マガジンのカバー画像

映画の感想

127
運営しているクリエイター

#邦画

2023年ベスト映画 トップ10

2023年ベスト映画 トップ10

劇場公開から配信までの間隔がどんどん狭まって、年末には9月公開くらいの映画ならば(特にU-NEXT)配信で観れちゃうようにはなってるのだけどこうして振り返ると劇場鑑賞のインパクトはやっぱ強い。来年は恐らくここまで映画館には行けなくなるはずなので、このトップ10を大事に噛み締めます。

10位 正欲

欲望が共有されない寄る辺なさ、欲望を共有することで生まれる信頼、という点でとても根源的な問いにまつ

もっとみる
2023年上半期ベスト映画 10

2023年上半期ベスト映画 10

10位 フレーミングホット!チートス物語

あまり観ない伝記モノだが知られたお菓子という題材に釣られて観たらとても面白かった。自分はこのぐらいのモン、と社会や時代に思わされてしまう境遇においても、ユーモアとアイデアの輝きはきっとずっとそこにあることを実直に描いていた。こういうニッチなヒストリードラマ、もっと観たい。

9位 フェイブルマンズ

スピルバーグの巨匠への道筋をなぞる映画だと思いきやその

もっとみる
Podcast『海月の人々(((通信)))』#15.「THE FIRST SLAM DUNK」「このテープ持ってないですか?」/#16.柄本佑「ippo」安藤サクラ「ブラッシュアップ・ライフ」

Podcast『海月の人々(((通信)))』#15.「THE FIRST SLAM DUNK」「このテープ持ってないですか?」/#16.柄本佑「ippo」安藤サクラ「ブラッシュアップ・ライフ」

夫婦ポッドキャスト『海月の人々(((通信)))』、第15回はいつもを趣向を変えまして、どちらか1人しか観てないものについてお互いが語りかける回。なまずのさんは「THE FIRST SLAM DUNK」、月の人は「このテープ持ってないですか?」です。各々の好みの方向性が浮き彫りになりました。

第16回は、最近観た映画と夢中になっているドラマの話。柄本佑が監督した短編3本をまとめた映画『ippo』の

もっとみる
旧作の感想メモ(2022年11,12月)

旧作の感想メモ(2022年11,12月)

11月は間違えて1か月延長したアマプラの作品などを一気に見て、12月に久々にレンタル屋を利用した結果、突如としてシャマランブームが到来。

未来世紀SHIBUYA(2021)

僕らの白石晃士監督がHuluで撮ったドラマ。2036年の渋谷を舞台にWeTuber正義マン(金子大地と醍醐虎太郎)がのし上がっていこうと危険なミッションを動画配信するうちに、いつしかこの世界の陰謀に巻き込まれていく、、とい

もっとみる
2022年ベスト映画 トップ10

2022年ベスト映画 トップ10

2022年の映画で良かった作品を10本選んでランキング化。今年も大充実。下半期は特にやや好みの範囲外にも足を伸ばし、思いがけぬ名作を見つけられたと思う。やっぱり、確実な傑作よりも小さな名作を抱きしめていきたい。

10位 そばかす

三浦透子の単独初主演作。同年代最上級の演技とともに彼女の良い“走り“が観れる映画だった。立ち向かうでも逃げるでもなく、ただシンプルに自分として走ることの難しさと気高さ

もっとみる
ポッドキャスト『海月の人々(((通信)))』#12.生きた音の映画〜「はだかのゆめ」「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」

ポッドキャスト『海月の人々(((通信)))』#12.生きた音の映画〜「はだかのゆめ」「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」

夫婦ポッドキャスト『海月の人々(((通信)))』、第12回は映画回。Bialystocksとしても活動する甫木元空監督の「はだかのゆめ」、そして青山真治監督の追悼上映で観た「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」の2本。2人は師弟関係にあり、ともに“生きた音”を映画に活かす2作。継承されていく美学と、2人を繋ぐ仙頭プロデューサーの話など、あれこれ喋りました。
#音声配信 #日記 #夫婦 #ポッ

もっとみる
揺さぶられる人間の味~「窓辺にて」

揺さぶられる人間の味~「窓辺にて」

今泉力哉監督、稲垣吾郎主演による映画「窓辺にて」を観てからというものの、何度となく考えている。人間味とは何かということを、だ。愛嬌とかクールさとか、そういうキャッチーなものじゃなく誰しもが自分で知らないうちに抱えているような人間の味。それは自分で把握している部分もあるだろうが、他の人からしか知りえないものも沢山ありそうで。そんなことを考えれば考えるほど、他者と生きることの面白さと不思議さが押し寄せ

