タカミハルカ

コピーライター・構成作家を経て、編集ライターに転身。文筆業30余年。本・映画・美術館・…

タカミハルカ

コピーライター・構成作家を経て、編集ライターに転身。文筆業30余年。本・映画・美術館・エッセイなどなど、大人視点での記事もつまみ読みしてください。「タカミハルカ」はnoteだけのペンネーム。

マガジン

  • やっぱり本が好き

    作品のこと、読書のこと、感想、思い出など、本にまつわるトピックを集めたマガジンです

  • 辞書ほどオモシロい本はない

    辞書のオモシロさを伝えます。笑いあり驚きあり。アナタの知らない世界かも。

  • ワタシ自身を、語る

    好きなこと、恋のこと、悩んでいること、孤独と仲良しなこと、友人のこと、学生時代のこと。エッセイ風に語ってみました。

  • わが青春、文芸サークル女子高活劇 ジョン先輩との日々

    我が青春の奇人変人揃いの女子校文芸サークル。これは限りなく実録に近い私小説でありフィクションです。文芸なのに活劇!?

  • 愛すべき本屋さんについての、あれこれ

    主に街の本屋さんの記事をまとめています。

記事一覧

“ありふれた”ことばが面白い!? 〜辞書コラム

辞書で「笑う」とか「泣く」なんかを引く人は少ないんじゃないかな。 辞書すら引かないことが多いのに、知ってることばをなんでわざわざ‥‥と思って当然。 ところがわか…

107

本当は、誰にも教えたくない。大人の胸キュンな掌編集

本には、想像力の余地がある。 映像作品やマンガと違い、登場人物や風景が具体的な絵で表されているわけではない。 文章だけの表現で、どんな人物か、どんな情景か、どん…

タカミハルカ
3週間前
121

山岸凉子の『日出処の天子』から始まった読書連鎖。読書は旅、そして冒険!

面白い作品を読んだとき、いてもたってもいられなくなる。 この世界をもっと知りたい。この作家の作品をもっと読みたい……。 そんな感じで関連する本や映画、はたまた聖…

タカミハルカ
1か月前
123

マンガから読書、旅、まさかの大人買い。読書の連鎖はアグレッシブ 〜序章〜

時は2,000年過ぎ。 今から20数年前、私は奈良に足繁く通っていた。 飛鳥時代の仏像をちょっと邪に楽しむためである。 きっかけは山岸凉子の傑作漫画『日出処の天子』だっ…

タカミハルカ
1か月前
133

とあるnoter氏の灼熱事変。その真相と「私達は、誰かの日常になっている。」

たまに、noterさんと会うことがある。 そこで交わした言葉が、予想外な影響を及ぼしたとしたら……。 いや、今回はそれがちょっとオソロシイ。 この気持ちを成仏させるた…

タカミハルカ
1か月前
124

男と女の深遠なる溝 (サンプル例:女子校文芸サークル部員)

男と女はすれ違う。 家庭においても職場においても。 恋愛面では、そのすれ違いザマがとんでもなく可笑しかったりするようだ。 なんですと?  女が自分磨きをしてもモテ…

タカミハルカ
2か月前
99

男と女の“分かり合えない溝”、越えるワザあり

恋のタイミングにおいては、こんな男女差があるらしい。 男はノリノリの時に女を欲しがる 女はどん底の時に男を欲しがる 男が恋をしたくなるのは、自分が絶好調のときだそ…

タカミハルカ
2か月前
124

ここはサブカルショップの殿堂なのか─。今回も、私の行く店オモロイ店♪

乱雑な本屋が好きである。 なにやらお宝がありそうな妄想が膨らむからだ。 でも見ているうちに埃にやられてゴホゴホし、本を触っては手が汚れ、必要以上に疲れて店から退散…

タカミハルカ
2か月前
166

弾丸ソロ旅、やみくも古書店めぐり★ 千葉佐原〜埼玉深谷、栃木まで

私の旅に、観光情緒は無縁。 これまでも幾度か旅記事を出してきたが、ただただ寝台特急に乗ってみたり、行き当たりばったりでウロチョロしたい派なんである。 今回は、千…

