北極冒険家 荻田泰永

2000年よりカナダ北極圏やグリーンランドで徒歩を中心とした冒険を行ない、これまで北極…

北極冒険家 荻田泰永

2000年よりカナダ北極圏やグリーンランドで徒歩を中心とした冒険を行ない、これまで北極と南極を10000km以上を踏破。2019年3月出版した「考える脚」で第9回梅棹忠夫・山と探検文学賞。日本人初の南極点無補給単独徒歩到達に成功。第22回植村直己冒険賞

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冒険家の存在意義とは何か?

冒険の意味?冒険や探検に対して、「意味」「価値」というものを付随させて考えることが多くある。 「そんなことやって何になるの?」 「今さら未知の場所なんてないでしょ。時代遅れ」 冒険や探検をしない人からしてみれば、あえて危険(に見える行為)を望んで行うことが理解できないため、きっとそこには特別な理由があるからに違いない、その理由とは何なんだろう?そこにどんな意味を持っているのだろう?という疑問が出てくるのだが、考えてもよく分からないので「意味ないじゃん」と切り捨てる。

    • これからやるべきこと

      今年の100マイルアドベンチャーの募集を5月24日に行った。 「募集開始日不告知かつ先着順」といういつも通りの方法だったが、開始から7分で定員に達して募集終了。 その後も、私の耳には7−8人の方から「行きたいと思ってチェックしていたが、逃してしまった」「毎日チェックしていたのだが、そのタイミングだけどうしても仕事で見れなかった」という声を聞いている。 直接聞こえてくるだけで既にその数なので、その向こう側には、何人も何十人もいるはず。 12年続けてきて、今年で13年目の

      • 私と世界の応答と行動

        昨日の渋沢さんとのトーク。終わった後に、反省しきりでした。 「私の範囲」という話が昨日は出ました。 終わった後に、その部分こそが話を掘り下げるべきポイントだと感じ、なぜトークの間に、そこを深めていかなかったんだ、と落ち込んでいます。 昨日の話の中にあった、忘れ物をした人を追いかけて、馬子が何日も宿場町を探して歩き回った話。 渋沢さんは、本当に「私の範囲」が広い方だと感じています。皆さんも感じていると思います。 だから、優しさも感じるし、厳しさも感じるし、懐の奥深さを

        • 経済活動と環境問題をどう両立するか。外苑前にてクロストーク開催。

          2020年12月。まだ、冒険研究所書店が「書店」になる前から行っている「冒険クロストーク」の、第2回目に登壇していただいたのが、渋沢寿一さんでした。 渋沢さんは、あの渋沢栄一の曾孫にあたる方。 あの時のクロストークでは、前半に渋沢さんから講義をいただき、後半に私やお客さんたちとのディスカッションや質問を受けていただきました。 とにかく、すごい講義だった。 「里山資本主義」として紹介されて、全国的にも有名になった岡山県真庭市の、木質バイオマスを利用した地域内経済循環を推

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        • 北極冒険家が考える「人はなぜ冒険するのか?」
          72本
        • 冒険研究所書店
          40本
        • 北極冒険家の読書、映画、評論
          21本
        • 北極冒険家が教える「準備と実行」
          4本

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          独立系書店のオンラインストア運用の実際の話。利益はいくら出たのか?

          冒険研究所書店を2021年5月24日に開店させて、そろそろ丸3年。 神奈川県大和市の実店舗での営業に加えて、開店から1ヶ月半ほど経った2021年7月初旬から、オンラインストアの営業も開始しました。 ネットの書店といえば、Amazonに代表されるものがたくさんあります。大手のネット書店だと、他のサービスと組み合わせると送料無料になったりと、まともに闘えばネット書店には叶わない。 果たして冒険研究所書店がオンラインストアを始めるにあたって、どのくらい利用してもらえるのか全くわ

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          800〜
          割引あり

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          100マイルアドベンチャーを語る夜

          来週、5月16日(木)の夜は、新宿で100マイルアドベンチャーに関しての少人数トークを行う。 場所は、歌舞伎町のバー。私の友人で、以前は北極点挑戦の時の日本事務局なども務めてくれた仲間の店です。 Facebookのイベントページです。内容は下記に。Facebookやってなくて、参加したいけど申し込み出来ない、という方がいればこちらに人数などコメント残してください。 100マイルアドベンチャーも今年で13年目。 これまでたくさんのことがあった。 なぜ、旅が必要なのか。

          100マイルアドベンチャーを語る夜

          尊重という名の包摂が招く「巧妙な排除」

          来週5月17日(金)に、神保町の東京堂書店であるイベントに登壇する。 こちら↓↓↓↓↓↓↓↓↓ 2004年に、32歳の若さで悪性リンパ腫により亡くなった、歴史学者の保苅実。彼が生前に遺した唯一の単著「ラディカル・オーラル・ヒストリー」は、オーストラリアのアボリジニの歴史観をつぶさに検証した名著として知られ、その独特の研究内容は今でも読み継がれている。 保苅実が世を去って20年。彼が高校生から大学生、そして、駆け出しの研究者として発表してきた論考などをまとめたのが、先月4月

          尊重という名の包摂が招く「巧妙な排除」

          子供達との旅を行うために大切にしていること

          今年の100マイルアドベンチャーのロケハンを終了し、いよいよルートの最終調整に入っている。 今年で13年目となる100マイル。 開催地を毎回日本各地で変えているが、ルートを作るのも大変な作業だ。 ルート作成にはいくつかの段階がある。 ①まずは、地図上で大まかにスタートとゴールを決める。 過去の例で言えば、昨年2023年だと「今年は九州に行こうかなぁ」と、まずは漠然と決める。 Googleマップを見ながら、九州の中でどこのあたりを歩こうか。どこが楽しいだろうか。ここ行っ

          子供達との旅を行うために大切にしていること

          一年前のつぶやき。書店の必要性はわかるが、自分はどうなんだ?

