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ボツネタ御曝台【エピタフ】混沌こそがアタイラの墓碑銘なんで#040



元歌 アニメ主題歌「ゲゲゲの鬼太郎」

ゲッゲッ ゲゲゲのゲー
朝は寝床で グーグーグー
たのしいな たのしいな
おばけにゃ学校も
しけんもなんにもない


毛 毛 ホクロの毛
まめに切っても ボーボーボー
不思議だな なんでだろ?
あのちゃんに訊いてみよ
DMしても返事がない




「ヘアスタイル変えたのか? あのちゃん」

違います! あのちゃんじゃありません!

「だよな、こんなぶっ飛んだイメチェンしたらトップニュースになってるもんな」

……

しかし、返事無いみたいですね、ホクロ毛の件

「訊くんじゃないよ、あのちゃんに! 忙しいんだよ、あのちゃんは!」

いや、忙しくなくても訊いちゃダメでしょ、こんなくだらないこと

「そうだよ、それでなくてもブチギレ案件が山積みなんだから、あのちゃんは」

ファンだったら、なるべく迷惑をかけないように、黙ってCDを買って、静かにライブに参戦するべきですよね

「いや、ライブは叫べよ! 静かにしてないで!」

じゃあ、あのちゃんのライブのMC中に、ずっとあのちゃんに向かって話しかけちゃうのは?

「それはダメ! それは絶対ダメ! ラジオでも怒ってただろ! あのちゃん」

……

自慢じゃないですけど、アタイなんてタイムマシンで令和時代に行ったとき、あのちゃんのアルバムCDを3枚も買っちゃいましたもんね~

「何だよ、すんげーファンじゃねーかよ」

はい、CDの1枚目は聴く用に、2枚目は部屋に飾る用に、そんで3枚目はカラス除けに使っています

「謝れ! あの様に謝れ!」

だって、あのちゃんとおんなじで、自分にしか見えないカラスの群れがベランダにやって来るんですもん

「だったら、カラスの群れについて訊いてみろよ、ホクロ毛の件じゃなくて」

いや、あのちゃんには負担をかけたくないので、かわりにアノニマスに訊いてみます

「やめろ! 返事が来ちゃったら、それはそれで怖いだろ!」

……

あっ、ヤバい、忘れてた!

「どうした?」

DMについて散々話してきましたけど、この後の展開では、アタイラはメールの存在を知らないという設定になってるんですよ!

「何だよ、マズいじゃねえかよ」

はい、なので皆さん、今までの会話は無かったことにしてください

「よろしくお願いします」

DMって何のことでしょうね~

「何だろ? DMって」

壇蜜のことじゃないですか?

「いや、大地真央だろ」

もしかしたら〈童貞モラトリアム〉のことじゃないですか?

「違うわ!」

でも、〈童貞モラトリアム〉って、あのちゃんのアルバムに入ってそうですよね?

「そんな曲無いわ! 〈童貞モラトリアム〉は椎名林檎だわ!」





寝ているのか、起きているのか、はっきりしないまどろみの中で、アタイはある事を思いつきました

アタイは、上体を起こしながら思わず叫びました

そーだ!!!

「な、何だ!? 「そーだ!」って、京都行くのか?」

違います、行きません、京都には

「そうだよな、アタイラなんて京都行っても、土産屋の木刀くらいにしか興味を示さないもんな」

イイ考えを思いついたんですよ

「京都に行かなくても木刀が買える方法?」

違います! モナドンですよ! モナドン!

「ああ、モナドンね、で、どんな考えだよ」

それは、えーと……あれ? 何だったっけな~

えーと……

……

……

そーだ!!!

「な、何だ!? 「そーだ!」って、京都行くのか?」

違います、行きません、京都には

「そうだよな、アタイラなんて京都行っても、土産屋の木刀くらいにしか興味を示さないからな~」

イイ考えを思いついたんですよ

「京都に行かなくても木刀が買える方法?」

違います! モナドンですよ! モナドン!

