マガジンのカバー画像

エッセイ

185
自分のこと (機能不全家族、依存、仕事、恋愛、心療内科、発達障害)
運営しているクリエイター

記事一覧

1と1が交差する地点

1と1が交差する地点

先日、彼のご実家へご挨拶に伺った。
よく手入れされ、花が咲き誇る庭先。
細やかで丁寧な"営み"を感じた。

『こんな私が伺って大丈夫かな?』『うまく話せるかな?』と胸をどぎまぎさせながら玄関の中に入る。
彼のご両親は、「いらっしゃい」と笑顔で迎えてくださった。
その表情に少し安堵する。

ご両親は朗らかに話しかけてくださった。
さすが彼のご両親だ。言葉の節々に優しさが滲み出る。
彼がこんなに立派に

もっとみる
"優しさ"と"都合がいい"は紙一重

"優しさ"と"都合がいい"は紙一重

彼に対して、最近変に気を遣ってしまう。
お付き合いして一年が過ぎ、沈黙になる場面が増えた。
別に悪い雰囲気じゃないのだけれど、中身の無い会話で空白を埋めたくなって、空回り。
元々無口な彼だから、別に沈黙の時間を気まずいとかは思っていないだろうが。

また、彼も慣れてきたからか、一緒にいる時もスマホを弄っている時間が増えた。
「私といてもつまらないのかな」
「一人で居たいって思っているんじゃないかな

もっとみる
宵闇の中で描けるだけの絵空事を

宵闇の中で描けるだけの絵空事を

世間一般の『女性の憧れ』は、私に無縁なものだと思っていた。

高価なブランド品にも価値を見出せなかったし、冷めるのも構わず、"映える"ご飯の写真を撮る友だちにも辟易していた。
結婚だってできると思っていなかった。
勿論、結婚式も婚約指輪も自分には必要ないと思っていた。
「自分には似合わない、勿体ない」
「高いものなんて見栄を張るための手段でしかない。くだらない。」
なんて卑屈になっていた。

でも

もっとみる
優しさの種類

優しさの種類

母曰く、「優しさには2種類ある」らしい。
"外に向ける優しさ"と"内に向ける優しさ"のふたつ。

"外に向ける優しさ"は、一目見てわかる。
欲しい言葉をくれる。盛り上げ上手。
ドアを開ける、車道側を歩くなど、
簡単に下手に出る。
だから一緒にいて気持ちがいい。
でも、その優しさは都合よく映された錯覚。
周りからの評価に依存し、自分をよりよく見せたいだけ。
誘き寄せ、手に入れるための手段でしか無い。

もっとみる
あなたはいい子

あなたはいい子

小学生の時、弟の付き添いで、週に二回、学習教室に行っていた。

大学の敷地内、周囲に木が鬱蒼と茂った小さな建物の中、薄暗くひんやりとした廊下の突き当りに、その教室はあった。

狭い教室の中は、ボランティアの学生さんや同年代ぐらいの子どもたち、付き添いの保護者の方たちでいつも賑わっていた。

後から知ったことだが、そこは、『通常の学級に在籍していて、学習面や生活面でつまずきがある子どもにとって適切な

もっとみる
心が動く方へ進め!

心が動く方へ進め!

絵が描けなくてもマンガを創り出せる神アプリを見つけました。

その名も、「World Maker」

楽しくて楽しくて、昨日からずっとマンガを作っている。
⤵︎ ︎因みに今日作ったマンガ。彼との日常を描いてみました。
https://links.worldmaker.app/PZym

最近は、
"自分の心が動く方へ進んでみよう"
と思えるようになった。

以前は、できないことに囚われて
"マイナ

もっとみる
お翼けお涙いらないの

お翼けお涙いらないの

校長先生から放課後にお話。
「今年度は専科で、一人だから寂しい思いをさせてるよね。大丈夫?ごめんね…」
と。

その通り。分かり切ったことを聞かないで欲しい。
悪い方じゃ決して無いのだが、『それでも私を選んだのは貴方ですよね?』という暗い感情が頭をもたげる。
学年部で皆さんが動いている中、入りづらく思うこと。
生き生きと活躍する同期や後輩と比べて、感じてしまう劣等感や羞恥心。
私なんて居なくてもい

