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ち あ き
2023年6月30日 21:49
第一子の出産を、8月に控え里帰りをした友人へ郵便を出しました。同封した“おすすめ図書のしおり”にはこんな本を載せました。*------------------*○ 愛のエネルギー家事心を健やかに整える「きっかけの言葉」に出会えますように。この本には、やさしい暮らしを送るためのヒントがいっぱい。本田亮さんが描かれている挿絵は、見ているだけでほっこりしてきます。心がすこし疲れた
2023年6月16日 04:53
梅雨のこの季節は町を歩くたびに、儚い桃色の、または淡紫や空色の花に出会います。こんなところにも、と驚くほど六月の花、紫陽花は、そこここに賑やかに咲いて町全体に、色彩を灯してくれています。*つい先日はとある一軒のおうちの玄関先に鉢で育てられていた一株の紫陽花に思わず、ひとめぼれをしました。ひし形の萼片が八重に重なってできた愛らしい装飾花。中心の、くっきりしたピ
2022年12月23日 09:20
こちらは、白くて大粒の雪が降っています。そちらはどうですか。私はこのところ、気にかかることが重なってなんとなく心が落ち着きません。どうしようと思いつつ家を出て自然と足が向くのは、書店や図書館。本がある場所です。静かな空間に行儀よく並べられた本の中から気になったものを手に取っているうちに少し心が回復する。あなたにも、そんな経験はありますか。今日は私のとってお
2022年11月16日 16:27
見上げると並木のイチョウが秋の風にすっかり染め出されて枝先で、まぶしいほどの色づきを見せています。黄色い葉と葉の隙間から零れる午後の日差しがほんとうに綺麗で私はつい、上ばかりを眺めながらひとり、川沿いの並木道を歩いていました。休憩にと座った古いベンチで足もとに目を落としたときです。あら、と思いました。ライムイエロー、鶯色、みかん色、ボルドーにココア色。それから、扇
2022年10月9日 05:02
澄んだ空の一端を紡いで織り上げたような淡水色のドレス。シフォンのヴェールを幾重にも重ねてつくられたスカートには、ガラスの粒が贅沢に、繊細にあしらわれています。動き合わせてやわらかな煌めきがスカートの上を走り、まるで瞬く流星のようです。私には勿体無いほどのその美しいドレスに身を包んで前へ、前へ。彼の肘に手をかけ生花に彩られた会場の中を進みます。十月の、透き通るよ
2022年4月20日 20:33
それは八十四歳の祖母へ送る手紙です。便箋には春の写真を一枚添えて封をしました。*山里にあるこぢんまりとしたお寺の境内で見上げた一本の枝垂桜は、もう百年以上もの間そのお寺の参拝客を見守り続けてきた老樹でした。地面にどっしり根を張り、黒く太った幹を構え力強く畝る枝ぶりは見事でこの桜が越えてきた長い歳月を思わせます。枝を辿るようにして空を仰げば、そこには溢れ咲く爛漫
2021年12月30日 19:05
カタン、と小さくポストの音がする。冷たい風が吹く12月の水曜日、一通の封筒が届いた。それは、深い緑色の封筒。刺繍を模したデザインが入っている。文通をしている友達からにしては返信が早すぎるので誰からのお手紙かと裏に返すと以前お世話になっていたお花のセンセイからだった。私が手紙を渡して以来全く連絡を取れていなかったのでびっくり。私は足早になってリビングに戻り、そっ
2021年12月1日 20:34
ずっとお世話になっている、スキンケア化粧品の美容部員さん。私が棚を眺めて悩んでいると「〇〇さん、こんにちは。今日は何をお探しですか?」いつもちゃんと名前を呼んで、声をかけてくれる。可愛らしく整った顔立ちにきめの細かい肌。綺麗に結われた髪が凛とした雰囲気を香らせている。メイクはしっかりされているのに無理のない、ナチュラルな印象。花で表すと桃の花のような、可憐でその
2021年10月21日 22:11
誕生日。久しぶりに両親に手紙を書く。今日までのことを思い返して文字を綴っていると知らないうちに目に涙がたくさん溜まってぽたぽたこぼれて、ちょっと困った。自分で書いてて泣いちゃうなんて。って思ったけれど心が持たなくて休職してたあのころ、ひたすら泣いている私を「大丈夫、大丈夫」とそっと抱きしめてくれた父の、オムレツみたいに優しかった手とか「人の役に立とうなんて今は
2021年9月5日 15:32
届いた手紙を取っておくための箱が半分くらい埋まり始めている。箱・第二号をそろそろ用意した方がいいかもしれない。大学の頃の友人と文通を始めて1年半になる。やさしくて読書家で繊細で、好きだと思うものが似ている友人がいてくれることは私の心の支えだ。だから私は、友人へ送る手紙にはあらゆる方法で心を込める。読書にぴったりな春の日の手紙には和紙でできた薄桃色の栞を入れてみたり、
2021年2月22日 22:34
初めて入った雑貨屋さんで小花柄のレターセットを買った。友人に手紙を返すためだった。お会計をしてもらっている時、店員さんが声をかけてくれた。「お手紙、お好きですか?」私はもちろん、好きだと答えた。 すると、店員さんがお手紙交換リレーについて教えてくれた。『知らない誰かさんとのお手紙交換』①特定の相手を決めずに手紙を書く。②とある郵便局宛に送る。③そこで自由にシャッ