「ああ、モナドンね、で、どんな考えだよ」

それは、えーと……あれ? このくだり夢で見たな~

「夢?」

はい、起きる直前まで見ていたんですよ、今の会話と全く同じやつを……

「正夢じゃねーかよ」

そうですよ、そんで先輩に、どんな考えが思いついたんだって訊かれて、それを思い出そうとしている途中で目が覚めちゃったんです

「へえ~、そうなのかぁ~、で、その考えってのは、何なんだよ」

それはですねぇ……あれ? 何だったっけな~、さっきまで覚えてたのにな~

えーと……

……

……

そーだ!!!

「な、何だ!? 「そーだ!」って、京都行くのか? って、もうイイわ! もうイイ加減飽きたわ!」

すいません、『失われた時を求めて』のマネをして、寝ているのか起きているのかハッキリしない、まどろみの状態を20ページくらい描写しようと思ったんですけど、何も浮かんできませんでした……

「20ページ? バカだな~、noteにはページなんか無いんだよ」

そうなんすか? ノートなのに?

「noteな」

マジっすか!? ページが無かったらパラパラ漫画作れないじゃないっすか!

「さっきまで、プルーストのテクニックをマネしようとしていた奴とは思えない発言だな」

イイんです! プルーストさんも「文学はテクニックではない、問題なのは、ビジョンの質だ」みたいなことをいってましたもん

「だから、お前のビジョンはパラパラ漫画程度だってことをいってんだよ」

あそっか、そういうことか、納得しました

……

「背伸びしてプルーストのマネなんかするんじゃねーよ、アタイラにはな、下ネタがお似合いなんだよ」

アルベルチーヌ・下ネタね

「アタイラもアルベルチーヌ・シモネみたく、愛されて愛されて愛され続けて、その果てに死んでも何んとも思われないような女になりてーよな」

そう、黒澤明の『生きる』っぽい葬式で「下ネタしかいわない人でしたな……」なんていわれたいですよね

「そんでそのあと、みんな押し黙っちゃって……他は特にいうことないから」

イイですよね、そんな人生

「うん、そんな無駄な人間として一生を終えたいよな」

……そんなものに私はなりたい





そうそう、思い出したんですよ

「何を?」

レディース総長の兄貴ですよ

「ああ、いたな」

いたでしょ、額のホクロから毛が生えている兄貴

「ホクロ毛の件は知らねえけど、いたな」

その兄貴が、パソコンを自分で作っちゃうようなマラリアで

「マニアな」

だから、総長の兄貴に頼めば、何とかしてくれるんじゃないかと思って

「よし、とりあえず電話しろ、総長に」




アタイは、後輩のレディース総長に電話をかけました

「あっ、お疲れ様で~す」

寝てたか?

「はい、昨日の夜、集会だったんで」

わりいな

「いえ、大丈夫っす」

ところでお前、兄貴いたよな、ホクロから毛が生えてる

「はい、いますけど、ホクロの毛のことはいわなくてイイでしょ」

今すぐ遊びに来いよ、兄貴もさそって

「何ですか急に、住所さえ教えてくれなかったのに」

しょうがないんだよ、背に腹は代えられない感じなんだよ、こっちは

「ああ、でも多分無理っす」

何でだよ

「兄貴、最近、部屋から出てこなくなっちゃったんで……」

マジか! ホクロの毛が伸びすぎて部屋から出られなくなったのか!?

「違いますよ! 『アキラ』の鉄雄じゃないんですから! そんな急激に増殖しませんよ!」

とにかく、ダメ元でもイイからさそって遊びに来いよ、今すぐ

「うーん、わかりましたけど、とりあえず期待しないで待っててください」





そんなわけで、後輩のレディース総長がアジトにやって来ました

……

「お邪魔しま~す」

あれ? ホクロ毛は?