もっとみる
幸せシエスタ

幸せシエスタ

「美味しいね。」
と言い合いながら、
お腹いっぱいカレーを食べて、
「食後のお昼寝タイムね。」
と2人でベッドに並んで横になる。

隣の貴方は早速、スースーと寝息を立てる。
いっぱい食べていっぱい寝れる。
その健やかさが尊くて、貴方の寝顔を、ただぼんやり見つめる。

陽光がさしこむ部屋。
清らかに吹き抜ける風。
パタパタとはためく真っ白なカーテン。
絶好のお昼寝日和。

『ビューティフル・マインド

もっとみる
2024.05.25

2024.05.25

貴方にプロポーズされた日。
世界で一番愛する人に、
「これからもずっと一緒に居てください。
結婚しよう。」
と真っ直ぐな目で伝えられた日。
夢にまで見た言葉。
こんな幸せ、私に訪れると思わなかった。

仕事、家族、自分の心身のこと、…色々な壁にぶち当たって一人で俯いていた。
その壁を貴方は、いとも簡単に、ひょいと乗り越え、私の日常に入ってきてくれた。
貴方が隣に居るから、楽に息ができる。
これまで

もっとみる
アラサー、不如意身体

アラサー、不如意身体

20代後半、身体が一筋縄じゃいかなくなった。

まず、どこかしこ痒い。
アトピーだらけ。
唇もカサカサ。皮を剥きすぎたせいか黒子みたいなシミが点々としている。
病院で処方してもらったステロイドに負けてしまう弱々しい肌。
地黒のメリットは、皮膚が強い事じゃないんですか??と文句を言いたくなる。

次に、お酒を飲むと足が痛くて眠れない。
こんなこと、大学生の時は有り得なかった。
飲む量を控えても痛くな

もっとみる
君たちは呆れるほどよく似てる

君たちは呆れるほどよく似てる

その昔、パチンコで数百万の借金をこさえた父。
それでも、誰も行かないようなオンボロの"パチンコ◎◎"に通っていた。
「儲かっているパチンコ×××に行けばいいのに。儲かっているパチンコ屋じゃないと当たりが出らんよ。」
と訴える母に、
(母も、「パチンコに行かないで」ではなく、「儲かっているパチンコ屋に行って」と頼んでいるのが面白い 。)

「俺はパチンコ◎◎の方が落ち着くから。」
の一点張り。
痛い

もっとみる
へそ天リストリクト

へそ天リストリクト

人との距離感がバグっている。
と自分でも分かっている。

傷つきたくないからと誰にでも壁を作ってしまう。
プライベートのことは極力話さないし、相手のことも自分からは聞かない。
飲み会や集まりにも顔を出さない。
職場でも、業務に関係のあることしか話さない。

反面、心を許した人(彼氏)に対しては童心に戻ったかのように甘えてしまう。
お互い身動きが取れないぐらいにべったり引っ付く。
「あのねあのね」と

もっとみる
泥梨の花よ

泥梨の花よ

母からの突然の電話。
開口一番、
「弟の就職が決まったよ」

「やったーーーー!!!!!」
思わず大きな声が出てしまう私。
大学卒業してニートをすること3年目…ようやく春が訪れた…!嬉しい。本当に。

しかし、母は電話の向こうで泣きじゃくっている。嬉し泣きでは無さそう。
話を聞いてみると案の定、
「〇〇大学まで出てこんな年収の会社…」
「貧乏暮らしするのが可哀想」
「もっといい会社行けるのに勿体な

もっとみる
しわいや

しわいや

題名は、私の一番好きな落語の演目。
ケチすぎる人の話。
「ケチと泥棒は金を払ってまで落語を聞かない。」ということで、落語にはケチと盗っ人の話が多いらしい。

でも私も吝嗇な女だと思う。
カレンダーには、お金を使わなかった日に印を付けている。
1円もお金を使わなかった日は何だか自分が誇らしい。ノーマネー記念日だ。
最高でも財布を開くのは週に2回までに留めたい。

基本電子マネーを使う。ポイントも貯ま

もっとみる