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北極冒険家の読書、映画、評論

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記事一覧

知的情熱を体で表現する。読書と冒険の関わり

岩波書店「図書」2023年1月号に寄稿した文章です。 読書との出会い、冒険との出会い。そ…

冒険者は城壁の中より逃走し、帰還して語る

6年前の今日(1月5日)、無補給単独徒歩で南極点に着いた。 もう6年か、早いものだ。 そ…

「北極男 増補版 冒険家はじめました」発売決定!

2013年に出版した、私の最初の著作「北極男」が、増補版として文庫で復刊します! 発売日…

街の中での書店の役割。購買と投票の同一性

私が書店を始めて2年半になる。 神奈川県大和市に「冒険研究所書店」をオープンさせたのが、…

冒険と読書の同一性。主体性の話し

探検とは何か  今から100年以上前の1911年12月。ノルウェーの偉大な探検家、ロアル…

「PIHOTEK 北極を風と歩く」が 第28回 日本絵本賞「大賞」受賞。 文章に込めた想い

昨年の夏に出版した絵本「PIHOTEK ピヒュッティ 北極を風と歩く」が、このたび第28回日本絵…

絵本を作って感じたこと。その深淵な世界

作家の井上奈奈さんとの共著により、昨夏に出版しました絵本「PIHOTEK ピヒュッティ 北極を風と歩く」 現在、全国学校図書館協議会が主催する、第28回「日本絵本賞」の最終候補作にノミネートされています。 ※5月17日に追記 最終候補にノミネートされていました「PIHOTEK 北極を風と歩く」が、第28回日本絵本賞において最高賞となる「大賞」の受賞が決定しました。! 今回の絵本は、私も共著者として名を連ねていますが、とにかく素晴らしい作品になりました。北極という、モノト

新刊絵本「PIHOTEK ピヒュッティ 北極を風と歩く」発売しました

8月9日に発売した私の新刊絵本「PIHOTEK ピヒュッティ 北極を風と歩く」 もうすでに、たく…

新作絵本「PIHOTEK ピヒュッティ 北極を風と歩く」出版決定!!

一年以上前から制作に取り組んでいた、絵本の出版が8月9日に決定しました。 私が文章、冒険…

人間の土地へ

9月25日に発売になった小松由佳さんの新刊「人間の土地へ」を読んだ。 日本人女性初の高峰…

江戸時代の免疫システムとしてのオランダ東インド会社

西洋探検の歴史は、資本主義経済史と裏表でもある。 かつて「探検家」という存在は資本主義の…

日本人的「今後ともよろしくお願いします」の真意

ここ最近は仕事もなくなり、冒険研究所での子供受け入れも無くなっているので、やることがない…

日本人の意識構造

ここ最近は、本ばかり読んでいる。2月下旬から、イベント事や講演などがことごとくキャンセル…

私は私ではない、だから私である

鈴木大拙「日本的霊性」を、この半年くらい読み返している。 鈴木大拙は、1870年に石川県に生まれた仏教学者。堪能な英語を駆使して、多くの英語著作も残し、欧米に広く「禅」「仏教」を紹介した。1963年にはノーベル平和賞の候補にもなっている、日本を代表する文化人と言える。 「日本的霊性」は、1944年(昭和19年)に出版された。日本が戦争で負けることを予期していた鈴木大拙は、当時盛んに叫ばれていた「大和魂」「日本精神」といった、軍部に都合よく利用されたスローガンではない、精神