          一年くらい前に、Twitterにこんなことを書いていた。 書店の必要性を考える人がいる一方で、アマゾンあるから書店いらないじゃん、と考える人がいる。書店サイドの人は、いらないという人にその良さを語ろうとするが、書店がいらない人のいらない理由を置いてけぼりにしてないか?必要である理由だけを叫んでも、いらない人はいらないのだ 書店の世界にいる人は、書店についてそれを叫ぶが、そう叫んでいる人は別の業態に対して同じことしていないか?商店街の八百屋さんよりもイオンの野菜の方が安いか

          一年前のつぶやき。書店の必要性はわかるが、自分はどうなんだ?

          冒険のスポンサー企業とどのように出会い、どんな姿勢で資金を集めてきたか

          冒険にはお金がかかる。 私が長年行っている極地冒険も、どんな計画を行うかで必要な資金のボリュームもさまざまに変化する。 2000年、22歳から始めた極地冒険であるが、若い頃はなるべくお金がかからないよう、カナダ北極圏やグリーンランドの、イヌイット(エスキモー)の集落を繋いで歩くような冒険を中心に行っていた。 若いころの北極行に必要な費用は、一回の遠征に150万円から200万円ほどだった。 内訳としては、日本から現地の村までの渡航費。途中での宿泊、移動費。新しく調達する装

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          100マイルアドベンチャ−2024始動。募集開始日不告知かつ先着順である理由

          noteでもこれまで何度も「100マイルアドベンチャー」については書いてきましたが、今年も開催します。 改めて、100マイルアドベンチャーとは、2012年から私が継続して毎年開催している、小学6年生限定の夏休みの冒険旅。 100マイル(160km)を10日ほどかけてキャンプしながら踏破する、冒険の旅です。 毎回、開催ルートを変えながら行っています。これまで過去12年のルートは以下。2018年からは2回開催するようになっています。 2012年 網走〜釧路 2013年 東

          100マイルアドベンチャ−2024始動。募集開始日不告知かつ先着順である理由

          冒険ワークショップをやろうかと思っている

          冒険研究所書店を2021年5月に初めて、そろそろ丸3年になる。 これまでの経験や知見を社会にも広げていくために、冒険ワークショップのようなことを考えてみようかと思っている。 冒険のステップとしては、まず ①主体的に計画 を行い、次に ②計画の潜在的な危険性を予測 して ③自分の能力が計画に対して対応可能か を判断し、ようやく ④準備 を行い ⑤計画を実行 する。そして最後に、その結果を ⑥何かしらの形にまとめて報告する その一連の流れを、私やゲスト講師の話を元に考えて「

          冒険ワークショップをやろうかと思っている

          夜桜の下で、映画上映会

          4月4日の夜は、冒険研究所書店の目の前で「桜の木の下映画会」第2回を開催しました。 小田急線の桜ヶ丘駅。書店はその東口にあります。そこには、小さな駅前のロータリーがあり、中央には立派な桜の木が2本立っています。 桜ヶ丘駅の象徴的な桜で、ちょうど今の時期は桜が満開。非常に美しく咲いています。 その桜の木の下には、小さな広場があり、円型のベンチが置かれ、憩いの場所となっていますが、特に他に活用されることもない。 以前から、この桜の木の下で何かやりたいなぁ、活用したいなぁと

          夜桜の下で、映画上映会

          感情を磨き、人間になれ

          昨日、小学校6年生たちに北極の講演をした。90分間、北極の自然や動物、冒険の様子をクイズを交え話した。 最後に、時代の変化の激しい今を生きる子供たちに「時代に取り残されないために」どうすべきか伝えたことは「時代を追うのではなく、時代が変化しても変わらないものを大事にしてほしい」と話した。 冒険心や挑戦心、人に対する優しさ、素敵な笑顔、仲間を大切にすること、100年前も100年後も、ずっと変わらない「人間の感情」を磨いてほしい。 2024年の最先端は、2025年には古くなる

          感情を磨き、人間になれ

          人間40過ぎたら、あとは余生なんですよ

          40歳を過ぎてくると、それまで自分の道をひたすら邁進していた人が「若い世代のために」「自分のことよりも社会に」と言い出す人が多い。 もちろん、そうではない人もいる。 私の周囲にも、登山や冒険の界隈の人で、かつては「冒険に社会性なんてない。社会と関わらない方がより美しい行為ができる」と断言していたような人物が、40歳を過ぎてしばらくした頃から「若い奴らのために」という言葉が出るようになり、ずいぶんと変わってきたもんだ、と思ったこともある。 40歳というのは、あくまでも分か

          人間40過ぎたら、あとは余生なんですよ

          知的情熱を体で表現する。読書と冒険の関わり

          岩波書店「図書」2023年1月号に寄稿した文章です。 読書との出会い、冒険との出会い。そこに関わる本の思い出。 知的情熱を体で表現する まだ私が極地冒険と出会う前のこと。自分には何かできるはずだという根拠のない自信だけを抱えながら、自分がいる場所から一歩も動けずにいた大学生の私は、本の中に未知の世界を求めていた。 思えば、活字を積極的に読むようになったのは中学生の頃。三年生の時の担任で国語を教える三上先生が、何かの拍子に私に本を貸してくれた。確か、日本人作家の推理小説だ

          知的情熱を体で表現する。読書と冒険の関わり