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第46回:帯で既に勇気をもらった1冊

こんにちは!あみのです。とても前向きな気持ちになれた1冊に出会えたので、紹介します。

今回の本は、長月天音さんの『明日の私の見つけ方』(ハルキ文庫)という作品です。

最近、なんだか元気が出なかった私。自分の気持ちを回復できるような物語に出会いたい!そんな気持ちで本屋の新刊コーナーを物色。すると、帯に書かれていたこのような言葉が目に留まりました。

頑張れ、自分。きっと笑える日が来るから。

シンプルだけど、今とても欲しかった言葉。帯の言葉に惹かれ、私はその文庫本を購入することを選びました。

仕事のやりがいや成長を存分に味わえる作品。年齢問わず、多くの人に手にしてもらいたいです。

あらすじ(カバーからの引用)

大学四年時に両親を事故で亡くした霜鳥夕子は、都内で飲食店を経営する会社・オオルリ亭に就職した。旅館を営む両親に育てられた彼女は、お客様のため懸命に働いた父母のように生きたいと願ったのだ。念願の渋谷店に配属された夕子を待っていたのは憧れの支配人と厳しいながらも愛情深い先輩たち。慣れない仕事に悪戦苦闘する彼女が見ていく光景とは……。「ほどなく、お別れです」の著者が、夢に進むすべての人に温かいエールを送る、もうひとつの感動作。

感想

「接客」の大変さとやりがいがすべて詰まった良作でした。私もアルバイトで接客を経験しているので、お客様とのコミュニケーションの難しさや仕事のやりがいには非常に共感した箇所もありました。

価値観は人それぞれなので、接客をしていて嬉しいこともあればマイナスな気持ちになってしまうことだってあります。

だけど、お客様の感謝の言葉とか食事を楽しむ様子を直で感じられるのがこの仕事の最大の「やりがい」ではないでしょうか。リピーターが増えてくれると更に嬉しいですね。

また、私はわからないことがあったときに「人に聞くこと」が凄く苦手です。わからないことを聞いたときに相手に嫌な顔をされたらどうしよう…とネガティブに考えてしまうからです。

夕子も自分に自信がなく、仕事の内容を仲間に聞くことを抵抗していたところがありました。そのような夕子に一緒に働く仲間である当麻さんは、彼女にこのような言葉をかけます。

「質問できるのが新入社員の特権だろう?今、質問できなかったら、この先もずっとできないぞ」

当麻さんのこのセリフからは、多くのお客様が満足するサービスのためには、できるだけ早いうちからある程度の仕事内容を理解する必要さがわかります。

夕子には天間支配人という、「オオルリ亭に就職したい」という思いを固めたきっかけを作った人がいて、彼のようなおもてなしの心を持った社員になりたいと思っています。

「社会」という世界は、学生時代以上に日々覚えなければならないことが多い世界だと思います。

どんなお客様が来ても納得できる接客を行うため、憧れの人に近づくためには自分ひとりで解決せず、人にしっかりと聞いて正しい仕事内容を身につけることが大切ということをこの作品から学びました。

今作は、夕子という人物がオオルリ亭渋谷店で過ごしたほんの一部の時間を描いた物語でした。1冊の本としての物語は終わっても、夕子の人生はまだまだ終わりではありません。

渋谷店は残念ながら閉店という結末にはなってしまいましたが、就職サイトでの天間支配人との運命の出会いや、渋谷店の仲間からの厳しくも希望を感じる指導はきっとこれからの職場でも活かされると思います。

また、夕子の志望理由が後に、天間支配人の渋谷店閉店後の選択に影響を与えたことに驚きました。自分の存在が、憧れの人の人生を変えてしまうという展開がとても熱かったです。

失敗して、たくさんの人に叱られて、褒められて。この積み重ねが私たちを強くすることをよく味わうことができた1冊でした!私も夕子に負けないように頑張らなきゃ。

今回の感想も読んで頂き、ありがとうございます!オオルリ亭の仲間たちが仕事において最も大切にしていたことは、関わる人すべてに対しての「感謝の気持ち」だと思いました。私も日頃から感謝の気持ちは忘れないよう生きていきたいです。

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