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この本いいよ!

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これまで私がnoteに投稿した読書感想記事をまとめたマガジンです。本選びの参考になればいいなと思います。
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2021年11月の記事一覧

第114回:『ガラスの海を渡る舟』は、明日を生きるための力となる物語。

第114回:『ガラスの海を渡る舟』は、明日を生きるための力となる物語。

こんにちは、あみのです。
今回の本は、寺地はるなさんの『ガラスの海を渡る舟』という作品です。公式コンテスト『読書の秋2021』の課題図書一覧を見て、「ガラス」というモチーフや綺麗なカバーイラストから伝わる「キラキラ」に魅力を感じ、手にしてみました。

今作では「ふつう」とは何かを考える箇所や、「自分に自信をつけること」について描いた箇所がありました。
すぐ自分と人を比べてしまったり、自分のことを好

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第113回:世界は「幸せ」も満ちている

第113回:世界は「幸せ」も満ちている

こんにちは、あみのです。
今回の本は、櫻いいよさんの『世界は「」で満ちている』という作品です。

今作はヤングアダルトのジャンルにカテゴライズされる作品でしたが、今の私が読んでも充分心に刺さる1冊でした。使われている表現も凄くわかりやすいので、中高生に限らず幅広い世代の人の心を掴む作品ではないでしょうか。

人間関係の難しさを感じる作品ではありますが、読後は主人公と一緒に日々を楽しく前向きに生きて

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第112回:「自分の気持ち」で、生きづらい世界を変えよう。

第112回:「自分の気持ち」で、生きづらい世界を変えよう。

こんにちは、あみのです。
今回の本は、櫻いいよさんのライト文芸作品『図書室の神様たち』(小学館文庫)です。

正直今作は、嫌な現実の中にずっと閉じ込められているような物語で、読むのが辛くなる展開も多いかもしれません。
でもこの物語が、世の中に溢れる「生きづらさ」と向き合うひとつのヒントを教えてくれるのは確かだと思います。理不尽な話題が多く飛び交う今だからこそ心に刺さるメッセージがたくさん詰まってい

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第111回:片想いから知る「自分らしさ」

第111回:片想いから知る「自分らしさ」

こんにちは、あみのです!読んで幸せな気持ちになれたラブコメ作品に出会えたので、紹介します。
今回の本は、神戸遥真さんの『片想い中の幼なじみと契約結婚してみます。』(メディアワークス文庫)というライト文芸作品です。noteにて神戸さんの作品の感想を書くのは2冊目になります。

(1冊目はこちら)

読むと元気になれる神戸さんのラブコメ作品。「契約結婚」という過去作品でも描いたテーマではありましたが、

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第109回:かっこいい「俳優」は、どのように作られるのか?

第109回:かっこいい「俳優」は、どのように作られるのか?

こんにちは、あみのです!
今回の本は、辻村七子さんの『僕たちの幕が上がる』(ポプラ文庫ピュアフル)という作品です。カバーのタイプが違う2人の男子が作中でどう活躍するのか見てみたくて、今作を手にしました!

魅力的な男子たちの「演劇」に対する熱意と成長を感じることができる物語。演劇に興味がある人はもちろん、好きな俳優さんがいる人にもきっと刺さる1冊だと思います!

あらすじ(カバーより)
若手アクシ

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第108回:星占いも京都も、想像以上に奥が深い。

第108回:星占いも京都も、想像以上に奥が深い。

こんにちは、あみのです!
今回の本は、望月麻衣さんの『京都船岡山アストロロジー』(講談社文庫)という作品です。

望月さんの作品は、京都の魅力をミステリーやファンタジー要素を交えて描いているところが大きな魅力だと思います。今作は「船岡山」を舞台に、「星占い」というテーマをミステリー要素も取り入れて描いた物語でした。

有名な観光地とはひと味違う京都を知ることができる1冊。
星占いを巡る物語や素敵な

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第107回:この本を開けば、いつでも「夏」が待っている

第107回:この本を開けば、いつでも「夏」が待っている

こんにちは、あみのですっ。
今回の本は、葉月文さんのライトノベル作品『ホヅミ先生と茉莉くんと。』(電撃文庫)の第3巻です。最近のラノベの中でも特に気に入っているシリーズですね!
(既刊の感想も合わせて読んで頂けるともっと嬉しいです!)

1巻では出版業界のシビアな現実や「作家」と「読者」のつながり、2巻ではラノベ作品のコミカライズについて主に描かれていました。
今回は既刊のような出版業界や作家に関

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第106回:読めばきっと「物語」が大好きになる物語。

第106回:読めばきっと「物語」が大好きになる物語。

こんにちは、あみのです!
今回の本は、綾崎隼さんの『死にたがりの君に贈る物語』という作品です。

今作では、小説家が私たちに物語を届けるときに込めている思いを強く感じることができます。

私は「物語」が持つ力を描いた作品や、「読者と作者のつながり」を描いた作品が凄く好きなので、ミステリー風味の展開からどのような「物語」と「小説家」にまつわる感動が待ち受けているのか、とても目が離せなかった1冊でした

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