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せーかつ

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まいにちのららら。*・゚
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#手紙

読書好きなあの子への贈りもの

読書好きなあの子への贈りもの

第一子の出産を、8月に控え
里帰りをした友人へ
郵便を出しました。

同封した
“おすすめ図書のしおり”には
こんな本を載せました。

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○ 愛のエネルギー家事

心を健やかに整える「きっかけの言葉」に出会えますように。この本には、やさしい暮らしを送るためのヒントがいっぱい。本田亮さんが描かれている挿絵は、見ているだけでほっこりしてきます。心がすこし疲れた

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六 月 の 花 と 金 平 糖

六 月 の 花 と 金 平 糖

梅雨のこの季節は
町を歩くたびに、
儚い桃色の、または淡紫や空色の花に
出会います。

こんなところにも、と驚くほど
六月の花、紫陽花は、
そこここに賑やかに咲いて
町全体に、色彩を灯してくれています。



つい先日は
とある一軒のおうちの玄関先に
鉢で育てられていた
一株の紫陽花に
思わず、ひとめぼれをしました。

ひし形の萼片が八重に重なってできた
愛らしい装飾花。
中心の、くっきりしたピ

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〒 2022 - 愛読書ゆうびん

〒 2022 - 愛読書ゆうびん

こちらは、白くて大粒の雪が
降っています。
そちらはどうですか。

私はこのところ、
気にかかることが重なって
なんとなく心が落ち着きません。
どうしようと思いつつ家を出て
自然と足が向くのは、
書店や図書館。
本がある場所です。

静かな空間に
行儀よく並べられた本の中から
気になったものを手に取っているうちに
少し心が回復する。

あなたにも、
そんな経験はありますか。

今日は
私のとってお

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足もとの秋、ひらり。

足もとの秋、ひらり。

見上げると
並木のイチョウが
秋の風にすっかり染め出されて
枝先で、まぶしいほどの色づきを見せています。

黄色い葉と葉の隙間から零れる
午後の日差しが
ほんとうに綺麗で
私はつい、上ばかりを眺めながら
ひとり、川沿いの並木道を歩いていました。

休憩にと座った古いベンチで
足もとに目を落としたときです。
あら、と思いました。

ライムイエロー、鶯色、みかん色、
ボルドーにココア色。
それから、扇

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花 嫁 の 手 紙

花 嫁 の 手 紙

澄んだ空の一端を紡いで
織り上げたような淡水色のドレス。

シフォンのヴェールを
幾重にも重ねてつくられたスカートには、
ガラスの粒が贅沢に、繊細に
あしらわれています。

動き合わせて
やわらかな煌めきがスカートの上を走り、
まるで
瞬く流星のようです。

私には勿体無いほどの
その美しいドレスに身を包んで
前へ、前へ。
彼の肘に手をかけ
生花に彩られた会場の中を進みます。

十月の、透き通るよ

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枝垂桜を綴る手紙

枝垂桜を綴る手紙

それは八十四歳の祖母へ送る手紙です。

便箋には春の写真を一枚添えて
封をしました。



山里にある
こぢんまりとしたお寺の境内で見上げた
一本の枝垂桜は、
もう百年以上もの間
そのお寺の参拝客を見守り続けてきた
老樹でした。

地面にどっしり根を張り、黒く太った幹を構え
力強く畝る枝ぶりは見事で
この桜が越えてきた長い歳月を思わせます。

枝を辿るようにして空を仰げば、
そこには溢れ咲く爛漫

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〒 クリスマスの - お手紙時間

〒 クリスマスの - お手紙時間

カタン、と小さく
ポストの音がする。
冷たい風が吹く12月の水曜日、
一通の封筒が届いた。

それは、深い緑色の封筒。
刺繍を模したデザインが入っている。

文通をしている友達からにしては
返信が早すぎるので
誰からのお手紙かと裏に返すと

以前お世話になっていた
お花のセンセイからだった。

私が手紙を渡して以来
全く連絡を取れていなかったので
びっくり。
私は足早になってリビングに戻り、
そっ

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桃 の 花 の よ う な 店 員 さ ん の こ と 。

桃 の 花 の よ う な 店 員 さ ん の こ と 。

ずっとお世話になっている、
スキンケア化粧品の美容部員さん。

私が棚を眺めて悩んでいると
「〇〇さん、こんにちは。
今日は何をお探しですか?」
いつもちゃんと名前を呼んで、
声をかけてくれる。

可愛らしく整った顔立ちに
きめの細かい肌。
綺麗に結われた髪が
凛とした雰囲気を香らせている。
メイクはしっかりされているのに
無理のない、ナチュラルな印象。

花で表すと桃の花のような、
可憐で
その

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〒 誕生月の - お手紙時間

〒 誕生月の - お手紙時間

誕生日。

久しぶりに両親に手紙を書く。

今日までのことを思い返して
文字を綴っていると

知らないうちに
目に涙がたくさん溜まって
ぽたぽたこぼれて、
ちょっと困った。

自分で書いてて泣いちゃうなんて。
って思ったけれど

心が持たなくて休職してたあのころ、

ひたすら泣いている私を
「大丈夫、大丈夫」とそっと抱きしめてくれた父の、オムレツみたいに優しかった手とか
「人の役に立とうなんて今は

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〒 長月の - お手紙時間

〒 長月の - お手紙時間

届いた手紙を取っておくための箱が
半分くらい埋まり始めている。
箱・第二号をそろそろ
用意した方がいいかもしれない。

大学の頃の友人と文通を始めて
1年半になる。

やさしくて読書家で繊細で、
好きだと思うものが似ている友人が
いてくれることは私の心の支えだ。

だから私は、友人へ送る手紙には
あらゆる方法で心を込める。

読書にぴったりな春の日の手紙には
和紙でできた薄桃色の栞を入れてみたり、

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お 手 紙 の お は な し 。

お 手 紙 の お は な し 。

初めて入った雑貨屋さんで
小花柄のレターセットを買った。
友人に手紙を返すためだった。

お会計をしてもらっている時、
店員さんが声をかけてくれた。

「お手紙、お好きですか?」

私はもちろん、好きだと答えた。

すると、店員さんが
お手紙交換リレーについて教えてくれた。

『知らない誰かさんとのお手紙交換』

①特定の相手を決めずに手紙を書く。
②とある郵便局宛に送る。
③そこで自由にシャッ

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