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建築

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#設計事務所

【architecture】国際子ども図書館|安藤忠雄

【architecture】国際子ども図書館|安藤忠雄

度々私のnoteで紹介されて頂いている建築家の安藤忠雄氏

国内から海外までつくってきた建築の数は多い

数を打つタイプの建築家でこれは仕事に飢えている証拠だろう

建築家の中には数より質を優先してあまり数に拘らない方もいる

安藤氏は数も質もこだわる建築家と言える
今では全国津々浦々で安藤建築を見ることができる

そんな安藤氏であるが、安藤氏の建築で一際優れていると思う建築は『リノベーション』で

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【architecture】曹源寺

【architecture】曹源寺

岡山県岡山市に曹源寺というお寺がある

岡山には桃太郎伝説もあり吉備津神社や吉備津彦神社など有名な神社がある

曹源寺はお寺であるが、このお寺は隠れた人気スポットになっている

曹源寺は岡山駅からバスで30分ほどのところにある

立派な門をくぐるとそこは木々が生い茂る神聖な領域である

さらに進むともうひとつ立派な門がある
こちらを抜けるとさらに気が引き締まる感覚を覚える

そして真正面に見えてく

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【architect】谷口吉生に学ぶ

【architect】谷口吉生に学ぶ

谷口吉生氏という建築家をご存知だろうか?

建築を生業としている者として「谷口吉生氏をごぞんじだろうか?」などと容易く口にしてはいけないような、日本を代表する大御所の建築家である

これまた巨匠建築家である故谷口吉郎氏を父親とするサラブレッドでもある

以前私のnoteでも実作を紹介させて頂いたことがある

上野にある法隆寺宝物館

金沢にある鈴木大拙館

今回は新たに2014年に完成した
『京都

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【architecture】House SH|中村拓志

【architecture】House SH|中村拓志

そもそもデザインとは、コーヒーカップそのものではなくコーヒーを淹れて飲むことの幸せや、車そのものではなくドライビングの喜びを対象とする仕事だ。経験をデザインするということ

柳宗理

プロダクトデザイナーの柳宗理氏の言葉である
柳宗理氏は暮らしをデザインすることを具現化した作品を数多く残したことで知られる

建築の設計においても、東日本大地震以降、特に求められるものが変わってきた

よく言われるの

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【architect】雨のみち

【architect】雨のみち

日が昇る前の時間に目覚め、カーテンを開け、窓を開けると雨音がする

なんだろう…
この安心感は

静かな明け方に雨音を聞きながら作業をするのが好きだ

雨音が焦りとか苛立ちとか色々な感情を洗い流してくれるようだ

そんな雨であるが建築にとっては実にヤッカイな存在でずーっと雨との戦いを続けてきているのだ

そもそも建築にかかる雨をどうやって逃すか?建築はそこから始まると言っても過言ではない

その為

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【small design】世界一大きなトイレ

【small design】世界一大きなトイレ

お下品かもしれないが、今日はトイレのお話

経営の神様こと松下幸之助はトイレ掃除を欠かさなかったそう
人の嫌がることを率先してやる
そんな心を育てるのがトイレ掃除である
トイレ掃除は経営の基本にまで繋がっている

また先日noteで知り合ったあつこさんの記事には『夫はトイレ掃除をするか』というトイレは流せても、聞き流せないお話があったこともありトイレについて書いてみたいと思う

