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この本いいよ!

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これまで私がnoteに投稿した読書感想記事をまとめたマガジンです。本選びの参考になればいいなと思います。
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2021年5月の記事一覧

第55回:「期限付きの恋」から学ぶ「強く生きる」ということ

第55回:「期限付きの恋」から学ぶ「強く生きる」ということ

こんにちは、あみのです。今回の本は、森田碧さんの『余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話』(ポプラ文庫ピュアフル)です。タイトルからもわかるように、今作は「難病もの」の青春&恋愛小説です。

ありきたりな物語に見えるかもしれませんが、複数の登場人物を通して描かれる「命のきらめき」に思わず心が震えてしまうような良作です。

作中の様々な演出も素敵なので、1本の映画を見ているような感覚で読

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第54回:短くも刺激的な物語たち

第54回:短くも刺激的な物語たち

こんにちは、あみのです。今回の本は、『5分後に猛毒なラスト』という短時間で人生を変える(かもしれない)「5分シリーズ」の作品です。今作は文庫ではなく単行本。

先日、このシリーズの感動系の巻を読んでとても面白かったので、他の巻にも興味を持ち、図書館で借りてみました。この前は感動とか心温まる話に特化した巻だったので、今回は雰囲気が異なるホラー&サスペンス寄りのテーマをチョイス。

この1冊で、スパイ

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第53回:最高に元気が出る「人が死なない」ミステリー!

第53回:最高に元気が出る「人が死なない」ミステリー!

こんにちは、あみのです。今回の本は、柊坂明日子さんのライト文芸作品『おばさん探偵 ミス・メープル』(小学館文庫)です。

私は「ミステリー」というジャンルでも特に、魅力的なキャラクターが活躍する作品が大好きです。

あらすじを読んだときから「絶対に面白い作品なんだろうな」と予感していた1冊。ギャップ&ツッコミどころ多すぎな楓子さんと、彼女に振り回される吉井くんのキャラクターは、まさに私が求めていた

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第52回:「家族」以外も充分な味方

第52回:「家族」以外も充分な味方

こんにちは、あみのです。今回の本は、汐見夏衛さんの『さよなら嘘つき人魚姫』という作品です。汐見さんの作品の感想をnoteにて書くのは、2冊目になります。

今作は、読んでいて辛い気持ちになってしまうシーンがあるかもしれません。だけど、大切なことを教えてくれる物語なのは確かです。

物語の主人公は高校生ですが、この作品に込められたメッセージはきっと幅広い世代の読み手の心を掴むと思います。

あらすじ

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第51回:短くも濃厚な物語たち

第51回:短くも濃厚な物語たち

こんにちは、あみのです。今回の本は、河出文庫の『5分後に涙が溢れるラスト』というアンソロジーです。アンソロジー作品の感想はnoteでは初めてですね。

この本は、同出版社から単行本で出ている「5分シリーズ」の傑作選とのこと。読者から人気の高い作品を文庫という形で再集録しているそうです。お試し感覚でこのシリーズの面白さと出会えるのが嬉しいですね。

普段は長編を好む私ですが、たまには違う形の小説から

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第49回:「好き」があるから毎日楽しい

第49回:「好き」があるから毎日楽しい

こんにちは、あみのです。今回の本は、住野よるさんの『麦本三歩の好きなもの』の第2集です。ちなみに1巻は数年前に読んでいます。好きなキャラクターに再び会えたことがまず嬉しかったです。

幅広い「好き」に囲まれて生きる「麦本三歩」というひとりの女性の日常。さて、今回は彼女の周りでどのような出来事が起きるのでしょうか?

あらすじ(Amazonより)後輩、お隣さん、合コン相手ーー
三歩に訪れる色んな出会

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第48回:椅子の中の恋!

第48回:椅子の中の恋!

こんにちは、あみのです。今回の本は、江戸川乱歩の名作『人間椅子』の乙女の本棚シリーズ版です。

今作は、乱歩の作品の中でも特に好きな作品。一度読んだことのある名作を素敵なイラスト付きで読んだら、どのような楽しみ方が生まれるのでしょうか?

内容を知っている作品も、出版社や作品のアプローチ方法が違うだけで、また新たな良さを発見することがありますよね。

あらすじ(巻末の既刊リストから引用)私の膝の上

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第47回:あなたは『魔術師』の美しさから逃れられるか

第47回:あなたは『魔術師』の美しさから逃れられるか

こんにちは、あみのです!今回の本は、以前から気になっていた谷崎潤一郎の『魔術師』乙女の本棚シリーズ版です!

今作の担当イラストレーターは、『猫町』と同じくしきみさん。今作は、現実離れした妖しげなストーリーが特徴的だったので、しきみさんの画風ととてもよく合っていたと思います。

あらすじ(巻末の既刊リストより引用)私の魂は磁石に吸われる鉄片のように、魔術師の方へ引き寄せられているのでした。
初夏の

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第46回:帯で既に勇気をもらった1冊

第46回:帯で既に勇気をもらった1冊

こんにちは!あみのです。とても前向きな気持ちになれた1冊に出会えたので、紹介します。

今回の本は、長月天音さんの『明日の私の見つけ方』(ハルキ文庫)という作品です。

最近、なんだか元気が出なかった私。自分の気持ちを回復できるような物語に出会いたい!そんな気持ちで本屋の新刊コーナーを物色。すると、帯に書かれていたこのような言葉が目に留まりました。

頑張れ、自分。きっと笑える日が来るから。

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第45回:今、出会えてとても嬉しかった本

第45回:今、出会えてとても嬉しかった本

こんにちは、あみのです。今回の本は、小野寺史宜さんの『ひと』(祥伝社文庫)という作品です。

2019年の本屋大賞にノミネートされていた1冊というのもあり、単行本時から本屋でよく見かけた作品です。「この2文字にどのような思いが込められているのだろう」と今までずっと気になっていました。

先日、今年の本屋大賞が発表されたときに、ふとこの本の存在を思い出しました。数年前にノミネートされていた『ひと』と

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