見出し画像

新しい物語を一緒に見つけよう

「物語」の語源は「物語る」というそうだ。
「物は語る」とも言えるかもしれない。
物は、静かにそこにありながら、こちらに想起させることや何かを訴えてくることがある。

物を多く持たないようにしている。
その分、一つ一つの物を長く大切に使う。
例えば、食器。
お茶碗は、蚤の市で一番に目に留まった柴犬のデザインのもの。
手に取ると、可愛らしい柴犬のデザインに心がほっこりする。
丼は、金物屋で買った黒い焼き物。
マットで落ち着いた色味がお気に入り。
使い込みすぎて欠けてしまったが、修繕をして使っている。
少しの欠けは愛嬌だ。
おかずを乗せるお皿は、母から貰った黄色い花柄のもの。
華やかな向日葵におかずが映える。
お箸は、彼との旅先で買った千鳥柄のもの。ワンポイントの愛らしい兎のイラストと100円という破格が決め手だった。

このように、一つ一つの食器の、手に入れるまでの経緯や気に入っているところを言うことができる。
持っている物に価値を見出すようにしている。
値段が高いか低いかではない。
実際に手を取って、価値を見極める。
大切に使う内に、物との関係値が高まり、更に愛おしく感じる。
長く使うほど、歴史が積み重なり、思い入れが強まる。

壊れてもリメイクして使う。
着れなくなった服は端切れを用いて雑巾にしたり、割り箸に巻きつけてタンポにする。
(※タンポ→筆を使わず、布に絵の具を染み込ませて絵を描くことができる道具)
使わない紙は好みの大きさに切って、自由帳にする。
壊れたピアスもパーツを分解して、ブレスレットやキーホルダーにする。
友だちから貰ったプレゼントの箱は、取っておいて、ティーバックや珈琲バック入れにする。
捨てるしかないと思った物を、可愛く生まれ変わらせることができた達成感たるや。



物を手に入れるということは、物との物語を始めるということだと思う。
どんな物にも、手に入れるまで、手に入れてからも物語がある。できるだけ長く使い、その物語を紡いでいくことを楽しく思う。
様々な物語がいつでもそばにあって、手に取って思い返すのも物を扱う醍醐味なのだ。

貴方と一緒に住んだら、新しい物語を二人で見つけていきたいな、どんな物語が見つかるのかな、なんて今から心が躍る。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?