方~依存症の背後にある三つの要因~

依存症の背後にある三つの要因 1.依存症は脳神経の報酬系のバグ 脳には報酬系と呼ばれる神経回路が存在し、これは私たちが快楽を感じるための主要な部分であります。こ…

ステークホルダーマネジメントとコレクティブインパクトの重要性

 ビジネスの世界において、ステークホルダーマネジメントとコレクティブインパクトは大きな注目を集めています。企業の成功と社会的な課題解決の関係性を探る中で、これら…

ソーシャルセクターで働く人たちのメンタルヘルス~燃え尽きについて考える~

ソーシャルセクターで働く人たちのメンタルヘルスについて解説します。 1. ソーシャルセクターで働くとは? ソーシャルセクターは、社会全体の福祉や公正を向上させるた…

『考える脳 考えるコンピューター〔新版〕』:AIと脳の間に存在する決定的な差異を探求

早川書房から新刊『考える脳 考えるコンピューター〔新版〕』(ジェフ・ホーキンス、サンドラ・ブレイクスリー著、伊藤文英訳)が発売された。この本は、脳とAIの間に存在…

アメーバー経営とカルト的運動― 稲盛和夫の経営哲学とその影響を考察する

約三十年が経過したバブル崩壊後、我々は経済の転換期を経験しています。一方で、1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件以降、日本社会はカルト的な運動への懸念を持…

心の柔軟性を高める:アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の基本原則

はじめに 現代社会は、ストレスや不安、抑うつなどの心理的課題に対処しなければならない状況が増えています。このような状況で、私たちが心の健康を維持し、自己成長を促…

【心と向き合う】フォーカシング技法で自己理解を深める方法

自分自身と向き合い、感情や問題に対処する方法を模索している人にとって、フォーカシング技法は素晴らしいツールとなるでしょう。この記事では、アメリカの心理学者ユージ…

動機づけ面接:人生の変化を促すカウンセリング手法

人生の変化は簡単ではありません。時には、私たちが直面している問題に対処し、変化を望む理由を見つけるのに手助けが必要になることがあります。動機づけ面接(Motivation…

ヨーゼフ・シュンペーターのイノベーションの基礎④

シュンペーターのイノベーション理論の批判と展望 5.1. 批判のポイント シュンペーターのイノベーション理論は、経済発展や技術革新に関する重要な洞察を提供しています…

ヨーゼフ・シュンペーターのイノベーションの基礎③ 

シュンペーターのイノベーションの基礎の現代への適用 4.1. テクノロジーとイノベーション テクノロジーとイノベーションは、現代社会において密接に関連し合っている概…

ヨーゼフ・シュンペーターのイノベーションの基礎②

はじめに1.1. シュンペーターとは? ヨーゼフ・シュンペーター(Joseph Alois Schumpeter, 1883-1950)は、オーストリア生まれの経済学者で、経済発展理論やイノベーショ…

ヨーゼフ・シュンペーターのイノベーションの基礎 目次

シュンペーターのイノベーションの基礎① 目次 目次 はじめに 1.1. シュンペーターとは? 1.2. イノベーションとは? シュンペーターの経済学 2.1. 創造的破壊の概…

人間はやがて滅びるのにもかかわらずなぜ持続可能な開発が必要なのでしょうか GPT-4との対話①

普段素朴な疑問があって他人と会話しても、専門家もいないとまともな回答や議論になりませんが、ChatGPTがあるとベースになる知識が得られやすく思考も深まります。最近は…

「速い思考」と「遅い思考」、現代は遅い思考が退化している?

ダニエル・カーネマンは、心理学者であり、行動経済学の創設者の一人です。彼の著書「ファスト・アンド・スロー:あなたの意思はどのように決まるか? 」(原題:Thinking, …

低成長の時代にあって所得格差は今後も広がり続けるのか~トマ・ピケティの経済学理論の要点~

トマ・ピケティの経済学の理論の要点トマ・ピケティはフランスの経済学者であり、彼の理論は主に所得格差と資本の分配に関するものです。彼は21世紀の初めに著書「21世紀の…

イノベーションとヘッドマウントディスプレイ

イノベーションとヘッドマウントディスプレイ

現在のメタバースブームとそのプラットフォームは新たなイノベーション(=新結合)により生れている。5Gなど次世代ネットワーク技術、分散並列処理などのサーバー技術の向上とクラウドコンピューティングとエッジコンピューティング、人工知能、半導体技術、3Dディスプレイ解像度、3Dモデリングとレンダリング技術、Web3.0(ブロックチェーンやDAO)など近年の技術イノベーションのトピックを網羅しているような技