「はい、やっぱダメでした、行きたくないって」

……

良かった~

「何でですか!」

いや、いい忘れてたんだけど、この家って知能の高い部外者が侵入しようとするとレーザー光線で攻撃しちゃうみたいなんだよ

「忘れないでくださいよ! そんな大事なこと!」

わりい、わりい

「てことはアレですか? もしも、兄貴を連れて来ていたら、今頃兄貴は……」

〈まっくろくろすけ〉だな

「リ、リアルまっくろくろすけ……」

実写版まっくろくろすけ……

……

「え? じゃあ、自分が今生きてるってことは……」

知能が低いってことだな、猫並みに

「良かった~! 助かった~!」

よかったな、猫並みで

「はい! 良かったっす! バカで得することってめったに無いですもんね!」

「猫並みで良かったっす! ちょっと複雑ですけど、良かったっす!」

……

ところで、手に持ってるそれは何だ?

総長は、プラスチックのカゴのようなものを手からさげていました

「これっすか? 子猫です、ひさしぶりにご対面させようと思って、イイですよね?」

おう、イイよ、イイよ、遊ばせろ

……

「ほらよ、毒マムシ、お兄ちゃんだぞ、遊べ遊べ」

総長は、そういいながらキャリーケースという名前のカゴから子猫を誘い出しました

おい! お前、今なんていった!?

「え? ……「遊べ遊べ」っていいましたけど……」

ちげーよ、その前だよ

「お兄ちゃんだぞ?」

違う、もっと前

「ほらよ?」

お前、わざとやってるだろ!

「だって、これコントですよね? だから面白い方がイイかなと思って……」

イイんだよ、そんな気を使わなくて、お前は素のままで十分おもしれーんだから

「そーすか? まあ、じゃあ、……〈毒マムシ〉?」

何なんだよ、その名前は!

「マムシって元々毒があるじゃないですか、それにあえて〈毒〉をつけることによって、何ていうんでしょう、凄味? 近づいたらヤバいことになるぞ! って感じをかもし出そうと思って……」

名前の解説を訊いてるんじゃねえんだよ! 何で子猫に〈毒マムシ〉なんて名前を付けるんだっていってんの! しかもメスだぞ!

「可愛いだけじゃ、なめられると思って……」

イイんだよ! 猫はなめたりなめられたりするのが仕事なんだから!

「でも、レディースのメンバーたちなんかは「気合入ってる名前っすね!」とかいってほめてくれましたよ」

だろうな、全員バカだからな!

「じゃあ、どうすればイイんすか?」

そうだな、とりあえず〈マム〉にしろ、〈マムちゃん〉だな

「マムちゃん……はい」

で、お前、マムちゃんの名前の由来を訊かれたら何て答えるんだ? 

「そりゃあ、あれですよ、マムシってのは、元々毒あるのに、そこにあえて〈毒〉をつけることによって……」

だから、それじゃ意味がねーんだよ!

「だったら何ていえばイイんすか!?」

そうだな、産まれた時に、カントリーマアムのチョコチップクッキーみてえな顔してたから、略して〈マム〉、それでいけ

「そっちのほうが酷くないっすか!?」

……

イサオとマムは、お互いにニオイを嗅ぎ合うと、直ぐにくんずほぐれつのじゃれ合いを始めました

……

「イサオって何か小っちゃくないっすか?」

え? そ、そうか?

「そーっすよ! 明らかに小っちゃいっすよ!」

ち、違うわ! マムがデカすぎるんだわ!

「ええ! そうなんですか!」

こりゃあ、巨人症だな、ほっとくと〈アンドレ・ザ・ジャイアント〉みてーにデカくなっちまうな、多分

「ええー、ヤバいじゃないっすか! そんなにでデカくなったら餌代が大変なことになちゃいますよ!」

大丈夫だ、イイ動物病院知ってっから、後で教えてやるよ

「やったー! ありがとうございます!」

……

イサオとマムはひとしきり遊びまわった後、陰陽マークのように寄り添いながら眠り始めました

アタイラと総長は、その姿をしばらく眺めてから二階へと上がって行きました





どうだ?

