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“夢の違和感”が現実に! 街の本屋さんに、古書もSALEもある風景。

あれ? ここは普通の本屋さん? 古書店なの?
え、ええええー???

いや、確かに書店のチェーン店、リブロだ。
でもリユースショップの駿河屋の看板もある。
店内は新刊も売ってりゃ古本もある。
こんなこと、ありえるの!?

手前のワゴンが古本、奥の棚は新刊。
あるようでなかったこの取り合わせ


ここ東京・江東区にある「駿河屋リブロ南砂町ショッピングセンターSUNAMO店」は、仕事がらみで見学していた店舗の中のひとつである。

しつこいようだが、ここは駿河屋だけど本のリブロ店

看板には「LIBRO Supported by駿河屋」
店頭にはグッズがずらーり


駿河屋というのは、ゲームやフィギュア、音楽CD、映像ソフト、書籍、コミックなどなどいろんなリユース品(中古品)を扱うお店だ。もちろん買取もしてくれる。
日本各地に店舗があり、ネットでも売買できる。

個人的にはワタクシ、池袋にある「駿河屋池袋乙女館」のファンだったりする。こちらは同人誌関連の専門店だ。
同人誌に限らずあらゆる分野において、駿河屋は品数が多くて専門性も高い。マニア垂涎のお宝だっていっぱいある。

横道はそれるけれど、こちらが駿河屋池袋店乙女館の写真である。
(*注:記事のSUNAMO店とは別)

「駿河屋池袋乙女館」は女性が好む
種類の同人誌や
キャラ、グッズなどの専門店。
当たり前だが男性客もいる。


話を「駿河屋リブロ南砂町ショッピングセンターSUNAMO店」に戻そう。

ここSUNAMO店には、古本(書籍&コミック)やおろか、ぬいぐるみやゲーム、映像ソフト、フィギュアなどがいろいろある。おもちゃ箱が溢れかえったような楽しさでギュウギュウだ。
あらゆる時代の懐かしコンテンツに興奮が止まらない。80年代コミックなんて見つけただけで嬉しくなる。


リユースとか新刊とか関係ない。
オモシロいもの発見に余念がなくなる。
普通の書店ではなかなか見られない、
「SALE」の文字があちこちに。


で、後ろを振り向けば普通の新刊本なんかも陳列されていて、2時間くらいは軽く遊べてしまうラインナップ。
お客さんも老若男女、ファミリーからカップル、お子ちゃま、お一人様までが座り込んでグッズを見たり、本を読んでる子たちもいるいるいる!

要するに、ここはリブロと駿河屋の複合店なのだ。
いやそんな……。

新刊書店とリユース品!


普通の本屋と古本屋が一緒になって、同じ店内で商売してるってこと? 映像ソフトやフィギュアやゲームなんかもあって。

こんな夢の異種格闘技戦みたいなことが叶っていいのだろうか・・・。


少しでも安い本を探そうと古本コーナーを見に行くけれど、新刊書で欲しいのがあればそこからもピックアップ。
まあ、結局は欲しいものを買っちゃうんだな。リユースだろうが新刊だろうが関係ない。

お仕事の一環で見学に来たとは言え、遊んでしまった。
趣味性と思い込みで行動してしまう悪いクセが出てしまった。

近々、noteで今回のお仕事のことを紹介させていただきたい。
日本の書店を元気にする動きがあることをぜひお知らせしたい。
やっぱり書店が好きだから。
書店という楽しい場所、ぜったいになくなってほしくないから。



そういえば、前に読んだクーリエ・ジャポンに、ニューヨーク・タイムズの記事が引用されていた。そこに書かれていたのが、

「書店にできて、Amazonにできないこと」


それは出会いと広がり─。

Amazonが読者にすすめるのは、購入履歴に基づいた本
大体、似通った本がおすすめに上がるのは周知のとおりだ。
Amazonのアルゴリズムが受け身に作られているからである。

でも書店では、書店セレクトの「これは絶対にオモシロい!」という本がすすめられる。受け身ではなくアグレッシブ!
書店をウロウロしていて、自分の興味とまるで関係のない分野、作家の本に出会って感動することなんてザラではないか。
いや、それがあるから書店をぶらつく。それがあるからオモシロい。
本のPOPや書店が選ぶベスト10なんかに個性が光る店は、大体、いい。
予想外の出会いにワクワクさせられるから。

事実、個性を大事にすることに徹底し、経営不振から脱却した大手書店が存在する。
イギリスを代表する大手書店ウォーターストーンズと、アメリカ最大手の書店バーンズ&ノーブルだ(欄外下に引用記事元を掲載)。
両書店とも何店舗も閉鎖に追い込まれていたところ、ひとりの男が立て直しの成功に導いた。
彼の名前はジェームズ・ドーント。書店再生のカリスマ英国紳士だ。

ドーント氏は世界で最も美しい書店ランキングの常連、イギリス「ドーント・ブックス」の経営者でもある。

イギリス「ドーント・ブックス」
世界で最も美しい書店ランキングに
常にランクイン。
(撮影:UnsplashのUgur Akdemir)


街から書店が消えて寂しくなった─。
世界中からも日本からも、そんな噂話はなくなってほしい。
とは言え、Amazonや電子書籍にはいいところがいっぱいある。
便利だから、みんなも私も利用している。

でもそれだけじゃ足りないでしょ。
面白さは、便利を超えたところにまだまだいっぱい潜んでいるのだから。




▲ドーント氏が最初に再生したのはイギリス大手書店「ウォーターストーンズ」。続いてバーンズ&ノーブルのCEOに就任、再生に取り組んだ(2019年記事)。

▲この記事は2018年2月のもの。ここでは「アマゾン・ブックス(Amazonの実店舗)は小売チェーンの未来像」と書かれているが、2022年、Amazonは全米での実店舗を一斉閉鎖。一方、経営不振だったバーンズ&ノーブルは、2023年に30店の新規開店など復興を見せている。
当時「Amazonを駆逐した街の書店」と話題になった。



あとがき

SUNAMO店ではお仕事のため本が買えなかったので、駿河屋池袋乙女館で購入した同人誌を紹介します。X(旧Twitter)で連載されていたので、ご存知の方もいらっしゃるかも。同人誌ガンバレ! 
『同人女の感情』真田つづる著