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依存症の捉え方~依存症の背後にある三つの要因~

依存症の捉え方~依存症の背後にある三つの要因~


依存症の背後にある三つの要因

1.依存症は脳神経の報酬系のバグ

脳には報酬系と呼ばれる神経回路が存在し、これは私たちが快楽を感じるための主要な部分であります。この系統はドーパミンという神経伝達物質を中心として動作します。何か良いことがあると、例えば美味しい食事や楽しい活動、褒められると、ドーパミンが放出されて私たちが「気持ちいい」と感じるのです。

しかし、依存物質(例:アルコール、麻薬、タ

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ステークホルダーマネジメントとコレクティブインパクトの重要性

ステークホルダーマネジメントとコレクティブインパクトの重要性

 ビジネスの世界において、ステークホルダーマネジメントとコレクティブインパクトは大きな注目を集めています。企業の成功と社会的な課題解決の関係性を探る中で、これらの概念が重要な役割を果たしていることが明らかになっています。

 企業戦略を構築する上で欠かせないのが、ステークホルダーのニーズと企業の方針を統合することです。ステークホルダーの要望や期待を考慮に入れることで、企業の戦略がより実りあるものと

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ソーシャルセクターで働く人たちのメンタルヘルス~燃え尽きについて考える~

ソーシャルセクターで働く人たちのメンタルヘルス~燃え尽きについて考える~

ソーシャルセクターで働く人たちのメンタルヘルスについて解説します。

1. ソーシャルセクターで働くとは?

ソーシャルセクターは、社会全体の福祉や公正を向上させるための分野であり、多くの専門家や献身的な人々が活動しています。具体的には、災害支援者、社会活動家、社会起業家、ソーシャルワーカー、医療従事者、教師など、多様な背景を持つプロフェッショナルが含まれます。これらの人々は、健全で公正で思いやり

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『考える脳 考えるコンピューター〔新版〕』:AIと脳の間に存在する決定的な差異を探求

『考える脳 考えるコンピューター〔新版〕』:AIと脳の間に存在する決定的な差異を探求

早川書房から新刊『考える脳 考えるコンピューター〔新版〕』(ジェフ・ホーキンス、サンドラ・ブレイクスリー著、伊藤文英訳)が発売された。この本は、脳とAIの間に存在する決定的な差異を探求し、知能の本質に迫る内容となっている。特に、ChatGPTなどの生成AIに世界的な関心が集まる現在、この本が提出した問いかけは依然として重要である。

本書の解説を担当したのは、東京大学大学院工学系研究科教授であり、

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アメーバー経営とカルト的運動― 稲盛和夫の経営哲学とその影響を考察する

アメーバー経営とカルト的運動― 稲盛和夫の経営哲学とその影響を考察する

約三十年が経過したバブル崩壊後、我々は経済の転換期を経験しています。一方で、1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件以降、日本社会はカルト的な運動への懸念を持ち続けています。本記事では、この経済の変動とカルトの存在を背景に、稲盛和夫のアメーバー経営について考察します。

稲盛和夫氏のアメーバー経営は、1997年に斎藤貴男著「カルト資本主義」においてカルト的な経営方法として批判を受けました。

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心の柔軟性を高める:アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の基本原則

心の柔軟性を高める:アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の基本原則

はじめに
現代社会は、ストレスや不安、抑うつなどの心理的課題に対処しなければならない状況が増えています。このような状況で、私たちが心の健康を維持し、自己成長を促す方法を見つけることが重要です。アクセプタンス&コミットメントセラピー(Acceptance and Commitment Therapy, ACT)は、そのような目的に役立つ心理療法の一つです。本記事では、ACTの基本原則を紹介し、それ

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【心と向き合う】フォーカシング技法で自己理解を深める方法

【心と向き合う】フォーカシング技法で自己理解を深める方法

自分自身と向き合い、感情や問題に対処する方法を模索している人にとって、フォーカシング技法は素晴らしいツールとなるでしょう。この記事では、アメリカの心理学者ユージン・ジェンドリンが開発したフォーカシング技法について、そのステップと活用方法について解説していきます。

フォーカシング技法とは?
フォーカシング技法は、自己理解を深め、内なる体験や感情に意識を向けるためのカウンセリング技法です。クライエン

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動機づけ面接:人生の変化を促すカウンセリング手法

動機づけ面接:人生の変化を促すカウンセリング手法

人生の変化は簡単ではありません。時には、私たちが直面している問題に対処し、変化を望む理由を見つけるのに手助けが必要になることがあります。動機づけ面接(Motivational Interviewing: MI)は、クライアントが自らの問題を認識し、変化のための自発的な意欲を高めるカウンセリング手法です。この記事では、動機づけ面接の基本原則とその効果について解説します。