「普通のパソコンっすね」

やっぱ、そうか

「うわ! 何だこれ! ね、粘着テープ!?」

うん、ゴキブリホイホイみてーなものだな

「ゲッ! 髪の毛がついてる! 気持ち悪っ!」

いるんだよ、うちには、長髪のゴキブリが

……

どうだ? 何ともないか?

「何がですか?」

ボタンだよ、このタイプライターみてーなボタン

「ああ、キーボードですね、ごく普通のキーボードですけど……」

噓つけ! 順番が滅茶苦茶だろ!

「ああ、アルファベットの並びね、これはアルファベットの順番じゃなくて、よく使う文字とか指の位置なんかで決まってるらしいですよ」

何だよ、そうだったのかよ、ビビッて損したわ!

……

しかし、お前、バカなのにパソコンには詳しいよな

「そりゃあ、パソコンマニアの妹ですから、人並み程度には……」

ふ~ん、で、この横棒の端っこで点滅している四角なんだけどな

「パスワードですね、これは」

ぱすわあど?

「鍵ですね、自転車に付けるダイヤル式のケーブルロックみたいなもんですよ」

どうやって開けるんだよ

「う~ん」

1から順番に確かめてみるのは?

「ダメです、そんなことしたら天文学的な時間がかかってしまいます」

……

総長はしばらく考え込んだ後、携帯で兄貴に電話をかけました

「あっ、兄貴さあ、パスワードなんだけどさ~、うん、うん……わかった」

そして、おもむろにキーボードなるものを打ち始めました

「えーと、p、a、s、s、w、o、r、d、っと、エンター!」

おおおお!!!

「はい、入れました!」

す、スゲーな、お前! 見直したぞ!

「しかし、あれっすね、人をレーザー光線で焼き殺す奴とは思えないセキュリティの甘さですね」

……

そんで、この中にモナドンって奴はいねーかな?

「モナドン?」

そう、そいつと話したいんだよ

「そうすると、メールかな?」

メール?

「はい、電子メール、手紙ですね」

総長は、そういいながらメールと書かれた箱を開くと、リストのようなものを確認し始めました

「あっ! あった!」

ホントだ! モナドンだ!

「しかし、この宛先リストにあるモナドンって誰なんですか?」

ん? そ、それは~、え~と、モナ王がトッピングされた〈うどん〉のことだな

「へえ、それって、温かいのか冷たいのかわかんない奴ってことですか?」

まあ、そういうことだな、AIだからな

……

「どうします? メールでも送ってみます?」

おう、送ってくれ、送ってくれ

「何て送ります?」

う~ん、「お前は誰だ!」……かな

「いや、誰だって、モナドンでしょ?」

イイんだよ、うるせーな

「あとは?」

好きな食べ物は?……とか

「好きな食べ物って、小学生の合コンじゃないんですから」

違うんだよ、内臓があるかどうかを知りてえんだよ

「内臓はあるでしょ、普通、誰でも」

そういいながら総長はメールを作成しました

……

「送ってイイですか? どうします? 送るんですか?」

うーん、そんな風に面と向かっていわれると……

先輩、どうします?

あれ? 先輩?

……

でたよ、静かだな~と思ったら『暴力大将』読んでるよ~

飽きるの早いですよ、先輩!

「わりい、今イイとこだから、後で面白いところだけ見繕って教えてくれ」

もう、しょうがないなぁ

……

よし、覚悟を決めて送るか

「じゃあ、送りますよ、イイですね?」

おう、送っちゃえ!

「はい、ポチっとな」

わあ、消えた! 消えたじゃねえか、お前!

「大丈夫ですよ、ちゃんと送信されましたから」

送信?

