男と女の深遠なる溝 (サンプル例:女子校文芸サークル部員)
男と女はすれ違う。
家庭においても職場においても。
恋愛面では、そのすれ違いザマがとんでもなく可笑しかったりするようだ。
なんですと?
女が自分磨きをしてもモテないですと?
これらの金言は作家および心理カウンセラーでもある五百田達成氏の著書・『察しない男 説明しない女』に書かれている。
五百田氏は、女は内面を磨いてもほぼ振り向かれないと断言。それより男はもっと単純に、ある特定の“見かけ”にフラつく本能があると言う。
男は記号に欲情する
女は信号に欲情する
それ即ち、男は「女っぽくてエロいもの」を備えた女性にキュンとするのだとか。
プルプルの唇、柔らかそうなおっぱい、大きなおしり、ミニスカート……。
まさにオンナを表す記号的要素ではないか。
ただのエロだと笑い飛ばしたのは私だけか。しかも劇画調の?
この件に関して身近な男性2人(編集者・マジメ・既婚)を問い詰めたところ、
「そりゃそうです!」と即返された。50代と30代がユニゾンで……。
それに対して女性が「信号に欲情する」というのは、もうちょっと複雑。
信号とは、「自分に向けられたベクトル」であるらしい。
女は「自分だけに対するやさしさ♡」とか「自分に関心をもってくれてる♡」などの、相手からの信号に弱いのだ。
うーむ……。
完全ノックアウトされたような正論で、返す言葉が何もない。
それはさておき、私は京都で過ごした高校時代に、文芸サークルなる巣窟に所属していた。
サークル部員のジョン先輩・牧野さん・あかねという三大女子高生を思い浮かべると、五百田先生の説には納得がいく。
この文芸サークルでの活劇は、「文芸サークル青春白書」として
シリーズ連載しています(不定期連載中)▼
全くの非モテ女子、ジョン先輩と牧野さん。
モテモテのあかね。
対照的な3人だが、あるきっかけで牧野さんがモテモテになったことがあった。
まず、三大女子高生をご存知ない方のためにざっくり紹介しておこう。
●ジョン先輩
ジョン・レノンに傾倒し、ジョン・レノンそっくりなヘアスタイルと丸メガネ姿の奇天烈な先輩。
年柄年中、黒ジャージの襟を折り返してトックリ仕様で着用。顔青白く、勝負服は担任教師の紺ブレ(無断借用中)。
●牧野さん
ジョン先輩の配下。隠語をスペイン語で叫びまくる南米帰りの帰国子女。身なりに全く気を遣わないクセに男好き。乱歩を愛する理系才女。
●あかね
老舗画廊のお嬢さまで超絶美少女。舌ったらずな上にオツムも足りないが、ゆるふわ系の代表選手。揺れるポニーテールで男を惑わす。
モテモテだがそれほど男子に興味のないあかねに対し、男好きなジョン先輩と牧野さんの合言葉は「我らいつでも解放区」。
それでも非モテ道から抜け出せなかったのは、やはり「エロかわいい」要素がなにひとつなかったからではないだろうか。
男子生徒との出会いにおいて、女子校の生徒は第一印象、ファーストインプレッションが命である。
じわじわ知り合い、そのうち付き合うという悠長なチャンスがそもそもない。
出会ったその日にきっかけを作れるかどうかが全てなのだ。
ジョン先輩は黒ジャージを脱がないし、勝負服の紺ブレ着ても、街金の取立みたいなナニワ金融道的威圧感を漂わせがち。
牧野さんに至っては、ポニーテールとは言い難いひっつめ髪にオバハン仕様のだらんとした黒装束。魔女度が高すぎ、男子生徒を呪いそうな勢いである。
そんな彼女が、一度だけモテモテだった時期とは─。
夏休み、牧野さんは東山三条のミスタードーナツでバイトをしていた。
ドーナツが大好物のジョン先輩の命令である。
制服のオレンジミニスカート着用で異常に可愛くなった牧野さんは、当時の店長や他のバイト男からいつもドーナツを貰って帰り、すべてジョン先輩の胃袋へと直行させていた。
魔女みたいな牧野さんが、
バイト先で変身!
↓
牧野さんはスタイルだけは良かった。
手足がすらっと長かった。
ミスタードーナツの制服が短すぎてパンツ見えそうな危うさで、本人も
「見えるか見えへんかのさじ加減は計算してまっせ」とニヤついている。
やっぱり男は「エロくてかわいい」に弱かったのか。
オバハンじみた関西弁の女子高生でも、腿バッチリのミニスカート姿ならOK、なのか。
「牧野、腿出しの成果、チェック!」
容赦ないジョン先輩が、女郎屋の女将よろしくドーナツを奪い取る。
甘いものが苦手な牧野さんは、ジョン先輩にも私にもドーナツを出し惜しまない。
ジョン先輩にいたぶられても牧野さんはバイトを黙々と続けていた。
「店でチヤホヤされるからに決まってるやろ、聞くなアホ!」
バイトを辞めた途端、魔女に戻った牧野さん。シンデレラマジック消滅である。
あのバイト先はエロ野郎ばかりだと笑っていたが、それが全男の基本路線だと知っていたら……。我々に何か変化でもあっただろうか……。
『察しない男 説明しない女』には、こんなことも書かれている。
男は縦社会で生きている
女は横社会で生きている
男は年齢、地位、肩書きなど上下関係がハッキリしないとソワソワするらしい。
とにかく上下関係には敏感に反応するのが男社会。
女は違う。横社会で生きている─。
多くの女性がうんうんと大きく頷いたことだろう。女は年齢など関係なく、すぐに打ち解けて仲良くなれてしまうもの。
でも「みんな仲良し」というルールからはみ出せず、一生、不毛な人間関係に悩まされてしまうのだ。
我々文芸サークルも、年齢を超えてつるんでいた女社会。
「牧野さんミスタードーナツ」の一件も、女横社会あっての結束である。
だが欲望に絡んだ先輩からの命令という点では、体育会系の男社会的威圧世界といえなくもない。
女は横社会を生きながら、下の者を屈服させる。
(byハルカ ジョン先輩観察考)
さて、そろそろ文芸サークル青春白書の第6話でも投稿しようかな。
ここで先輩のことを書いていたら、もっと暴露してやりたくなってきた。
夏が終わるまでにはきっと──。
▼前回の記事では、男と女の心理の違いを対処法を含めて書いております。
さてこの対処法、実践できるかできないか!?(コメント欄も爆裂!)