もっとみる
ポッドキャスト『海月の人々(((通信)))』#9.SFは一軒の家から〜『四畳半タイムマシンブルース』『アフター・ヤン』

ポッドキャスト『海月の人々(((通信)))』#9.SFは一軒の家から〜『四畳半タイムマシンブルース』『アフター・ヤン』

第9回は映画感想回。原作:森見登美彦、脚本:上田誠、監督:夏目慎吾の「四畳半タイムマシンブルース」と監督:コゴナダ、主演:コリン・ファレルの「アフター・ヤン」について。どちらも1軒の家を中心にしたSF作品。一方はタイムトラベル、一方はAIロボットということでジャンルは違うのだけど、どちらも“今”を描く作品になっているのが最高だった。

トークトピックスは以下。

SFのイメージ
ROTH BART

もっとみる
最近観た旧作の感想メモ(2022年9、10月)

最近観た旧作の感想メモ(2022年9、10月)

9月はアマプラ月間だったので全てアマプラで配信中の作品でまとめてみた。

THE BOYS season1

大企業ヴォートに所属する腐敗しきったヒーロー集団と、そのヒーローたちに恨みを持つTHE BOYSの戦いを描く作品。まぁ~~面白い!!こんなにスイスイ観れる海外ドラマ、初めてかもしれない。この2年間、マーベル映画に浸ってきたので前フリは充分。なのでアメリカ国旗を背負ってる奴が1番イカれてると

もっとみる
ポッドキャスト『海月の人々(((通信)))』#4.映画「さかなのこ」「LOVE LIFE」~"なんだコイツ"の果てに

ポッドキャスト『海月の人々(((通信)))』#4.映画「さかなのこ」「LOVE LIFE」~"なんだコイツ"の果てに

第4回は映画感想語り合い回。前半約30分は沖田修一監督/のん主演「さかなのこ」、後半約30分は深田晃司監督/木村文乃主演の「LOVE LIFE」について語りました。「さかなのこ」はほっこりとした伝記コメディ、「LOVE LIFE」は息詰まるヒューマンサスペンスと両極端な2本ですが、この2作に通ずる"なんだコイツ"という感覚を軸に喋りまくりました。

トークトピックスは以下の通り。

お茶の間の人

もっとみる
最近観た旧作の感想メモ(2022年8月)

最近観た旧作の感想メモ(2022年8月)

8月はNetlix月間だったで、「悪魔のいけにえ」以外はNetflixで配信中の作品でまとめてみた。

マリグナント 狂暴な悪夢

ジェームズ・ワン監督作品。人を殺す悪夢に悩まされる女性、しかしそれは正夢で、、という触れ込みではあるが、大仕掛けによってあえなくその前提は覆されていく。キャッチーで人に薦めたくなる魅力たっぷりの面白すぎるホラーサスペンスアクション、あと個人的にはダンスバトル映画だとも

もっとみる
2022年8月に観た映画(なまず/コンビニエンス・ストーリー/オカルトの森へようこそ THE MOVIE/グレイマン)

2022年8月に観た映画(なまず/コンビニエンス・ストーリー/オカルトの森へようこそ THE MOVIE/グレイマン)

なまず

「ベイビー・ブローカー」での飄々とした刑事役が印象的だったイ・ジュヨン、めちゃファンになってしまったタイミングで2018年制作の映画が公開されたので鑑賞。韓国のインディーズ映画は初めて観たのだけど、血生臭いサスペンスか社会派のイメージしかなかった韓国映画像を大きく覆すオフビートなノリのコメディでかなり驚いた。とぼけたやり取りと話のゆるい転がり方など、全てが新鮮に映った。イ・ジュヨンのロー

もっとみる
2012 to 2022〜映画『桐島、部活やめるってよ』公開10周年に寄せて+偏愛映画5選

2012 to 2022〜映画『桐島、部活やめるってよ』公開10周年に寄せて+偏愛映画5選

『桐島、部活やめるってよ』10周年今日、2022年8月11日は「桐島、部活やめるってよ」の公開からちょうど10年の日だ。10年前、大学1年生の夏に映画館で観てこれは凄いものを観たな、という気持ちになったことを覚えている。当時は大作を理由もなく毛嫌いしてたので同じ時期に公開されていた「アベンジャーズ」のキャッチフレーズである"日本よ、これが映画だ"を舐めとるなぁと思っていたし、言うなれば「桐島~」は

もっとみる
療養期間を彩ってくれた映画9選

療養期間を彩ってくれた映画9選

コロナにぶちかまされて10日間みっちり家にいたのでこれまで溜め込んでた未聴作品を貪るように観てた。"いつ観ても面白いだろう"と信じ備蓄してた作品なので全部凄く良かった。SF/サスペンス多め。全てU-NEXTで観れます

search

パソコン画面上で全部完結するミステリーっていう触れ込みだけでもう勝っちゃってる感じはあるけど、中身も大満足。このフォーマットでやれることは余すことなく全部やりきって

もっとみる