「はい、この電話線を通ってちゃんとモナドンに向けて送られていますから、安心してください」

何で、手紙なのに電話なんだよ

「それは、いちいち説明しないっすけど、ファックスみたいなもんですよ」

ふ~ん、で、返事はいつ来るんだ?

「さあ、すぐ来るかもしれないし、永遠に来ないかもしれません」

いや、それは困るよ、返事が来なかったら話が前に進まなくなっちまうだろ!

「そんなこといわれても、こればっかりは……」

そんなんだったら、読まれやすいようにメールのタイトルをもっと考えた方が良かったんじねえのか?

「例えば?」

夫の遺産を貰ってください! By未亡人より……とか

「ダメでしょ! そんなタイトルにしたら迷惑メールと間違えられるっしょ!」

そうかな~?

……

「あっ、返事来た」

え!? どれどれ……ホントだ!

「めっちゃ早いっすね」

早すぎるよな、もしかしてモナドンの奴、この記事をリアルタイムで読んでるんじゃねえだろうな!?

「じゃあ、メールを開きますよ? イイですね?」

ちょ、ちょっと待てよ、心の準備が……

「もう、メール開くくらいで、なにビビってんすか!?」

いやあ、一回開いちゃえば開いちゃったで割と大丈夫なんだけど、開くまでが何というか、ちょっと恥ずかしいというか……

「なにバージンみたいなこといってんすか! 開きますよ、一気に!」

イヤ~!!!

……

「あっ」

あっ

「何だこれ?」

「認証メールですね」

何だよ、任侠メールって?

「質問に答えて鍵を開けるっていうか、開けゴマみたいなもんですね」

へえー、で、質問は?

「質問は3問あります」

おう、どっからでもかかってこい!

「第1問、あなたはロボットですか?」

ハイ!

「いや、ハイ! じゃないでしょ! ロボットじゃないでしょ! センパイは!」

○×問題は基本全部○なんだよアタイは、そうやって今までのテスト関係は全て乗り切って来たんだよ

「何か、自信満々だな~」

当たり前だろ、全部〇にしたら大体半分くらいは正解してしまうっていう、とんでもない秘密を知ってしまったんだよ、アタイは

「そんなの誰でも知ってますよ、でもね、今回ばっかりは全問正解しないとダメなんです!」

ふん、じゃイイよ、今回は×で我慢するよ

「な~んか、こっちが悪いみたいな感じになってんな~」

……

「ええー、第2問、ウ○○味のカレーとウ○○味のウ○○、食べるならどっち? なんちゅう問題だよ!」

う~ん

「悩まないでください!」

だって、誰のウ○○かによって話は違ってくるだろ?

「例えばの話なんですから、そんなに真剣に考えなくてもイイんです!」

違うんだよ、〈ウ○○〉なんてものは存在しないんだよ、在るのはつねに〈誰かのウ○○〉なんだよ

「なに、ハイデガーっぽいこといってんすか!」

あと、この〈ウ○○味のカレー〉ってのは、1年間カレーしか食べなかった人のウ○○ってことかな?

「いやいやいや、それは100パー〈ウ○○〉でしょ!」

念のため訊いてみろよ、メールで

「ええー、訊くんですか~、嫌だな~、そんなメール作りたくないな~」

失敗は許されないんだろ? だったら送れよ

「わかりましたよ、はい、ほにゃららほにゃららっと、はい、送信!」

あっ、もう返事来た! 早っ!

「「このメールに返信されても受信できません」だそうです」

何だよ、カッコつけやがって、ホントはウ○○してんじゃねーのか? どいつもこいつも肝心なことになると逃げ腰になりやがって!

じゃあ、「おい、お前! 本当はウ○○中なんだろ!?」 ってメールしろ!