タカミハルカ
3か月前
184

“夢の違和感”が現実に! 街の本屋さんに、古書もSALEもある風景。

あれ? ここは普通の本屋さん? 古書店なの? え、ええええー??? いや、確かに書店のチェーン店、リブロだ。 でもリユースショップの駿河屋の看板もある。 店内は新…

タカミハルカ
4か月前
202

客のオモロイ注文が、今日も本屋さんを困らせている。

noteで本屋さんのことをあーだこーだと投稿している身ではあるけれど、本屋さんだって客のことをいろいろ噂していると知ってしまった。 『本の雑誌』2月号—。 ここで書店…

タカミハルカ
5か月前
172

爽やかさの裏の死と官能。スピッツ・草野マサムネの歌詞は文学を超えるか

90年代の音楽シーンでブレイクし、以来ずっと人気を誇っているスピッツ。 その印象は爽やかで切ないラブソング? いやいやそんな軽いもんじゃない。 私は楽曲も大好きです…

タカミハルカ
5か月前
170

拝啓 佐野洋子サマ。私だって『死ぬ気まんまん』!

もう長生きしたいと思うのをやめた。 死ぬのはイヤだけど、ワケもなく長生きなんかしてどうする。 そんなことを思うと元気が出てきた。 どうしよう……長生きしそうだ。 …

タカミハルカ
6か月前
136

スローに始める休日の朝、あるいはボサノバヴォイスの覚醒時間

今回は、久しぶりに自分のことを綴ろうと思う。 ゆったりした朝を、何気なく過ごした日の記録として──。  めずらしく早起きをした。  いつも8時過ぎにしか起きないの…

タカミハルカ
6か月前
139

“ちょいと本屋に顔出してくる“

嬉しい話を耳にした。 街の一角で、元気に賑わっている小さな本屋さんがあるらしい。 街からどんどん本屋さんの姿がなくなって、大型新刊書店も閉店したり、寂しい話題に…

タカミハルカ
7か月前
179

「女」を語って思わずクスッ 〜辞書コラム

女とは、いったいどんなものだと説明できるだろう。 魔性だとか女神だとか、小うるさいだの逞しいだの形容することばは数あれど。 辞書で引いてみると、これがなんとも素…

タカミハルカ
7か月前
153
“ありふれた”ことばが面白い!? 〜辞書コラム

“ありふれた”ことばが面白い!? 〜辞書コラム

辞書で「笑う」とか「泣く」なんかを引く人は少ないんじゃないかな。

辞書すら引かないことが多いのに、知ってることばをなんでわざわざ‥‥と思って当然。

ところがわかりきっているシンプルなことばほど、意外に深くて楽しめたりする。

たとえば・・・
辞書の話でよく例に出るのが、「右」をどう説明するかだ。

「右」の説明なんて、簡単そうで難しくない?

辞書ではこんなふうに説明されている。

●「右」と

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本当は、誰にも教えたくない。大人の胸キュンな掌編集

本当は、誰にも教えたくない。大人の胸キュンな掌編集

本には、想像力の余地がある。

映像作品やマンガと違い、登場人物や風景が具体的な絵で表されているわけではない。
文章だけの表現で、どんな人物か、どんな情景か、どんな心情かを想像の世界で思い描く。
無限の世界を広げることもできてしまう。

また時には、思い描いた情景描写と自分自身がシンクロするようなことがある。
自分が物語の中にいる錯覚に、深く沈んでしまうのだ。

こんな想像体験をする作品はごくまれ

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山岸凉子の『日出処の天子』から始まった読書連鎖。読書は旅、そして冒険!

山岸凉子の『日出処の天子』から始まった読書連鎖。読書は旅、そして冒険!

面白い作品を読んだとき、いてもたってもいられなくなる。
この世界をもっと知りたい。この作家の作品をもっと読みたい……。

そんな感じで関連する本や映画、はたまた聖地巡礼など、作品世界がどんどん広がることがある。

前回、奈良の美術商店で百済観音像のレプリカ彫像を購入したことを記事にした。

これだって、元はと言えば山岸凉子の歴史漫画『日出処の天子』に夢中になったことがきっかけだ。
最初にこの漫画を

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マンガから読書、旅、まさかの大人買い。読書の連鎖はアグレッシブ 〜序章〜

