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読書の記録

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このマガジンでは、私が読んでみて、他の人にも読んでもらいたいなーと思った本の紹介をします。
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記事一覧

自宅で子どもを預かる「連れ帰り保育」ー特定の親子への規格外の保育

自宅で子どもを預かる「連れ帰り保育」ー特定の親子への規格外の保育

この本は、夜間保育を利用する親子と、それを支える人たちの姿が描かれたものです。

夜間保育園が認可されるまでの過程や、ベビーホテルの状況、そこを利用する親たちの事情などについて詳しく知ることができます。 

読んでいて一番印象的だったのは、夜間保育園の理事長夫婦が、家庭内の養育に問題がある子どもたちを週末自宅に連れ帰って面倒をみる「連れ帰り保育」をしているというエピソードでした。

特定の子どもを

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読書記録「ジソウのお仕事」

読書記録「ジソウのお仕事」

虐待による悲しい事件が起こるたびに「児相はなぜ、子どもを保護できなかったのか?」という批判がされるけど…

子どもを保護することや、保護した子どもをその先守っていくことが、いかに複雑で難しい問題なのかということが、とってもわかりやすく書かれている本。
 

・水道もガスも電気も止まった家で、何日も母親を待って、保護されてからも「保護されたくなかった。ずっとママを待っていたかった」と語る姉妹。

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わたしは時間泥棒に、時間を盗まれたくない。

わたしは時間泥棒に、時間を盗まれたくない。

今朝は起きてから、そのまま布団の中でミヒャエル・エンデ作『モモ』を読んで、それから顔を洗って、フレンチトーストを焼きました。
 
 
のんびりフレンチトーストを作りながら、おいしそうだなぁ、子どもたちもきっと喜ぶだろうなぁって考えてたら、なんだかすごく幸せな気持ちになって、
 
こうやって、子どもたちに幸せな気持ちで朝ごはんを作るだけの心の余裕が、自分の中にあって良かった、って改めて思った朝でした

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訳知り顔で「最近の子どもは〜」と話す人に読んでほしい一冊

訳知り顔で「最近の子どもは〜」と話す人に読んでほしい一冊

先日泊まった温泉宿に置いてあった本の、読書記録です。

中嶋仁市著「しつけ・教育はこれでよいか」
昭和51年(1976年)発刊
 
昭和11年から教師をしていた筆者が、40年間の教師人生を振り返りながら「今の子ども(親)は〜」ということを書いた本なのですが、発刊年から推察するに、おそらく今50代の人たちが子どもの頃の話。
 
それを踏まえて読むと、あぁもうそんな時代からこういう状況だったんだ、とい

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罪を犯した人にどう関わるか?ー『私の中にいる』黒澤いづみ著・読書記録

罪を犯した人にどう関わるか?ー『私の中にいる』黒澤いづみ著・読書記録

この小説は、荒んだ生活を続ける #シングルマザー と虐待を受け続けた娘の二人を中心に話が展開されていきます。

設定が色々と複雑なのでその辺りの説明は省きますが、物語の終盤で、その母親が死んでしまった娘に手紙を書き、そして娘になりきって返事を書くという場面があります。 

上述したのは、手紙のやりとりの一部です。

読まれて察しがついたと思いますが、この母親自体もかつては母親やそのパートナーから身

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子どもへの性的虐待を、もう見逃したくない。

子どもへの性的虐待を、もう見逃したくない。

昨日は痴漢の被害について書きましたが、私にとって最も許し難い性暴力は、子どもへの性的虐待です。
 
日本では、子どもの性的虐待の被害が見逃されています。とりわけ、乳幼児期から小学校低学年の子どもへの被害に気づけていない現状があります。
 
このnoteでは、子どものトラウマケアの専門家である西澤哲著「子ども虐待」を参考にしながら、性的虐待の実態、虐待を受けている子どもたちにみられる兆候、加害者心理

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どちらが生きづらいんだろう?

どちらが生きづらいんだろう?

わたしは保育所を訪問して、
先生たちが「気になる」子どもの行動を観察し
関わり方のアドバイスなどをする仕事をしている。

その巡回相談をしていて思うのは、
多くの子どもは適応能力が非常に高い
ということだ。
 
先生がどんなことに対して「いけないよ」と言い
どんなことなら「やっても良い」とするのかを
一歳や二歳の本当に小さい頃からよくわかっている。
 
そして、ちゃんと求められている通りに
行動し

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もしも「死にたい」と言われたら

もしも「死にたい」と言われたら

#死にたい 」と誰かに告げることは
"死にたいくらいつらい"ということです。
  
そして、もしもこの辛さを少しでも
やわらげることができるなら…
#本当は生きたい 」のです。

自殺を考える人は「死にたい」のではなく、
「自分が抱えている困難な問題を解決したい」
だけなのです。
 
-ーー引用: 松本俊彦著
『もしも「死にたい」と言われたら』


 
わたしは元々
日本の自殺者数の多さ

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子は親の鏡

子は親の鏡

ドロシー・ロー・ノルト,レイチャル・ハリス著『子どもが育つ魔法の言葉より引用』です。

子は親の鏡けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる                子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる

親が他人を

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「怒り」は出し入れ可能である?!

「怒り」は出し入れ可能である?!

今日は子どもに対して大声を出してしまう自分に対して、自戒を込めて、書きます。(岸見一郎・古賀史健著の「嫌われる勇気」という本からヒントを得て書いています。)

・・・・・

ついカッとなって、ひどいことを言ったり、やってしまった経験はありませんか?

わたしは、あります。

昨日の朝、着替えを嫌がって遊び続ける息子を無理やりおもちゃからひっぺがして「もう保育園行く時間!!着替えるの!!」ともの凄い

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大人の欺瞞(ぎまん)に、子どもは反発する

大人の欺瞞(ぎまん)に、子どもは反発する

親や教師は頻繁に、子どもに対して「あなたのためを思って」という言葉を使う。

しかし、大人たちは明らかに自分の目的ーーそれは世間体や見栄、支配欲ーーを満たすために動いている。

つまり「あなたのため」ではなく「わたしのため」であり、その欺瞞を察知するからこそ、子どもは反発する。





岸見一郎・古賀史健著「嫌われる勇気」から引用です。

耳がイタイですが、事実ですね。

ただ、健康を損ねな

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