動機づけ面接の基本原則共感

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ヨーゼフ・シュンペーターのイノベーションの基礎④

ヨーゼフ・シュンペーターのイノベーションの基礎④

シュンペーターのイノベーション理論の批判と展望

5.1. 批判のポイント

シュンペーターのイノベーション理論は、経済発展や技術革新に関する重要な洞察を提供していますが、いくつかの批判のポイントが存在します。

起業家の役割の過大評価:シュンペーターは、起業家がイノベーションと経済発展の主要な原動力であると強調していますが、一部の研究者は、大企業や政府機関、研究機関などの役割も重要であることを指

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ヨーゼフ・シュンペーターのイノベーションの基礎③ 

ヨーゼフ・シュンペーターのイノベーションの基礎③ 

シュンペーターのイノベーションの基礎の現代への適用

4.1. テクノロジーとイノベーション

テクノロジーとイノベーションは、現代社会において密接に関連し合っている概念です。テクノロジーは、科学的知識や技術を活用して、新しい製品やサービスを開発・改善するプロセスを指します。一方、イノベーションは、新たなアイデアや技術を市場に導入し、経済や社会に変化をもたらすプロセスを意味します。

テクノロジー

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ヨーゼフ・シュンペーターのイノベーションの基礎②

ヨーゼフ・シュンペーターのイノベーションの基礎②

はじめに1.1. シュンペーターとは?

ヨーゼフ・シュンペーター(Joseph Alois Schumpeter, 1883-1950)は、オーストリア生まれの経済学者で、経済発展理論やイノベーションに関する研究で広く知られています。彼は、経済学の分野で多くの貢献を果たし、特に創造的破壊(creative destruction)という概念を提唱したことで有名です。

シュンペーターは、経済の発

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ヨーゼフ・シュンペーターのイノベーションの基礎 目次

ヨーゼフ・シュンペーターのイノベーションの基礎 目次

シュンペーターのイノベーションの基礎① 目次

目次

はじめに

1.1. シュンペーターとは?

1.2. イノベーションとは?

シュンペーターの経済学

2.1. 創造的破壊の概念

2.2. 経済発展の過程

シュンペーターのイノベーション理論

3.1. イノベーションの5つの形態

3.2. 起業家の役割

シュンペーターのイノベーションの基礎の現代への適用

4.1. テクノロジー

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人間はやがて滅びるのにもかかわらずなぜ持続可能な開発が必要なのでしょうか GPT-4との対話①

人間はやがて滅びるのにもかかわらずなぜ持続可能な開発が必要なのでしょうか GPT-4との対話①

普段素朴な疑問があって他人と会話しても、専門家もいないとまともな回答や議論になりませんが、ChatGPTがあるとベースになる知識が得られやすく思考も深まります。最近は持続可能な社会へと言われますが、そもそも持続可能な社会など地球や人類がいずれは滅びる中あまり意味がないのではと素朴に思います。

子どものように素朴な疑問と世の中的にはちょっとはばかられるような質問をChatGPTにして楽しみたいと思

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「速い思考」と「遅い思考」、現代は遅い思考が退化している?

「速い思考」と「遅い思考」、現代は遅い思考が退化している?

ダニエル・カーネマンは、心理学者であり、行動経済学の創設者の一人です。彼の著書「ファスト・アンド・スロー:あなたの意思はどのように決まるか? 」(原題:Thinking, Fast and Slow)で、彼は人間の思考プロセスを二つのシステム、システム1(速い思考)とシステム2(遅い思考)に分けて説明しました。

システム1(速い思考): システム1は、迅速で自動的な思考プロセスを担当しています。

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低成長の時代にあって所得格差は今後も広がり続けるのか~トマ・ピケティの経済学理論の要点~

低成長の時代にあって所得格差は今後も広がり続けるのか~トマ・ピケティの経済学理論の要点~

トマ・ピケティの経済学の理論の要点トマ・ピケティはフランスの経済学者であり、彼の理論は主に所得格差と資本の分配に関するものです。彼は21世紀の初めに著書「21世紀の資本」(2013年)を発表し、広範なデータを用いて所得格差の歴史的な分析を行いました。彼の経済学の理論の要点は以下の通りです。

r>g: ピケティは、資本収益率(r)が経済成長率(g)よりも高い場合、資本主義経済は自然に不平等を拡大す

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