マガジンのカバー画像

お気に入り

142
大切に何度でも読みたい宝物♡
運営しているクリエイター

#想い

かまち 《詩》

かまち 《詩》

「かまち」

ただ書きたいから書いている

書く事自体には何の効力も無く

それに付随した
何かの救いがある訳でも無い

文章を書く事で

心の安定を図るだとか

自己表現をする事で

精神を解放するだとか

誰かの心 
精神の安定や解放に寄与するだとか

馬鹿げてる 

事柄を細分化して

文字に置き換えているだけだ

単なる吐き出しの様な文字の羅列

意味のわからない文脈

何の結論も生まない

もっとみる
Yes Sir 《詩》

Yes Sir 《詩》

「Yes Sir」

目の前にある現実を離れ夢想に耽る

其れは僕にとっても君にとっても

別の世界に通じる秘密の扉だった

その扉を開くのは自分自身の想像力

上手く強く想像する事が出来れば

その扉は開き

現実から遠ざかる事が出来る

其れが生きて行く為に
欠かせない必要な事なの

そう彼女は僕に微笑みながら囁いた

僕は彼女の瞳に

自分自身の反映を見る事が出来た

時には傲慢で身勝手で

もっとみる
想い歌 《詩》

想い歌 《詩》

「想い歌」

きっと単純な事なんだ

空に雪が降る様に

君の嫌いなところと 
好きなところ数えてみた 

風を待つ花と月を呼ぶ夜と

君の声を待っている僕と
溢れ出した熱

僕の中の君と 君の中の僕と 

触れた指先 

毎年 
冬になると必ず同じ匂いがする

涙は暖かい事を知った

何処かで聴いた想い歌

もう直ぐクリスマスがやって来る

灰色の雲 《詩》

灰色の雲 《詩》

「灰色の雲」

僕等に吹き付ける冬の風は

強い力と価値基準を持っていた

それは僕等の記憶の裏側に隠した

混乱を巧妙に曝け出させる

価値基準を
満たした人の波が押し寄せて来る

僕等は溺れる様に彷徨っていた

曇り空に浮かぶ灰色の雲を
外部からの強い力が引きちぎる

奴等が求める完璧を否定した

僕等は奴等の言う完璧に

何の意味も見出せなかったからだ

勝ち負けに拘って来たのは

負ける事

もっとみる
長い夜 《詩》

長い夜 《詩》

「長い夜」

秘めた聖なる山は
幾度となく燃え上がり消える

いつか見た長い夜

あの時もそうだった 

僕は星や月を探していた

窓の外を風が通り過ぎて行った

僕はその風の温度も匂いも

感じる事が出来なかった

ただ 触れたいそう思っていた

目に見えているものは 

己が
仮説の上に創りあげた世界である事

一種の概念の上に
成立した架空の物語

恐怖を掻き消す為に

僕は彼女の身体に

もっとみる
空の色 《詩》

空の色 《詩》

「空の色」

「雑草」

「時計」

「意味」

「神様が降りて来た夜」

Photo : Seiji Arita

残響 《詩》

残響 《詩》

「残響」

地球がゆっくりと回転してゆく

僕は時のくぼみの中に
取り残されたまま

指先には彼女の記憶が刻まれていた

月の明かりの下 

形の無い想いが

白い砂となり
静かに心の空白を埋めてゆく

窓際の花が小さく揺れて

僕は時間の過ぎる音を聞いていた

その中に
時折り波打つ様に繰り返す残響

バラバラに飛び散った
意識を回収する様に 

カーテン越しに
朝の光が射し込んで来る

乱れた

もっとみる
幸せに 《詩》

幸せに 《詩》

「幸せに」

星が降り注ぐ夜なのに

涙が頬を伝う

滲む星空 教えてください

愛したい それだけなのに

季節だけが変わり また冬

貴方と出逢った冬が来ました

平気な顔で笑うんだね

聞きたく無いよ
私の知らない誰かの話し

最初に好きになったのは私なのに

泣いたぶんだけ強くなりますか
苦しんだぶんだけ優しくなれますか

要らないよ そんなもの

今 誰と居ますか
何をしていますか

もっとみる
月見草 《詩》

月見草 《詩》

「月見草」

いつも僕は青空を望んでいた 

其処に澄み渡る
青がある事が当然の様に

燃える太陽 

その光を受けて暗闇の星は輝く

眠れない僕達は

夜空の月を連れて
真夜中に外へ出かけた

真白な淡い光に
つつまれて夢を見る 

月見草

静かな森の湖 

独りじゃない 嬉しかった

ふたりは朝が来るまで愛し合った

僕等の真実 君の好きな青と白 

その色で世界は出来ていた

そして 

もっとみる
楽園のドア 《詩》

楽園のドア 《詩》

「楽園のドア」

僅かに開いた楽園のドア

命が宿る陽の光 

喜びと悲しみを秘めた花

無機質な愛撫に
溢れた風に殺された夜

野良猫と話す老人の姿 

とても純粋に見えた

僕は夜の長さを測っていた

嘘を買い占め真実を売り捌く人の波

踊りませんか僕とふたりで

どうせ 夜は変わらない

空に 《詩》

空に 《詩》

「空に」

貴方を想う空に 
木漏れ日が射す

貴方を想う空に 
風が揺れた

貴方を想う空に 
花が咲き

貴方を想う空に 
星が流れ

貴方を想う空に 
黄昏の光が包み込む

狭い街角で出逢った 迷子のふたり

独り手を伸ばす明け方

そして

貴方を想う空に 止まない雨が降る

Photo : Seiji Arita