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何度でも読みたい。

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何度でも読みたい。noteで読ませていただいた、そんな記事をまとめています。
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2022年2月の記事一覧

冒険研究所書店は「不自由の牢獄」

冒険研究所書店は「不自由の牢獄」

ミヒャエル・エンデの作品のひとつ「自由の牢獄」は、ある男が無数のドアがあるふしぎな空間に落とされ、どれでもひとつのドアを自由に選ぶことができるが、結局どれを選ぶこともできずに永遠の時間をそこで過ごす、という話。

無限の自由を与えられると人間は不自由になってしまうという、文明批評的な童話だ。

なぜ際限のない自由を与えられると、不自由に陥るのだろうか。その理由の一つは「選んだもの」ではなく「選ばな

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直視をし過ぎない

直視をし過ぎない

今日はちょっとわけのわからないことを書かせて下さい。

昔、武道をやってらっしゃる方の本を読んだことがあるのですが、その人が「ある問題を直視しない重要性」を話していたのです。

どういうことなのかというと、武道や武術、そしてスポーツなどもそうだと思うのですが、いわゆる「技を磨いていくのに、自分の身体感覚についてすごく敏感でなければいけない人達」なわけじゃないですか。たとえば、「この技を使う時に、足

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2022.2.25 オニオンスープ、料理の時間

2022.2.25 オニオンスープ、料理の時間

ひたすらたまねぎを炒めてブイヨンで伸ばしただけのシンプルなたまねぎスープです。粉チーズと胡椒を振って、薄切りバゲットを添えました。ブイヨンは顆粒をごく少量使っています。もちろんオニオングラタンスープにしてもおいしい。作るということからいうと、ゆっくり炒めるとたまねぎが別のものになっていくところが面白いのです。

昨晩は、樋口直哉さんの新刊記念イベントをオンラインで視聴しました。今回の本のデザインと

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好きな道具で、その日を気持ち良く始める。硝子工房クラフト・ユーが届ける、愛らしいガラスたち

好きな道具で、その日を気持ち良く始める。硝子工房クラフト・ユーが届ける、愛らしいガラスたち

ー作り手今回ご紹介する硝子工房クラフト・ユー(徳間保則)さんは、耐熱ガラスを素材としたティーポットやカップ、キッチンアイテムを制作されています。丁寧な手しごとから生まれるおおらかな丸みが美しいフォルムと、暮らしの道具として欠かせない機能性が魅力です。

ブランド名は「自作の工芸品(クラフト)をあなたに(ユー)に届けたい」という思いから名付けられました。切れ味抜群の醤油さし、ポット内の対流を助け茶葉

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2022.2.20 れんこんとアスパラの味噌汁、キャベツは白菜で代用できますかと聞かれたときの気持ち

2022.2.20 れんこんとアスパラの味噌汁、キャベツは白菜で代用できますかと聞かれたときの気持ち

れんこんとアスパラの味噌汁。アスパラが一本だけ残っていたので、れんこんと組み合わせて味噌汁にしてみました。れんこんは薄く切ってシャキシャキした食感を残します。白いれんこんと緑のアスパラが爽やかで、ちょっと春を感じさせる味噌汁になりました。れんこんをじゃがいもに変えてもおいしいと思います。

料理家あるあるなのですが、仕事で出したレシピに対して「材料の〇〇は別の何かで代用できますか?」と編集者に聞か

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編集者がこだわる文字・書体

編集者がこだわる文字・書体

フォレスト出版編集部の寺崎です。

先日、編集者がこだわる「紙」というテーマで記事を書きましたが、今日は「文字」をテーマに考えてみたいと思います。

読み物が中心の編集者の場合、とにかく「文字」を読むことが仕事です。年間の刊行点数×校正回数をザっと計算したら、年間300万文字前後は読んでいることになるでしょうか。

WORDで編集している段階はMS明朝、MSゴシックとか、とくにこだわりなく設定して

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冒険と読書

冒険と読書

昨年5月より「冒険研究所書店」を開設し、おかげさまでたくさんの取材などをしていただいた。

取材となると、インタビューを受ける訳だが、まず100%聞かれるのが「なぜ書店を始めようと思ったんですか?」というものだ。冒険家が書店を始めた、というのが皆さん相当に疑問のようだ。

例えば、私がもともと出版社に勤めていて、会社を辞めて書店を始めました、という人物であれば、おそらくここまで「なぜ書店を始めたん

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2022.2.10 白菜の塩しょうがスープ、家事の未来

2022.2.10 白菜の塩しょうがスープ、家事の未来

白菜の塩しょうがスープ。昨晩冷蔵庫がかなり寂しく、白菜と冷凍してあったひき肉、たっぷりのしょうがを使ってうちの定番スープにしました。50gものしょうがを使うレシピですが、今朝は少し残っていい感じになっていたところに、さらに針しょうがを追加。ほかほか温まります。

現代思想の別冊『家政学の思想』をつまみ読み。阿古真理さんと藤原辰史さんの対談が非常に面白かったです。

家事は大変だとみんなが言います。

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個性的であろうとせずとも人はみな。

個性的であろうとせずとも人はみな。

猫もウサギもそうだと思うけど、ひとまず犬を例に書く。

犬の飼い主はみな、自分ちの犬を特別な目で見ている。そりゃあ、よその犬とは違うさ。というのは当たり前の話だけれども、ぼくが言いたい「特別」は、ちょっとだけ意味が違う。飼い主みんなにアンケートをとったわけじゃないので当てずっぽうの話にはなるものの、ひとつ確信をもって言えることがある。

犬の飼い主はみな、自分ちの犬を「ちょっとヘン」だと思っている

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唯一無二!貴重な原画をどう再現するか⁉ 最新スキャナーのディープな話【大人の工場見学・精興社】

唯一無二!貴重な原画をどう再現するか⁉ 最新スキャナーのディープな話【大人の工場見学・精興社】

絵本づくりを支えてくださっている、印刷会社さん・製本会社さんの職人技やこだわりの工夫。「縁の下」ならぬ「本の下」の力持ちな皆さんのすばらしさをお伝えしたい…! そんな思いでスタートをした、連載第2回目。

前回に引き続いて今回も、絵本印刷の老舗・精興社さんにお話を伺いました。

今回は印刷ではなく、絵本の原画をどうやって印刷データにしているのか?という部分。1回目に引き続き……いや、むしろそれ以上

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