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『考える脳 考えるコンピューター〔新版〕』:AIと脳の間に存在する決定的な差異を探求

早川書房から新刊『考える脳 考えるコンピューター〔新版〕』(ジェフ・ホーキンス、サンドラ・ブレイクスリー著、伊藤文英訳)が発売された。この本は、脳とAIの間に存在する決定的な差異を探求し、知能の本質に迫る内容となっている。特に、ChatGPTなどの生成AIに世界的な関心が集まる現在、この本が提出した問いかけは依然として重要である。

本書の解説を担当したのは、東京大学大学院工学系研究科教授であり、内閣府「AI戦略会議」座長でもある松尾豊氏である。松尾氏は、この本が自身の人工知能研究者としてのキャリアとともにある本であり、自身の研究者としての考えを形作った本であると述べている。

松尾氏によると、本書の最も重要なメッセージは「知能の本質は予測である」ということである。大脳新皮質は予測のための生体組織であり、知的な能力はここに起因している。本書では、この予測が重要であるという説を大胆に言い切っている。

本書は、2004年に出版された当初から予言的な本であり、その後の20年間でAI技術の進展によって多くの予言が現実のものになった。しかし、未だに実現できていない部分も多い。例えば、何かを予測し、運動の命令が発せられて、結果的に行動が実現されるという仕組みは、まだ実現されていない。

本書は、生成AIが大きく話題になっているこの時代に、知能という観点から、脳とAIを見比べることがとても重要であると指摘している。新皮質は予測のための器官であり、AIによって実現し得る。一方で、本能や感情を司る旧脳、身体やさまざまな感覚は人間に特有のもので、コンピュータで実現することは不可能か、あるいは無意味である。

本書は2023年7月22日に発売され、定価は1,298円(10%税込)である。知能の本質を理解し、AIの未来について考えるための一冊として、ぜひ手に取ってみてはいかがだろうか。

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