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北極冒険家 荻田泰永
2020年5月10日 01:07
ポリニアの危険性前回、ルート上にあるポリニアについて少々話した。ポリニアの危険な点としては、場所によって見た目では存在を捉えられないものがあるということが挙げられる。北極において、海の表面で凍結した海氷の上を歩くとき、多くの場合その氷の上をさらに雪が覆っている。それが、場所によっては地形の影響などを受けて、春先に表面の雪が溶ける前に氷から先に削られるように溶けていく場合がある。潮流の早
2020年5月8日 21:54
前回は、2016年の春に新しい北極徒歩遠征としてカナダからグリーンランドへの単独行を実行しようと思いついたところまで話した。では、具体的に「どのルートを通るか?」をどのように選択していくかを話していきたいと思う。これこそが、最初に行うべきことでありながら、計画において最も重要な事となる。改めて、ルートの全体を示すと以下のようになる。オレンジ色の破線で示したルート。出発がカナダ最北の集落
2020年5月3日 15:59
極地での徒歩冒険をどのように計画し、準備を進め、実行に移していくかを細かく解説していきたいと思っている。さて、どのように進めるかは暗中模索であるが、まずは計画を進める以前の遠征の大枠を見ていきたいと思う。冒険の最大の目的は「無事にゴールすること」であるが、「ゴールすること」よりも「無事に」がより重要であることは言うまでもない。死なずに帰ってくることを最大の目標とし、その最低ラインを堅持しつ
2020年5月2日 23:17
世の中の人の目には「冒険家」と自称する人間はどのように映っているのだろうか。気になる訳ではないが(ちょっとはなるけど)もしかしたら「冒険家って夢とロマンに溢れているんでしょうねー」とか「あんまり物事を深く考えずに、怖いもの知らずでオラオラどこでも入って行きそう」と思われている節を感じない訳でもない。結論から言うと、怖いもの知らずでオラオラ行けばすぐ死んでしまう。では、一体何を考え、何に