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心に残るエッセイ

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私が読んで心が動いた素敵な投稿をご紹介します。忙しい日々の中、心が動く瞬間減っていませんか。 そんな時 こちらのマガジンを覗いてみませんか? 心が震えるようなnoterの言葉 味…
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#エッセイ

<六ヶ国語を操る華僑のゲイ>、だけでは収まりきれない「何か」がある

<六ヶ国語を操る華僑のゲイ>、だけでは収まりきれない「何か」がある



その男とは1年前にここスマランで知り合った

わたしが週末にひとりでよく通う、歴史地区のBAR&BISTROの<SPIEGEL>でのカウンターでのことだ

1895年にこの場所で開店したオランダ・コロニアル調の、巨大な円形の店内

石造りのどこか、古い図書館を思わせる中央カウンターで、本を読みながらビンタン・ビールを飲んでいると、いくつかスツールを空けた左隣から、その男に、こう話しかけられた

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再会に願いを込めて。

再会に願いを込めて。

 今日は七夕。

 肝心の空模様は朝のうちは晴れ間が出るくらいのお天気だったがお昼前から一転して重い雲が垂れこめてきた。

 うーん、いやな感じと思っているとポツポツと雨が降ってきた。

 それからあっという間に土砂降りに変わりついさっきまで激しい雨が降っていた。

 ニュースでは今夜は災害クラスの大雨になる恐れがありますとしきりに言っている。

 そうなると七夕をゆっくり楽しもうという余裕はなか

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浦島太郎の真実

浦島太郎の真実

以前、noteで昔話の真実について語るという文章を二つ書いたことがある。

一つは「カチカチ山」、もう一つは「さるかに合戦」を題材にした。

特に「さるかに合戦」の方は、上手く書けたという実感があり、コメント欄でもかなり好意的な感想をいただき嬉しかった記憶がある。

そこで今日はその成功体験に乗っかり昔話シリーズを書きたい。

今日も元気に昔話の真実を暴いていきたいと思う。
昔話の秘密を丸裸にして

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家庭訪問先でステーキを食べて泣いた話。

家庭訪問先でステーキを食べて泣いた話。

「さあさ、もう焼き上がりますんで。」
玄関で靴を脱いでいると、にこやかにそう言われた。

もう、焼き上がり、ますんで・・・?

漂う焼けるお肉の、暴力的なまでにそそられるいい匂い。お昼に食べた給食はすっかり消化し終えている。ほどよく空っぽの胃が、物欲しげにきゅるきゅる動く。

・・・ちょうどご夕食の準備中だったのだろうか。タイミングが悪くて申し訳ない。早くお暇しなければ。
そんなことを考えながら、

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家の鍵をなくしたら、国宝級イケメンに会えた

家の鍵をなくしたら、国宝級イケメンに会えた

人生で初めて、家の鍵をなくした。

車で片道40分の友人の家に遊びに行き、見事に置き忘れてきたか、どこかに落としてきた。

その最も悲しいお知らせに気が付いたのは、帰宅した19時半、マンションの階段を登りながらでした。

友人に連絡すると、外食に出てしまい鍵を探せない状況だと言います。
いそいで管理会社に電話を掛けるも、虚しく流れる営業時間終了のアナウンス。

外は、コンクリートを叩き付けるような

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