「嫌ですよ、もう勘弁してくださいよ~」

「もう、自分が答えちゃいます、はい、〈ウ○○味のカレー〉っと……」

「はい、最後、3問目、えー、『ドーベルマン刑事』は、次の二つのうち、どちらにより近いでしょう? A:『北斗の拳』、B:『暴力大将』……だそうです」

何だよ、この部屋に有る漫画そのものじゃねーかよ、こいつモナドンじゃなくて、暮居カズヤスなんじゃねーのか? 暮居にからかわれてるだけなんじゃねーのか?

「誰っすっか? クレイって?」

お前は知らなくてイイんだよ! イイか? 今のことは忘れろよ! わかったな!

「大丈夫です、どうせすぐ忘れます、記憶力無いんで自分」

……

「で、3問目の答えなんですけど……」

うーん、……Aの『北斗の拳』かな、両方とも原作が武論尊先生だからな

「でも、『北斗の拳』は、間に〈の〉が有りますけど、『ドーベルマン刑事』と『暴力大将』には〈の〉が入ってませんよね、だから答えは『暴力大将』じゃないですか?」

〈の〉が入ってるかどうかなんて、大した問題じゃねーだろ

「そんなことないです、タイトルに〈の〉が入ってないと、スタジオジブリがアニメ化してくれないそうですから」

そうか、『ドーベルマン刑事』はアニメ化してくれねえのか~、宮崎駿に描いてもらいたいんだけどな~、ハンディショットガンで人間の上半身が肉片になるところ

「『暴力大将』はダメかもしんないですけど、〈どおくまん〉には『嗚呼!!花の応援団』がありますから、大丈夫でしょう

そうだな~、〈の〉が入ってるもんな、観てみたいよな~、スタジオジブリ版『嗚呼!!花の応援団』!

「やっぱ、青田赤道の顔も丸っこくなっちゃうんですかね?」

みすずちゃんがスゲー美少女になってたりしてな

……

「で、どうするんですか? 答え」

うーん、今回は自分を信じて……Aの『北斗の拳』!

「はい、Aですね、ポチッとな!」

「あっ、クリアした! やったー!」

「うわっ、何か来た!」

何だ?

「チャットの招待状ですね」

何だよ、チャットって?

「あれっすね、文字で会話する電話みたいなもんですね」

エッチなやつだろ? 「チャットそこのおにいさ~ん、チャット寄ってかな~い♡」みたいな?

「まあ、そんなのも無きにしもあらずですが……」

とりあえず教えろよ、チャットとかいうやつのやり方

……

アタイは、総長から〈かな入力〉を教わりました

……

うん、何となくわかったよ、ありがとな

……

「え? な、何すか?」

お前、もう帰れ

「えええー! マジっすか?」

これ以上深入りすると、お前の命が危ないんだよ

「ホントに? 何か、そんな殺伐とした雰囲気じゃなかった感じですけど……」

イイから帰れ

「はい、じゃあ、帰りますけど……わかんないことが有ったらいつでも電話してくださいね」

……

後輩のレディース総長が帰った後、アタイは、モナドンに向かって単調直入に切り出しました

……

くれいかずやすのひみつをおしえろ

「申し訳ございません、その件についてはお答えすることができません」

なんで

「申し訳ございません、お答えできない理由についても、お答えすることはできません」

何だよ、Kポタと同じようなこといいやがって!

……

じやあどおすればいいんだよ

「周辺的かつ間接的で、秘密事項とは直接関わりの無い情報でしたら、お答えすることができます」

とりあえずなんでもいいからおしえろ

……

しばらくすると、モナドンはある資料をアタイに見せてくれました

注意書きには、この資料は複製コピーが不可であること、そして、数分後には消えて無くなってしまうことが書かれていました

資料は、K君についての情報でした

アタイは、その資料を必死になって読みました

……

内容はK君の素行についてでした

……

Kポタの野郎~! あいつ、とんでもねぇ奴だな!

「何すか! Kポタって?」

うわっ! 総長! お前、何でまだいるんだよ!

「すいません、粘着テープにハマって動けなくなっちゃいました」

ゴキブリか!? お前は!

……

……

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