さて、千葉に『世界

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【small design】くぐる

【small design】くぐる

幼い頃から神社が好きだ
今でも神社が好きだ

建築を生業としているから古い寺社建築に魅力を感じる…的な話ではない

単に神社という空間が好きなのだ

昔から神社で遊んだり、なにをするわけでもなく神社でボーっとしていた

あらためて少し神社について考えてみた

『鳥居』というのは不思議な力を持っている
扉もないから常に開けっ放し
しかし鳥居を『くぐる』という動作を伴うだけで異世界に入った感覚をもたら

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【architecture】光の教会④|安藤忠雄

【architecture】光の教会④|安藤忠雄

教会完成から10年後、教会の隣の敷地で新たな建築の話が持ち上がった
もちろん選ばれた建築家は安藤忠雄である

『日曜学校』と名付けられたこのホールは教会の増築という形でつくられた

教会がストイックな祈りの場であるのに対して、日曜学校は信者さんやそのお子さんが一緒に学んだりコミュニケーションを取る場である

コンクリートの打ち放しではあるが木が多用され明るく優しい空間である

ここで教会という場に

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【architecture】光の教会③|安藤忠雄

【architecture】光の教会③|安藤忠雄

前回までの記事はこちら↓

教会は完成した
少しこの建築に秘められた設計意図を私なりにまとめてみようと思う

(資料は下記のHPより引用)

まずこの建築の肝は正面の十字の切り込みである
(図面の①のところ)
それであれば箱に切り込みさえあれば表現はできる
ではL字型の壁がなぜ貫通しているのか…

ひとつは光の調節である
恐らく法律上の採光を確保することと最低限の明かりをいわゆる窓を設けることなく

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【architecture】光の教会②|安藤忠雄

【architecture】光の教会②|安藤忠雄

前回の続きである(前編はこちら↓)

基本設計がまとまり、具体的な詳細設計に入ると単純な箱のはずの設計は困難を極めた

正面にある十字の切り込み
この建築の肝である

一見単純だが切り込みにより構造的には切り込みから上の壁は浮いたことになる
その浮いた壁を支えるためにこの壁の中に大量の鉄筋が埋め込まれているのだ

コンクリートは型枠の中に鉄筋があり、そこにコンクリートの塊を流し込むことでできる

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【architecture】光の教会①|安藤忠雄

【architecture】光の教会①|安藤忠雄

ところで、建築家の選択として、あなたがベストだと思うけれど、条件として、われわれにはお金がなない。したがって、これもあなたに頼むのが適当だという理由である

時は1987年。
はじめて建築家安藤忠雄の元に教会建設の依頼に訪れた施主は、建築家にこのように話した

かつて、織田裕二と財前直見が出演したドラマ『お金がない』はトレンディドラマ全盛期にヒットした

建築家の選定に『お金がない』からという理由

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【architecture】ベネッセハウス|安藤忠雄

かつて、ここは製錬所の煙害によりハゲ山と化した島だった

このハゲ山をアートの力で世界中の人が訪れる島に生まれ変える

ひとりの熱狂が世界から注目される魅力ある島をつくりだした

直島は瀬戸内海に浮かぶ小さな島である
この島を世界的に有名なアートの島として生まれ変わらせたのが、ベネッセコーポレーションの創業者の福武總一郎氏である
そして、その建築の設計を担ったのが建築家の安藤忠雄氏である

計画の

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【architecture】街を眺める建築|塔の家|東孝光

【architecture】街を眺める建築|塔の家|東孝光

梅雨が早く始まった上に緊急事態宣言中の岡山
日中息子と過ごす時間も多いこの頃は、よく息子に抱っこをねだられて道路側の窓辺で、通り過ぎる宅配車や郵便配達のバイク、登下校する小学生などを眺めている

抱っこをしているのはしんどいのだが、私は何気ない人間観察が好きだ
街を歩く人は、ニヤニヤしてる人や、何やら落ち込んでいる人や、小走りに急いでいる人など様々な表情をしている

その姿を見ているのは理由は分か

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【architect】母親は建築家|永山祐子

【architect】母親は建築家|永山祐子

2020ドバイ国際万博博覧会が2021年10月からはじまる予定だ

コロナの影響で一年延期になったが着々と準備が進んでいるようだ

そもそも万博とは国際博覧会または万国博覧会のことで、ひろく色々な国や人に新しい文化や技術を紹介し、将来の展望を示すことを目的としたイベントである
世界初の万博は1851年のロンドン万博である
日本では1970年の大阪万博、2005年の愛知万博、そして2025年には大阪

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