マガジンのカバー画像

短編小説集🐬

5
くっしーの短編小説や寓話・物語集。 ちょっとした書き物です。いわゆる小説ほど長くはなく、読み物としては短めです。 通勤・通学、スキマ時間など、日常のお供にぜひ。
運営しているクリエイター

記事一覧

【短編官能小説】一回、一万三千円。

【短編官能小説】一回、一万三千円。

「あぁ、ぁ」

一回、一万三千円。

人々は、お金ではなく、お金の先にあるものを欲しがっている。

ある男は、快楽を。

彼女は、ブランド物のバッグだ。

企業努力のブランディングによって、ターゲットとなり、そのために彼女はすることして、対価にお金を手に入れ、それと交換しにくる。

お金のために、することしてるわけだが、
感覚が麻痺すると、嫌なことが平気になる。

慣れてくる。

たしかに男受けす

もっとみる
【短編官能小説】探り合い、弄り合い。

【短編官能小説】探り合い、弄り合い。

いつもの飲み会。とは、ちょっぴり違っていた。



みんなの仕事がひと段落し、飲み会を開いていた。会社で受けていた案件が、一度ごたごたに合い、それを社員一同でなんとかいい方向へ向かわせた「自分たちへのご褒美」ということで、同僚と後輩の数名で、打ち上げのようなことをしていた。



「カンパイ!」と、にぎわう居酒屋で、みんな何かしら話しているはずなのに(酒も回っているため意味のある言葉かはともか

もっとみる
【絵本小説】どーせむり。

【絵本小説】どーせむり。

お昼寝とお買い物が大好きな、
いつも紺色の服を着ている、
勉強がとてもできる、
お金持ちの
物知りのこどもがいました。

髪の毛がバニラの匂いがしてさらさらな、
ひまわりが大好きな、
いつもワンピースを着ているこどももいました。
その子には、
毎日休まずお水をやってるひまわりがありました。

「またお水をやってるの?」

「うん、でも最近元気がないみたい。」

「お花にお水をあげるなんて、こどもだ

もっとみる
【短編小説】島国

【短編小説】島国

ここは、とある島。

僕はひとり。周りには砂浜と、ボートがひとつ、掘り返された穴。

そして近くに、サッカーコートほどの大きさの島が確認できる。

ボートを使ってその島へつくと、そこには誰かがいる。若いスーツの男と、板垣退助のような髭を蓄えた老人がいる。

スーツの男はSFにでもでてきそうな白い手袋をはめている。その手を開いたり、結んだり、弾ませたりしている。彼は僕に尋ねた。
「やぁ、あの砂浜から

もっとみる
【短編官能小説】開けっ放し。

【短編官能小説】開けっ放し。

抑圧された欲望。
夏にしては涼しい。秋にしては暑い日

俺の車。ペットの犬が出入りできるようにあけていた。
女の子がそこで寝てた。
ショートパンツ、短い半そで、Cぐらいの胸、少し汗ばんで透けている白の肌着、今はポニーテール。ショートカットよりは少し長い茶色かかった髪、濡れ髪のようにうねっている。でもととのったナチュラルメイク、ギャルにしてはあまりに清楚。女子高校生のようだ。しっかりしている、たまに

もっとみる