マンガから読書、旅、まさかの大人買い。読書の連鎖はアグレッシブ 〜序章〜

時は2,000年過ぎ。
今から20数年前、私は奈良に足繁く通っていた。
飛鳥時代の仏像をちょっと邪に楽しむためである。

きっかけは山岸凉子の傑作漫画『日出処の天子』だった。
この漫画単行本に夢中になり、
主人公の厩戸王子(後の聖徳太子)に魅了され、
漫画読了後は聖徳太子と法隆寺探求に没頭し、
それが仏像への興味と繋がった。

ついには「仏像鑑賞友の会」というサークルをぶち上げ、カメラマン志望のオ

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とあるnoter氏の灼熱事変。その真相と「私達は、誰かの日常になっている。」

とあるnoter氏の灼熱事変。その真相と「私達は、誰かの日常になっている。」

たまに、noterさんと会うことがある。
そこで交わした言葉が、予想外な影響を及ぼしたとしたら……。
いや、今回はそれがちょっとオソロシイ。

この気持ちを成仏させるために、いっそ吐き出してしまおうか。

その、とあるnoter氏に初めて会ったのは1年以上前になる。

きっかけは我が記事『文芸サークル青春白書』シリーズだった。私の記事に興味を持っていただいたのと同じくらい、私も彼の記事の大ファンだ

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男と女の深遠なる溝 (サンプル例:女子校文芸サークル部員)

男と女の深遠なる溝 (サンプル例:女子校文芸サークル部員)

男と女はすれ違う。
家庭においても職場においても。

恋愛面では、そのすれ違いザマがとんでもなく可笑しかったりするようだ。

なんですと? 
女が自分磨きをしてもモテないですと?

これらの金言は作家および心理カウンセラーでもある五百田達成氏の著書・『察しない男 説明しない女』に書かれている。
五百田氏は、女は内面を磨いてもほぼ振り向かれないと断言。それより男はもっと単純に、ある特定の“見かけ”に

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男と女の“分かり合えない溝”、越えるワザあり

男と女の“分かり合えない溝”、越えるワザあり

恋のタイミングにおいては、こんな男女差があるらしい。

男はノリノリの時に女を欲しがる
女はどん底の時に男を欲しがる
男が恋をしたくなるのは、自分が絶好調のときだそう。
対して女は、自分が絶不調なときに恋をしたくなる。

衝撃的な一目惚れや、年柄年中ステキな恋をしたい恋愛ハンターな人は別として、これがフイに訪れる「恋をしてしまう時の状況心理」なのだそうだ。

実は今、私は本棚の整理中なんである。

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ここはサブカルショップの殿堂なのか─。今回も、私の行く店オモロイ店♪

ここはサブカルショップの殿堂なのか─。今回も、私の行く店オモロイ店♪

乱雑な本屋が好きである。
なにやらお宝がありそうな妄想が膨らむからだ。
でも見ているうちに埃にやられてゴホゴホし、本を触っては手が汚れ、必要以上に疲れて店から退散することだってある。

うへーっ 清潔な店に行きてぇ

そんな虚しい思いに苛まれたら、うっぷん晴らしだ。
本や漫画好きの友人にちょっと愚痴ると、こんなことを言われた。

「じゃあ駿河屋の本店に行ってみれば? 価値感が変わるよ」

駿河屋と

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弾丸ソロ旅、やみくも古書店めぐり★ 千葉佐原〜埼玉深谷、栃木まで

弾丸ソロ旅、やみくも古書店めぐり★ 千葉佐原〜埼玉深谷、栃木まで

私の旅に、観光情緒は無縁。

これまでも幾度か旅記事を出してきたが、ただただ寝台特急に乗ってみたり、行き当たりばったりでウロチョロしたい派なんである。

今回は、千葉の佐原にノープランで行ってきた。
佐原は利根川水運の中継基地として栄えた場所。江戸情緒溢れる町並みに期待大だ。

だが、ノープランな旅は何が起こるかわからない。

気の向くままに動いていたら、埼玉・栃木まで遠征する弾丸2泊3日旅になっ

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“夢の違和感”が現実に! 街の本屋さんに、古書もSALEもある風景。

“夢の違和感”が現実に! 街の本屋さんに、古書もSALEもある風景。

あれ? ここは普通の本屋さん? 古書店なの?
え、ええええー???

いや、確かに書店のチェーン店、リブロだ。
でもリユースショップの駿河屋の看板もある。
店内は新刊も売ってりゃ古本もある。
こんなこと、ありえるの!?

ここ東京・江東区にある「駿河屋リブロ南砂町ショッピングセンターSUNAMO店」は、仕事がらみで見学していた店舗の中のひとつである。

しつこいようだが、ここは駿河屋だけど本のリブ

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客のオモロイ注文が、今日も本屋さんを困らせている。

客のオモロイ注文が、今日も本屋さんを困らせている。

noteで本屋さんのことをあーだこーだと投稿している身ではあるけれど、本屋さんだって客のことをいろいろ噂していると知ってしまった。

『本の雑誌』2月号—。
ここで書店員さんたちが、困った客やオモロイ客のことを暴露している。

今回は、『本の雑誌』からそんな噂話の一端を紹介してみよう。

●解読できる? こんな注文
お客さんの中には本のタイトルを間違ったり勘違いして注文する人がいるらしい。
いや、

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爽やかさの裏の死と官能。スピッツ・草野マサムネの歌詞は文学を超えるか

爽やかさの裏の死と官能。スピッツ・草野マサムネの歌詞は文学を超えるか

90年代の音楽シーンでブレイクし、以来ずっと人気を誇っているスピッツ。
その印象は爽やかで切ないラブソング?
いやいやそんな軽いもんじゃない。

私は楽曲も大好きですが、爽やかさを装った毒のある歌詞にゾッコンです。
切ない欲望丸だしの官能世界に痺れます。
まさに草野マサムネワールドですね。

▲公式チャンネルspitzclipsより「スピッツ/美しい鰭」2023年劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影

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拝啓 佐野洋子サマ。私だって『死ぬ気まんまん』!

拝啓 佐野洋子サマ。私だって『死ぬ気まんまん』!

もう長生きしたいと思うのをやめた。
死ぬのはイヤだけど、ワケもなく長生きなんかしてどうする。
そんなことを思うと元気が出てきた。
どうしよう……長生きしそうだ。

いま、佐野洋子のエッセイ『死ぬ気まんまん』が浸みている。
あの絵本作家にしてエッセイストの佐野洋子、『100万回生きたねこ』の佐野洋子である。
私は密かに洋子サマと呼び、親近感100%の友人みたく思い馳せてる女流作家だ。72才(2010

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スローに始める休日の朝、あるいはボサノバヴォイスの覚醒時間

スローに始める休日の朝、あるいはボサノバヴォイスの覚醒時間

今回は、久しぶりに自分のことを綴ろうと思う。
ゆったりした朝を、何気なく過ごした日の記録として──。

 めずらしく早起きをした。
 いつも8時過ぎにしか起きないのに6時に起きた。まだ寝ていてもいいけれど、薄暗い時分から起き出すのもちょっといい。
 夕べは忙しくて夕食後の片付けもできなくて、食洗機に食器を入れるのも億劫で、お風呂から上がってそのまま寝オチ。

 起きたとき、キッチンに汚れ物がたまっ

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“ちょいと本屋に顔出してくる“

“ちょいと本屋に顔出してくる“

嬉しい話を耳にした。

街の一角で、元気に賑わっている小さな本屋さんがあるらしい。

街からどんどん本屋さんの姿がなくなって、大型新刊書店も閉店したり、寂しい話題にうんざりしていた矢先。これはホットな情報だ。

「ちょいと本屋に顔出してくる」

そんな感じでご近所さんが、
注文した本を取りに行ったり、
今日のラインナップを見に寄ったりして、
本屋さんでの時間を愉しんでいるらしい。

え、ほんと? 

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「女」を語って思わずクスッ 〜辞書コラム

「女」を語って思わずクスッ 〜辞書コラム

女とは、いったいどんなものだと説明できるだろう。
魔性だとか女神だとか、小うるさいだの逞しいだの形容することばは数あれど。

辞書で引いてみると、これがなんとも素っ気ない。

確かにそうではあるけれど、もっと味わい深さはないものか。まあ、それを辞書に求めるのは間違いかもしれないが。

いや、ところがそうでもないらしい。
「女」の説明に7ページもの分量を割いてる辞書がある。

「類語ニュアンス辞典」

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